ゼネコンの水害DX
written by 病院建築note
■日本の気候変動と増加する「水害」
地球温暖化の影響で日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.30℃の割合で上昇しています。
気温が上がると、空気中の水蒸気が増えるので雨量も増加します。
一時間降雨量80㎜以上の年間発生件数も増加傾向にあります。
■実は地震災害より水害の方が多く発生している
日本の自然災害の発生件数内訳とみると、実は台風が57.1%、洪水が14.7%と水関係の災害が多いことがわかります。
■日本の災害拠点病院の約3割が浸水リスクを抱えている!!
災害時には各都道府県に設置が義務付けられている「災害拠点病院」が中心になり医療を提供します。 災害拠点病院とは平成8年に当時の厚生省の発令によって定められた「災害時における初期救急医療体制の充実強化を図るための医療機関」を指します。 各都道府県の二次医療圏ごとに原則1か所以上整備されており、当院は地域の災害拠点病院に指定されています。
この災害拠点病院ですが、その3割がハザードエリアにあるため、水害が発生した際に浸水リスクを抱えています。
災害拠点病院は災害時に多くの患者を受け入れる役目を担いますが、浸水すれば病院の機能が失われ医療の提供が途絶えてしまいます。
これまで病院のBCPは地震対策が中心でしたが、水害リスクが高まっているため水害に対するBCP策定の必要性が高まっています。
■水害リスクを調べる
水害リスクを事前に把握するには主に3つの方法があります
① 立地環境調査
国土交通省が運営しているハザードマップや、地域の過去情報から把握できます。
② 建物・設備の現状調査
建物の設計図書や現地の調査によって浸水リスクを想定します。
③ 施設の浸水リスク評価
浸水深さ毎に想定される損失機能を算出します。
■水害DXとは
タイムライン策定
災害対策本部のダッシュボードやスタッフが保有するタブレットを介して情報を収集し関係者に提供します。また河川の水位や五月雨式に発令される注意報や避難勧告を一元管理増します。
その状況に合わせた行動をスタッフに提示します。
河川の近くにある病院では注意報が発令されるケースを多いので、その度に外来を停止するかどうかの判断をしなければいけません。情報を一元管理して、その場面に合わせた行動タイムラインを策定することにより、適切な病院運営が可能になります。
必要な情報をリアルタイムに収集・活用することで、災害医療のパフォーマンスを飛躍的に高めることが可能です。
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hospital architecture note
mail:07jp1080@gmail.com
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