人を「合格」に導いたこと
皆さまこんにちは。
「部活の思い出」というテーマ。
正直なところ、ほとんど良い思い出はありません。
ただただ運営に苦しみ、結果も出なかった2年間ちょっとでした(高校3年生の5月には部活動を終えたため)。
それを書いてもいいのですが、まあそれは今回は置いておいて、今回は自分がやり遂げた一つの出来事を書きます。
剣道1級
私は高校時代、剣道部にいました。
剣道部は、高校から始める人も結構います。
高校から始める人にとって最初の関門となるのが「1級」です。
1級の次が初段、二段…と続いて八段が最高位ですが、高校生のうちは三段までしか取れず、しかもいきなり三段をとることはできず、ひとつずつ「1級」「初段」「二段」と取得します。
初心者が最初に受けるのが「1級」です。
どうしようかと思った末に
ある子は、かなり「どんくさい」系でした。他の初心者が上達していくより格段に上達が遅く、試合のメンバーにはとても入れそうにないことは明白でした。
となれば、彼にとっての「勲章」は、試合のメンバー入りではなく「1級」に合格することです。
しかし、それもおぼつかないのではないか、と心配でした。
1級はほとんどの人が合格します。それだけに、万が一落ちたとなれば、その子が受けるショックは相当のもの。容易に想像できます。
しかしその技術力が足りない。
審査当日、私は他の子はそっちのけで、その子につきっきりになりました。
直前、私は言いました。
「とにかく声を出せ。会場の中で『俺がいちばん声がデカい』と思えるぐらい声を出せ!」
技術は足りなかったとしても声の大きさなら勝てる。むしろ声の大きさだけでも勝ってほしい、と思ったのです。
実技審査ですが、やはり技術的なところでは相手を打てなかったように記憶しています。でも、彼は本当に大きな声を出して精いっぱい打ちました。普段の練習よりもいい技を出していたと思いました。
合格発表。
不安でした。落ちていたら私の責任。「お前のせいじゃない。お前は全力でやった。俺が悪かったと言おう」と本気で思っていました。
結果、合格。
後輩から「俺、本当に何もできない人間だと思っていたので、受かるか心配だったんです! 本当にうれしいです! ありがとうございます!」
と握手されました。その勢いには気圧されましたが、部活動をしていて初めて貢献ができたと思えた1日でした。