11/23 非凡庸息子の荒ぶる親孝行。
二男が荒ぶるので、しばし距離をとりたくなり隣街のコンビニまでドライブした。
まいったなもう
とカフェオレを飲んで故意に今夜も眠れない感じになる。
ここではないどこかへ行きたい病。
ここではないどこかへ行きたいとつくづく思うけれど、多分ここではないどこかへ行ったところで、そこでできた日常の中で、再びそこではないどこかへ行きたくなって、そうやってずっとここではないどこかをさすらいながら、そんな人生も悪くないなと、流浪への憧れを強く抱きながら、不安定な二男の荒れ狂う自宅に帰る。
次は何を壊しているのだろう。
葛藤と苛立ちの破壊により、自分の部屋の物がどんどんなくなっていくことに、広がる壁穴から入り込む隙間風の寒さに、ちょっとした危惧など感じたりしないのだろうか。
感じているけれど、どうにもならない衝動がそこにあるのだよね。と、わかるようなわからないような気持ちで玄関のドアを開ける。
私が反抗期をしかるべき時にしなかったことが、息子の理解への弊害となっている。
彼はとりあえず落ち着いているような様子で、夕食の食器を片付けに来た。
私の作ったおかずを残さず食べていたので、それだけでもうありがとうな、となる。
捨てないでくれてありがとう、と。
とても疲れた気持ちで食器を洗う。
もう、子離れしなくちゃなんだよ。
もう、君と遊んでいられないんだよ。
ずっと遊んでいたかったけれどもね。
そのような複雑な気持ちで食器を片付ける。
さきほど私はコンビニの駐車場で、親友と電話していた。
「凡庸な暮らしにさせない親孝行な息子だね」
彼女は私の近況に、そう言っていた。
確かに。
「それにしては、スパイスがきつすぎるのよ。満身創痍です私は。」とうなだれながら答えた。
彼女は、笑っていた。
笑ってくれたらそれでもう。