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世界は広い(ジンセイハ、オンガクデアル(ブレイディみかこ))

全く読んだことのないジャンルでした。

イギリスに暮らす方による著書で、前半は、ご自身が勤めている託児所(それも「底辺」で暮らす町の←著者曰く)で起きているさまざまなことを綴っていて、後半は映画や本、音楽(主にイギリスの)評が書かれています。

イギリスがここまで階級に分断された社会だとは知りませんでした。
そして日本以上に「弱者切り捨て」の様相も見えてきます。とても厳しい社会を生きなければならない人々の姿がリアルに描かれています。

「階級が云々言い出すのは大人だけ。幼児にはそんなことはわからないし気にもしない」
 などということを言うドリーマーな指揮者が時々いるが、幼児はしっかり自分のバックグラウンドを認識している。むしろ、階級という状況説明用語やそのコンセプトを知らないだけに、大人よりも濃厚&本能的に他者との差異を感じていると言ってもいいだろう。

103ページ



ガラが悪くて貧しいだけではない。何か非常にレアなものが彼らの中で育っている。

118ページ

子どものことについて書かれた一文です。刺さるものがあります。

そして、「日本だけじゃなくてイギリスでもそうなのか」と思ったのがこの一文。

メディアの偏向はいつだってローカルな真実を黒く塗り潰す。

330ページ

ただ、これが書かれているのは今ではなく、20年ほど前のこと。今はどうなのかはわかりませんが、少なくとも日本ではいまだ「偏向」は変わりません。



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東の京の田舎市民
至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。

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