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普通のコーヒー
2024年8月7日(水)
降っちまった。雨が降っちまったんだ。
だからラジオ体操はおやすみだ。残念というか無念というか、今年こそラジオ体操10日連続皆勤賞を獲得できると思ったのに。悔しいけれど天気には勝てないですね。
雨降りなので本を読みに行く。アンアンで連載されていた村上春樹の『村上ラヂオ』がとても読みやすくて、シリーズ3冊を縦横無尽に読み返している。エッセイそのものはもちろんだけれど、エッセイの最後におまけみたいにちょこんと収まってる『今週の村上』も1〜2行ながら読み応えがある。
たとえば、【千葉県で「グッド・ラック」という名前のラブ・ホテルを見かけました。がんばってください】とか、【「高田馬場」と「裸のばばあ」ってわりに聞き間違えやすいですよね。そんなことないのかな?】とか、【地下鉄の吊り広告で、女性誌の付録をチェックするのが、いつしか習慣になってしまいました。】などなど。
村上氏の日常で出会ったギリッギリためになりそうなことやジワっとブフっとくるものから、いやだからそれなんなん?とメンチきりたくなるくらいしょーもないことまで様々な切り口で、こういうのっていちいちメモとってるのかなーとか想像すると村上かわいいな。
そんななかで、【そういえば僕はスターバックスで普通のコーヒー以外のものを飲んだことないな。人生で損をしているのだろうか?】というものがあった。私も普通のコーヒーばかり飲むので、むかーしむかしの勤務先で学生アルバイトくんに驚かれたことを思い出した。
「スタバ行って普通のコーヒー頼むってマジでスゴイっすね」と、やや引き気味に彼は言った。もしかするとアレが “人生損してんなーこの人” という憐れみのソレだったのだろうか。働き者でみんなに慕われて恋人もいたのに、自分は背が高いことしか自慢できることがないんです、とボヤいていた。自尊心てむずかしいなぁと思った。
言うまでもなくスターバックスコーヒーは喫茶店で、喫茶店でコーヒーを注文して評価されるスゴさとはいったいなんなのかと不思議に思ったものの、せっかく褒めていただいたのでありがたく受けとった。フラペチーノを最後に味わったのはいつだっただろうか。飲むと自動的に寒くなって後悔するのでいつからか飲まなくなった。この夏は挑戦してみよう。