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あがきまくるから納得できる自分の器 『悩みどころと逃げどころ』 #364

敗北が受け入れられない人は、とことんやってない。後悔するとしたら、そこなんじゃないか。

「考える力」についての対談を見て、思い出した一冊がありました。

ブロガーのちきりんさんと、ギネスに認定された世界一のプロゲーマー梅原大吾さんによる人生対談『悩みどころと逃げどころ』です。

わたしは梅原大吾さんという方を知らなかったので、本を読んでからプロフィールを見て驚きました。

14歳で国内最強に、17歳で世界大会優勝。

すごい。プロゲーマーってどんな仕事なんだろう、日々どういうトレーニングをしているんだろうと、そちらにも興味がわいたのですが。人生の早い段階で「やりたいこと」に出会ってしまうことは、それほど幸せなことではないようです。

スポーツにしても、芸術にしても、「これが好きだからチャンピオンになりたい」という思いは「解けない呪い」のようなものだとも発言されています。

学校では寝てばかりだったという梅原さん。一方のちきりんさんはというと、要領よく点数を取れる「学校エリート」。授業中に寝ていた自分が悪いのか、興味を引けなかった教師が悪いのか。学歴がないことによる理不尽、マジメに勉強したのに悲惨な生活という理不尽。おふたりの経歴も、住む世界も違いすぎますが、相手に興味を持つことで、議論はガッチリはまっていくのだなと感じました。もっとも、本ができるまでに4年も対談したそうなんですけどね。

おふたりの違いは「勝負」に対する考え方にも表れています。

競争は結果がすべてと考えるちきりんさんに対して、梅原さんは「本当に大事なのは結果に至るプロセスだ」と答えています。

どういうことか。

梅原さんも最初は「勝ちゃあいいんだろ」と、「簡単で強いキャラ」を選んでゲームをしていたそう。ところが「使いこなしにくい、難しいけど強いキャラ」を選んだとたん、ゲームの奥深さに気づいたのだとか。勝てるようになるまで時間はかかるけれど、対策はされにくい。だから勝ち続けることもできるようになった、とのこと。

技術に対して工夫と思考力を磨いたというお話は、昨日ご紹介した濱口秀司さんの「思考を見つめるトレーニング」を思い出させます。

20代で一度ゲームから離れ、あがきまくった中で自分の器に納得できたという梅原さん。

自己決定した上でとことん頑張ったなら、受け入れられるんじゃないかな。敗北が受け入れられない人の多くは、とことんやってないんですよ。そして自分でもそれがわかってる。後悔が残るとしたらソコなんです。

「#1000日チャレンジ」の丸一年までカウントダウンに入ったと気がついたとき、わたしは「とことんやった」のだろうかと考えました。毎日毎日書き続けて、これが何になるんだと言われたし、迷ったこともいっぱいあるし、もっとゆっくり一冊の本や映画に向き合いたいと思うこともありました。

だから、366日目の更新をやるかどうか迷っていたんですよね。

でも。

今年は「うるう年」だったんですよ!!! 366日やってはじめて「丸一年」と言えるのかと思ったら、なんだか悩んでいる時間がバカらしくなったのでした。笑

これはわたしのチャレンジだから。とことんやったと自分が納得できるまであがいてみるしかない。でも、「逃げどころ」はいつも手の中に置いておきたいなと思います。


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