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「成年後見人」。私の実例紹介。

こんにちは。
私はとある事情により、親の「成年後見人」になっております。
聞いたことのない方がたくさんいると思いますが、高齢化社会ではとても重要なシステムになる可能性があります。私自身が体験していることを記したいと思います。

成年後見人とは


成年後見人とは、ネットによるとこう書かれています。

「成年後見制度は精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)により判断能力が十分でない方が不利益を被らないように家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度」

上にある「援助してくれる人」が、私です。親は介護施設に入っていて自分では財産管理が出来ない状態になっているため、代わりに管理するのです。

でも、成年後見人になるためには時間と手間がかかります。まずは司法書士の方と二人で「成年後見人」になります。そして司法書士が私からあれこれ聞いて財産報告書を作成して裁判所に提出します。で、その財産報告が認められたところで、司法書士の方は成年後見人の役目を降ります。その際、司法書士に報酬を支払います。出どころは親の財産からでした。

いろいろな書き込みを見ると、この成年後見人は子どもや親族がなれずに困っているケースなども見聞きします。東洋経済オンライン上のネット記事から転載させていただくと、

「自分が親の成年後見人になります!」と申し立てても、家庭裁判所が不適任と判断すれば、専門職後見人(弁護士や司法書士など)が選ばれることです。幸いにして、子どもが後見人に選ばれたとしても、多くの場合、成年後見人を監督する成年後見監督人(弁護士や司法書士など)が付くことになります。私は、このパターンでした。「普通は、子どもが選任されるのでは?」と思うかもしれませんが、専門家に取材すると「最近は不正防止のため、専門職後見人が選ばれるほうが一般的になりつつあり、あなたのケースのほうが珍しい」とのこと(略)専門職後見人や成年後見監督人が付くと、何が問題なのか。もっとも大きいのは、年間24万円程度の報酬が発生する。。。。。。

とあります。
私の場合はそういう事はありませんでした。その違いは、おそらく、私が親に代わって訴訟を起こす必要があったからではないかと思います(判断能力のない親が直接訴訟を起こすことができません)。

実際、どれぐらいの割合で、希望が通らないのかは分かりません。

私がやる「仕事」

子どもである私が成年後見人になれたとはいえ、勝手に親のお金や財産を利用することはできません。
親が持っていた現金は、大きく二つに分けることが義務づけられます。ひとつは「信託」と言って、いったん預けたら相当の事情がない限り引き出す事はできません。
もうひとつは、「通常」の取り扱いとされてはいます。が、実際はそんな事はありません。あくまで、親が使うためのお金であり、ほかの人(たとえば子ども)が自分の家計の足しにしたりとかで使うことはできません。
私の親は介護施設に入っていたので、使い道は「介護施設への支払い」「医療費」「介護施設へ移る前に住んでいた家の管理費」でほぼ確定します。また、10万円以上を支払う際は事前に裁判所に「連絡票」を出して許可をもらわなければいけません。たとえば、家の雨戸が壊れたので修繕するときや、家の火災保険に入るときも、一件一件で「連絡票」を書いて郵送しました。

また、財産報告書を、1年に一度、裁判所に提出します。これがなかなか大変です。通帳とにらめっこしながら、支出と収入を1円単位まできちんと計算して書き出すのです。最初は司法書士に任せっきりだったものが翌年は私ひとりでやるので、かなり戸惑いました。翌年は、計算が比較的単純になったこともあって1日で終えることができました。
それでも細かい計算が苦手な私にはそれなりに大変だなあと思いますが、「365日のうちの1日だから」と割り切って考えるようにしています。親の財産のことを考えながら「この1年は親はこんなふうに生活してきたのだなあ」とまとめられる、ということも言えると思います。

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私がこの手続きをするうえでいちばん苦労し腹が立ったのは、銀行での手続きでした。
親は複数の銀行に預金を預けていました。本人が預金を引き出すことが難しい状況になり、私自身がその手続きをすべく、各銀行に出向きました。ところが、こういうケースがまだ少ないからなのか、待ち時間がとにかく長く、1〜2時間かかるのが当たり前でした。しかも書類がひとつでもなければ出直しを命じられます。なおかつ、平日の日中に銀行へ行く必要があるので、普通のサラリーマンにとっては勤務に思い切り支障が出ます。「◯分ほどお待ちになる必要があります」とも言ってくれません。最後のほうは、ただ待っているのがバカバカしくなり、銀行員の方の目の前で堂々と仕事をさせていただきました。
私が親の成年後見人であることは間違いない(法的に定められた)のですから、それを銀行共通のデータとして共有してくれれば、いちいち各銀行に出向かずとも済むのに、と思います。

まとめ(終わりに)

親のものとはいえ、不正に財産を使う親族も少なくないらしいので、こういうシステムになったのだろうと思います。裁判所に「連絡票」を出すべきか電話をする際も、とても低姿勢で対応してくれます。
ただ、あまりにも不自由な点が多く、ではどうすればここまで複雑なシステムが改善されるのかもよく分かりません。この制度が周知される日は遠いように感じています。

#私の仕事

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東の京の田舎市民
至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。