見出し画像

妻の話にアドバイスしてしまう夫

男女の夫婦、もしくはカップルあるあるなお話ですが、コーチングの受講生さんやクライアントからも最近よく耳にする話なのでこちらでちょっとご紹介しよう思います。


男性からみたことの顛末

朝から晩まで仕事で頭はフル回転、ヘトヘトになって自宅に帰ると
妻(パートナー)が今日の一日を話し始める…
人間関係の悩み、職場での悩み、子育ての悩み…

疲れた頭から最後のエネルギーを振り絞って、
妻(パートナー)の話にこう返答する。
「●●●をやってみたらいんじゃない?」
「●●●だからダメなんだよ、もっと○○しないと」
「そんなこと気にしなければいいのに」
「もう少し考え方を変えてみたら?」

すると突然妻(パートナー)の機嫌が悪くなる。こちらも疲れてヘトヘトなので、そこをなだめる気力もなく、喧嘩が勃発。
疲れている時に、悩み相談を解決しようとしてあげたのに、なんで機嫌が悪くなるんだ、女って意味が分からない…(心の叫び)


女性から見たことの顛末

家事・子育て・仕事・お付き合い、方々に気を使いストレスフルな毎日。
嫌な事、困ったこと、頑張ったこと、色々がたくさんあって誰かに話を聴いてもらいたい!

唯一遠慮なく、話をすることができる夫が帰ってきた!
「今日○○○があってすごく嫌だったの」
「●●●さんにこんなこと言われてすごく落ち込んだ」
「○○がすごく大変で、今日は疲れてヘトヘトだ」

とにかく嫌な事、大変だったことを話したいだけなのに、
いきなり夫が、アドバイスをしだした!
私には解決能力がないとでも思っているのか?
自分だってもちろん分かっている、分かっているけどとりあえず話したいだけなのに、なぜこの人は上から目線で私にアドバイスをしてくるのだろう?
ストレス発散のはずだったのに、もっとイライラしてきた…(心の叫び)


お互いの間で起こっている事

男性目線と女性目線でちょっとしたストーリーを書きましたが、似たような経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
私はこういった話を本当によく耳にします。そしてまた自分自身も全く同じことを経験済です。
(以下、男性女性でタイプを決めつけるわけではないのですが、よく聞くあるあるを私の経験に基づいてお話します)

男性は、問題解決思考の方が多いように思います。特に会社などにお勤めの場合、コミュニケーションを取る、ということよりも問題を解決する、という事を期待されることが多いからでしょうか…?

一方女性は、コミュニケーション重視の方が男性に比べて多いかもしれません。問題を解決するというよりは、コミュニケーションを取りながら共感する、ということが女性同士の関係ではよく求められることだったりします。

今日ここで書いたストーリーの様に、
女性が今日あった一日を夫(パートナー)話したことの目的は
話を聴いてもらい、共感してもらい、労ってもらうことです。
「そっか、そんなことがあったんだね、大変だったね、辛かったね、お疲れ様。」
「そんな大変ななか、子どもの面倒を見てくれてありがとう、ご飯を作ってくれてありがとう」
これが模範解答です。

一方男性の中では
「大切な人が困っているならもちろんそれを解決してあげたい、共感して解決せずに終わるなんて話を聞く意味がない」という思考が働き、一生懸命アドバイスをし、解決策を考えているのに、アドバイスをすればするほど相手が不機嫌になっていき、不甲斐ない思いをしています。


ではどうしたらいいのか?

ここからは、私が実際経験した我が家の例をご紹介します。
このストーリーは、つい数年前までまさに我が家の中で起こっていました。

今日一日の不満を吐き出した私にアドバイスを始める夫。
それに苛立ちそこから喧嘩が始まる毎日…。

なぜこんなに夫にイライラしてしまうのか、ある日冷静に夫と話し合った時にやっとその原因が分かったのでした…。

当時私は、育児休暇中で1歳になるかならないかの幼い子どもの子育て中。一日中、まともに話ができない赤ちゃんの相手、思い通りにいかない育児、外の世界(仕事)で活躍する夫への嫉妬、そんな色々な想いが渦巻き、とにかく夫には、「自分がこんなに色々を犠牲にして頑張っている」という事を認めてもらいたかったのです。
それなのに、認めることもなく、いきなり始まるアドバイス。認めてもらうどころか、まるで自分に解決能力がないとダメ出しをされているような気持ちになりました。

「私はアドバイスや解決策が欲しいわけではない」
「とにかく、大変だったことを知ってもらい、話を聞いてもらい、『頑張ったね』と一言いってくれれば、それでいい」

私の気持ちを説明した当初、夫はかなり抵抗しました。
「妻が困っているから、一緒に解決したいと考えているのに、
『大変だったね』『がんばったね』と意味もなく声掛けをして、
状況を終わらせるような無責任なことはしたくない」
これが夫の主張でした。

そこから私たちは長い間話し合いをしました。
結果今では、話をする前にまずは自分の要望を伝えるようにしています。
「この話は、共感してくれればいいだけだから、アドバイスはいらないよ…
 今日ね…○○で●●で…」
そんな時は夫は
「そうか、そうだったんだね…」とただひたすら聴くに徹してくれるようになりました。

もちろん、夫に話をする時に解決策を一緒に考えたいケースもあるわけで、
そんな時は、
「これは問題解決の相談なので、一緒にどうすればいいか考えてね」
と前置きをしてから内容を伝えるようになりました。

この習慣が出来て以来、私たちのコミュニケーションは大幅に改善し、喧嘩の量も以前に比べてかなり少なくなように思います。

コーチングセッションもまた同じ

実はこうしたコミュニケーションの取り方の確認は、コーチングセッションを始める前にコーチがクライアントに対し必ず行っている確認です。
「今日のセッションでコーチの私にはどんな関わりをしてほしいですか?」
そう問いかけると、クライアントは
「ひたすら話を聴いてほしい」
「ビシビシ厳しくフィードバックしてほしい」
「たくさん質問してとにかく色々考えさせてほしい」
などなど色々な答えが返ってきます。そしてまた、クライアントの希望通りの対応に可能な限り沿うことで、そのセッションの満足度も高くなることがほとんどです。

相手が望む関わり方を確認しながらコミュニケーションを取っていくこと、
これは実は社内の上司部下・同僚、友人、家族、様々なシーンで活用できる進め方です。もしも、誰かとのコミュニケーションの取り方に違和感や難しさを感じているなら、お互いの要望がずれている可能性があります。
ぜひ一度、そんな相手とは膝を突き合わせて、お互いに求めるコミュニケーションのスタイルを確認することも良い方法かもしれません。



いいなと思ったら応援しよう!