泣いたママ友。
息子が不登校になりだした頃、
学校行事から静かに撤退していく私は、自分の家庭の荒れた毎日に手一杯で、行事の欠席の連絡をしながら、周りに迷惑をかけていることに申し訳なさと、普通に学校に行けている皆が羨ましくて悲しくなっていた。
そんなある日一人のママ友が、特に用事はないけれど、と電話をくれた。
息子が学校に来れなくなっていることに、他人事ではなく心配している、と言ってくれた。
私は、複雑な気持ちで、ありがとうとごめんねを伝えた。息子が学校に行くことは難しいかもしれない、と言うと彼女は涙声になった。
いやいや泣きたいのはこっちだよ、、、と思いながら彼女にお礼を言った。心配してくれてありがとう、と。
いつかの保護者会で、私が彼女の仕事を手伝ったらしく、そのことにもお礼を言いたいと泣きながら言っていた。あのとき彼女は不安いっぱいで、私が声をかけたことに感謝していると。私はすっかり忘れているから、わざわざ伝えてくれてありがとうと言った。
そして、まるで私がこの世からいなくなるみたいな、今生の別れの温度で電話を切った。
え?私しぬん?と思いながらさよならをした。
泣かれるほど彼女とは親しくなかったから、子供が不登校になることとは、普通と存在が遠くに感じられるショッキングな出来事なんだろうと、電話を切ったあと、改めて自分の身空を憂いたりした。
なんだかとても普通ではない世界に来たんだ、とあの時に思ってしまった。
今はもう、こっちはこっちの世界で楽しくやります、と思える。無理矢理に。
そして可能性は、こっちもそっちもないよ、と思う。
こちらから見える景色が、いつか必要とされるんだと確信したいから、やっぱり前を向いて生きたい。
前を向いて生きて、支えたい。