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新しい視点でみつめ直すと人生に変化が起きる

コピーライターとして独立し、「キャッチコピーの教科書」を出版してからも、常に新しい視点で仕事を見つめ直し、仕事を広げてきたコピーライター・さわらぎ寛⼦さん。

京都ライター塾アドバンスコースの特別講座で、ライター道を進もうとしている私たちのために「ライターとして仕事を広げるためにできること」というテーマでお話しいただきました。

さわらぎさんの講座では、受講者それぞれの仕事の可能性を広げるために、「対話」と「抽象化」が繰り返し行われました。

自分の経験を再現することで意味が生まれる「対話」と、対象から注目すべき要素を重点的に抜き出して他は捨て去る思考手法の「抽象化」。それらを通して、実際に「言葉で仕事をつくる。」過程を体感できる講座になっていました。
 

言葉で仕事をゼロからつくり出してきた

育休復帰が転機となり、社内でのキャリア形成に限界を感じ、独立したさわらぎさん。フリーランスになった当時は、1歳児を抱え、仕事はゼロの状態。そこから、自分の強みを活かし、「言葉で仕事を作る」など独自の講座を開催してきました。

自分と同じように、自分の名前で働こうとする人、仕事をゼロからつくり出す必要のあるフリーランスの人たちを応援したい。そういう人たちが、一人で商売をするときに必要なものは何か、時代に合わせて考え抜いてきました。

講座で教えても思うような成果が出ないときには、小さな違和感も見逃さず、次の講座のヒントになるアイディアを生み出す。そうやってピンチをチャンスに変えてきました。

目の前のお客様が必要としていることに誠心誠意向き合って、変えるべきときが来たら潔く変える。時代のニーズに合わせた柔軟な姿勢が、著者の変遷にも表れています。

「キャッチコピーの教科書」
「自分を売り出す1行を作れ」
「売れ続けるネット文章講座」
「発信力を強化する『書く』『話す』サイクル」

変遷を見ると、現状に満足することなく、時代に合わせつつもその先を見つめる。その仕事ぶりによって信頼を獲得してきた、さわらぎさんの仕事人生そのものを物語っているようでした。

たった一行で分かってもらえるサービスなんてないのだから、人柄や考え方を伝え続けるのが大事というさわらぎさん。サービスは「誰から」買うのかが大事、というメッセージをいただいたので、本レポートもさわらぎさんのお人柄を伝えることに焦点をあてたいと思います。

文章は力強く、話すときは柔らかに

講座を受講する前に、さわらぎさんの著書「自分らしさを言葉にのせる 売れ続けるネット文章講座」を拝読したのですが、ここに書いてあることを着実にやれれば大丈夫と思わせるくらい説得力のある文章でした。一方で、こんな力強い文章を書く方と話すのは、正直気が引けるなとも思っている自分がいました。

しかし実際画面に映っているさわらぎさんは、文章を読んで感じた強い人物像からは程遠い印象でした。まるでほろ酔いの音声配信を再現されているかのような、ご機嫌なテンションの関西弁。そのギャップがまた人を惹きつけるのかもしれないですね。

グループワークのように「対話」する講座

講座というと講師が一方的にしゃべるイメージが強かったのですが、いい意味で講座らしくない講座だと思いました。例えるなら、まるで仲良しの友だちと居酒屋に行ったような楽しさを覚えたのです。

「今、ふわぁっと思っていることでいい」「なんとなーく」「ちらっとでも」と、あえて枠を外してふんわりと問いかけてもらうことで、気持ちが軽くなりました。こうあるべき、ちゃんとしなければいけない、という思い込みが外れていきました。もう窮屈な枠なら外していいよというメッセージに、心理的抵抗も一つずつ解けていきました。

口から出たものを書けばいい

さわらぎさんの講座では「うまく書けません」という相談ばかり。なのに、質問すると答えられる、謎の現象が続出すると言います。

「なぜ、口から言葉が出ているのに、書けませんというのか?
それを書いたらええやん!」

確かに!本当にそうですね、と相槌を画面に打ちつつ、面白い語り口ながらも鋭い視点に唸らされました。

今回の受講生たちも、口をそろえて書けないと言うのですが、さわらぎさんに質問された途端、スルスルと答えていきました。「自分の強みは何もないんです」という方が、さわらぎさんと対話しているうちに、あっという間に強みを見つけ、一つのサービスができあがりました。


抽象化で可能性が広がる

コールセンターでの勤務経験がある方は、「これまで自分でブログ発信をしてきたが、過去の仕事なので、ネタが尽きてしまった」と相談しました。すると、コールセンターで怒っている人の対応をした経験は、抽象化するといろんな要素に分解できることを示してくれました。人の気持ちが分かる、声だけで相手の感情が分かるなど、意味のある経験として再現されていきました。

自分のやってきたことに意味を見出せたとき、人は人生を肯定できるのかもしれません。相談した方の目に力強い光が宿っているのを私は見逃しませんでした。

このように実際に経験した業務内容を抽象化するだけで、仕事の幅がぐっと広がることを対話を通して引き出していきました。一つの物事も、抽象化することで応用が効き、そこから仕事を新しく作り出せたり、無限の可能性を生み出すことに、非常に魅力を感じました。


思いが言葉になると実現に近づく

的を射た具体的なアドバイスに背中を押されて、受講生の目の色が変わっていく様を目の当たりにしました。自分でもできるかもしれないという可能性に満ち溢れた目からは、不安の二文字は消え去っていました。

理想の自分と現実の自分にギャップがあるから苦しい。そのギャップを埋めるには、理想を自分ごとにすることだとさわらぎさんは言います。自分ごとにするための質問をされると、思いがスルスルと言葉となって口から出て、形になっていきます。曖昧だったものが形になったとき、自信をまとっていく過程は、コーチングのようでもありました。

「自分はこういうことを大切にしている」
「こんな世の中になったらいいな」
「自分はこういう人達のために何かやりたい」
「なぜこういうことを伝えたいと、個人的に思っている?」
なんとなくでOK!と、できるだけハードルを下げて答えやすい質問をしてくれるので、うまく言えなかった思いもひとまず言葉にしてみようと思えるのです。


受講後に変化が!

最後に、講座をアーカイブで受けた後の、私の変化を書きたいと思います。早速講座で学んだ「対話」と「抽象化」を活用したところ、仕事のアイディアがむくむくと湧いてきました。食えない資格と言われているキャリアコンサルタントも、抽象度を上げていくと、話を聞いて物事を解決することに応用したり、ライティングと組み合わせてみたりなど、意外と広がりがありそうだということにワクワクしてきました。

自分のやっている仕事内容を抽象化してみると、可能性を最大限広げられることに気づいたのです!

受講後、さわらぎさんの言葉によって数々の思い込みが払拭され、以前より発信を気楽に捉えることができるようになりました。キャリアコンサルタントとして信頼され続けるためにも、まずは発信を習慣化していきたいと思います。

さわらぎ寛子さんの講座を受ける醍醐味は、リアルタイムに参加してこそ。対話を通して、言語化を手助けしてもらえるところにあると痛切に感じました。事前に著書を読んで準備万端にするよりも、直接さわらぎさんと対話することに勝るものはないというのが、アーカイブ視聴を通じて一番に感じたことでした。



コピーライター さわらぎ寛子さん
食品、美容、ホテル、学校、病院、製薬会社、電鉄などあらゆる業種の広告制作を手掛ける。書いたコピーは3万件以上。
現在は「言葉で、仕事をつくる。」というキャッチコピーで、自分らしさを言葉にのせて、信頼されて売れ続ける人になるための文章の書き方などを伝えている。
著書には、「キャッチコピーの教科書」「自分を売り出す1行を作れ」「売れ続けるネット文章講座」「発信力を強化する『書く』『話す』サイクル」がある。


この講座を提供してくれた江角悠子さんが主宰する
書くを仕事に!京都ライター塾



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