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トルコに行ってみたくなった話。

皆さんは、トルコについてどんなことを知っていますか?

わたしがトルコについて知っていることと言えば、和歌山のエルトゥールル号遭難事件

日本とトルコの友好の証、原点と言われています。
今から100年以上前、日本にやってきた使節団の船が台風の被害で座礁、沈没してしまったのです。この時に和歌山の人びとが、生存者の保護と遺体収容に尽力、結果として多くの犠牲者が出る痛ましい事故とはなったものの、トルコの人たちはこの時の日本人の行為に恩を感じ、今でも日本に感謝を志しているといいます。

そのような背景もあり、トルコは親日国と言われています。

ここまでが私の知るトルコでした。

そんな私ですが、最近仕事の都合でトルコについて調べる機会がありました。私が新しく知ったトルコは、本物のトルコの一部ですが、よかったらこれを機会に皆さんもトルコについて知識を深めてみてください。

では、いざトルコへ!!

ヨーロッパとアジアの融合

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実を言うと、まだ行ったことがない国、トルコ。
(高校時代、世界史でトルコのことを少し学んだはずなのですが、ほとんど覚えていない状態。それでも、今は簡単に調べられるので便利ですね。)

・首都はアンカラ
・政府の公式見解では、ヨーロッパの国という立場を取り、経済的、政治的にもヨーロッパの国として活動。
・実際、国土の96%がアジア側。

1つの国がヨーロッパとアジアの両方に属しているトルコ。ヨーロッパとアジアの両方の文化が混ざり合った、独特の雰囲気を醸し出しているとのこと。

1つの国でありながら、2つの文化圏が融合しているなんて、どんな感じなのでしょう。とても気になります。

ネックはイスタンブール

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ヨーロッパとアジアの境目となる街は、イスタンブールでした。

イスタンブールはボスポラス海峡をはさんで、西のヨーロッパ側と東のアジア側に分断されています。

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長い間東西で行き来をするのに、2本の道路橋とフェリー航路が使われていました。しかし、この東西の道路橋は車であふれてしまうので、行き来をするのに2時間かかっていたそうです。フェリー航路も30分かかっており、さらに天候の影響を受けるということで、大変不便な状況でした。

渋滞によって排ガス問題が出たり、旅行者にも移動を敬遠されたりといった問題が出ていたイスタンブール。
そこに、トンネル建設によって行き来のしやすい1つの街にしようというマルマライプロジェクトが持ち上がったのです。

驚くべきことに、この計画はオスマン帝国時代の1860年代から出ていました。けれども、政治的、経済的理由から実現しなかったといいます。

そのような状況の中、ついに1980年代後半、トルコ政府が動き始めました。
イスタンブールをアジアとヨーロッパの結合させる――。トルコの国をあげての一大事業「トルコ150年の夢」と呼ばれる工事が始まったのです。

日本の技術

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工事は、日本政府も関係していました。
まずは政府による資金援助。さらに東京に本社を置く大成建設と、現地トルコの建設会社2社の合わせて3社がジョイントベンチャーを組織し、2004年8月、工事が始まったのです。

高度な技術を必要とする「沈埋(ちんまい)トンネル工法」という技術を使っています。これは、コンクリート製の「ケーソン」と呼ばれるトンネル状の函体をあらかじめ陸上で製作し、それを海底に沈めた後つなぎ合わせていく工法です。この工法を使った部分は主に大成建設が施工したそうです。

日本の技術がトルコの人びとの生活の中に浸透し、役立っていたのでした。

ただ、工事はスムーズに進んだわけではありませんでした。

イスタンブールは歴史のある街だったため、オスマン、ビザンチン、ローマ、ギリシャ時代の史跡など4万点余りの遺物がこの工事で発掘されたのです。
さらに8500年前の遺物も現場から出土し、この工事でイスタンブールが8500年前にさかのぼる歴史を持つこともわかりました。

しかし、遺物が見つかるたびに考古学的な発掘調査が行われたため、建設が中断され、最終的にプロジェクトの完成は予定より5年近くも遅れたそうです。

2013年10月29日、両大陸を結ぶ初の海底トンネルがようやく開通しました。
この時の開通式には、トルコのエルドアン首相とともに安倍首相(いずれも当時)が出席しています。

紆余曲折を経て完成した海底トンネルのおかげで、東西の行き来は4分でできるようになりました。

日本とトルコの縁

このように、日本とトルコは意外なところで深いかかわりがありました。そして日本の技術のおかげで、現地の人々の生活は豊かになっています。

★★★

ちょうどそのことに気づいた時、テレビで「大成建設」のCMが流れていたのを偶然見かけました。
以前から流れていたCMだとは思うのですが、今回トルコと大成建設の仕事について知ったせいか、私の中のアンテナが立って反応していました。

CMはあっという間で、最後の部分で「大成建設」と出ていたので心にひっかかりました。ただ、CMの内容は全く印象に残らず、最後の「大成建設」が強く印象に残った感じでした。

すぐさまYoutubeで確認してみました。
すると・・・なんと!!ありました!海峡トンネルとボスポラス海峡工事に関する大成建設のCMです。

このトルコと日本のつながりや、海底トンネルが完成したボスポラス海峡について、ニュースとして今まで話題になっていたことにわたしは全く気付いていませんでした。
驚くべきことに、このCMシリーズの監督はあの「君の名は」でも有名な新海誠監督でした。

実は、大成建設、「地図に残る仕事」というテーマでいろいろなパターンのCMを作っていたのです。

コロナが明けたら

今は海外との行き来が制限されていますが、コロナが明けて落ち着いたらトルコにも行ってみようかという気になってきました。

トルコはもともと観光に値する遺跡やおススメスポットがたくさんあります。それらを観にいくのもいいのですが、日本企業の作り上げた技術を堪能する旅も楽しそうです。






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一ノ勢さい子
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