「ザ・クリエイター/創造者」でもやもやした話。
久しぶりにSFを見たけど、予告で感じた嫌な予感は当たった。
すごいもやもやする映画でした。
この手のSF映画はビジュアルがいいだけ過度な期待をしてしまう。
まず全体を通して予想を全く越えてくることのないストーリー。
ニューアジアの雑にアジア諸国をまとめられた感じ。
なぜニューアジアになったのかっていう歴史が見えてこないのでいまいち世界観にハマれない。
あと渡辺謙はやたらと日本語喋るけど、他のシミュラントはほぼ日本語を使わず英語や中国語とかでそれぞれ別々の言語で会話するのが引っかかる。
AIだから別の言語でも自動翻訳かなんかで意思疎通できますよみたいなことなのか。なんか曖昧すぎる。
その他にも気になった点は多々。
アメリカ軍の上官が主人公を騙して利用していながら完全な悪役に描き切れておらず、チープなセリフだけ吐かせてみたりとか。
ヘリのシーンでの同僚たちが主人公を薄ら笑う感じとか、女の上官の涙はなんやったんとか。
爆弾思いっきり仕掛けられて気づかずに死ぬみたいな間抜けさとか。
ドリューがニューアジアに亡命してる理由とか。
アルフィー治しに行ったのに何事もなかったように話が先に進んだりとか。
アメリカ軍が「AIは人類の敵だ」とか言う割にけっこう無差別に攻撃してて人間も同じくらいかそれ以上に死んでるやんとか。
ニューアジアの陰謀でAIが暴走した結果、核爆発が起こったことへの報復とかならわかるけど。
対してAIも「AIは人間の敵じゃない」的なことを言うがアメリカ軍に対してはけっこう容赦ない。
中途半端に現実に近い設定だから細かいところまでやたら気になるのでいまいちハマれない。一昔前なら気にならずに済んだかもしれない。
どうせならもっと設定から飛ばしたとんでもSFのほうが見たかったな。
そこは好みの問題もあるのかもしれないが。
追記(2023.10.31)
おまけの夜のレビュー動画を拝見しました。
柿沼氏によると、
どうやらこの映画は他のハリウッドの大作映画と比べてると予算がおよそ半分の低予算映画であるらしい。
この監督ギャレス・エドワーズが過去に手掛けたローグ・ワンと比べると約3分の1しかないとか。
(それでも日本で考えると予算多いほうらしいが。)
監督自身も世界最高峰のインディー映画を作る気持ちで作ったらしい。
これでこの映画に感じたモヤモヤはほぼ解決した。
まあ、もやもやはもちろんしていたのだけれど、それでも映像のクオリティはとても高かったし、役者の演技もよかった思う。(とくに子役。)
ただ人におすすめできる映画かと言われるとそうでもないなといった印象です。
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