「時生」本を読んだ感想
「時生」 東野 圭吾(著者)☆4
読み終わったとき、完成度の高さに「すげえな」と思った作品。主人公 宮本拓実は不治の病を患う高校生。 時生の命が尽きるというとき、「実は20年以上前に時生に会っていた」と妻に語る。この書の思い出話がこの本の本編となる。どうしようもない若者だった拓実は「トキオ」と名乗る少年と出会うのだが、そこから拓実の人生が大きく変わっていく。
物語は北方謙三作品のようにハードボイルドだがそれでいて軽やかな展開で進んでいく。スピーディな状況の変化に「次はどうなるの!?」とページをめくる手が止まらない。そしてラストは必ず心が温まるはずだ。「明日だけが未来じゃないんだ」という劇中に出てくるセリフは僕の心に深く刺さった。