見出し画像

冬空の下、考えたこと

すっかり冬色の空となり、肌に感じる空気も冷たくなってきた。最高気温が10℃を切り続けたら冬本番と思っているため今はまだ序の口で、わんの散歩も出掛ける事にも余裕がある。
しかし休日の過ごし方はこれまでと変わり、「何もしない時間をいかに長く作り出すか」に精を出している。それはそれでなかなか体力を使い疲れるのだが、その時間を手に入れたという満足感は、他の何をも必要としない心の安定に繋がるのだった。暑く長かった夏に冬の到来を想像できないでいたが、暖かい部屋でぬくぬくする幸せを楽しめる冬がちゃんと来て、ひゃっほい。
かと言って、冬が得意なわけではない。



手に入れた時間で読書をしていた時、妙に勢いのあった2年前、mother休暇を二日間もらい東京に行った事を思い出す。
Googleマップを頼りに昼も夜もかなりの距離を歩き、何となく東京の繁華街が頭にインプットされた気でいたが、2年も経つともうそれは朧げになっている。
しかしもう一度あの時あの場所を思い出すきっかけとなったのが、銀座にある文房具店・四方堂の小説だ。その店に訪れる客と店主の会話で物語が繰り広げられるのだが、銀座のどこかの路地を進んだら、その先に実在しているのではないかと探してしまいそうな錯覚に陥った。
また、行きたいなぁ。

いつかの自己紹介の記事に、

50代の自分はどんな風に考えているのだろう。今それなりと思う40代の自分を、まだまだだったな、と思うのだろうか。それだったらどんなに素敵なことだろう。

と書いた。
数年経った今、今の自分をそれなりとも思わなければ、まだまだだと思う。何があったわけではないが、50代になる前にすっかり考えが落ち着いた。
自分には芯がないのだろうかと思うほど、日々考えが変わる。その変わった考えに対しては、その時自分があれこれ考えた結果導き出されたもので納得できるものではあるのだが、いまだに自分の芯を見出せないでいる。
でもいいタイミングで、吹き込み的な考えが巡ってきた。

法隆寺の五重塔は完成してから1400年以上も経過しているが、どんなに大きな地震が起きても倒れたことが一度もない。
なぜか?
「わざと揺れやすく造り、揺れの衝撃を吸収するから」
心柱しんばしら」という五重塔の中心を貫いている1本の柱があり、その心柱が横揺れによる衝撃を吸収する働きをしているから。
例えば塔が右に傾こうとすれば、心柱は左に動いて地震の揺れを軽減してくれる。
高い建物が倒れる一番の原因は地震だが、揺れない頑丈な建物ほど倒壊しやすい。
それに対して、五重塔は揺れやすいからこそ、大きな地震が起きても耐えられる。
東京スカイツリーは634mの高さを誇るが、法隆寺の五重塔の構造(心柱)を真似して造られている。
このように、五重塔もスカイツリーも「揺れながら安定」している建物なのだ。

教育委員長のお言葉




人間も同じで「揺れながら安定」するのが一番の強さで、悩んだり迷ったりしてどれだけ心が揺れてもいいのだとのことを知った。
曲げない信念がない事、揺らがない思いがない事が私の心柱なのだろうか。


2年前の少し調子に乗っていて勢いのある自分を懐しみ、またmother休暇が取れる事を夢見る何もしない日曜日の午後3時。


私の心柱とは…






noteでの出会いに感謝します
                ☺︎マティ☺︎

いいなと思ったら応援しよう!