息子をかわいいと思えなかった日々わ
正直に言うと、娘を出産して退院してから、息子が可愛く思えなかった。あまりにも小さい非力な赤ちゃんと、自分のことはある程度自分でできる息子を比べてしまい、どこか別の場所から来た男の子という感覚を持ってしまった。それは態度にもありありと出てしまい、娘には可愛いねぇ可愛いねぇと抱きしめたりキスをしたり。
息子には全然してあげられなかった。心に蓋をして、無理に抱きしめたりするようになってしまった。
娘が産まれる直前までは、息子のことが世界一可愛くて仕方なかった。寝顔を見ては、可愛いなと頬を撫で、泣いてる姿を見ては一緒に泣き、笑ってる時は一緒に笑顔になり。
こんなに可愛いから、娘が産まれてきたら、毒親育ちの私は娘を可愛がれるのかが心配だったほど。
それなのに、息子が可愛くなくなった。誰にも言えなかった。そんなことを思う自分が嫌で仕方なかった。
でも、その気持ちが消えた。
今は、息子も娘も、同じくらい可愛い。今日ふと気づいた。
可愛くないと思ってたのが嘘のように、また可愛いと思えるようになっていた。
よかった。本当に、よかった。
このままずっと息子が可愛くないと思っているのか不安で仕方なかった。
でも、ここ最近、私を含め、私を取り巻く環境に少しずつ変化が起きている。
息子は爪を噛まなくなった。思えば、噛まなくなった頃から、息子に対して愛情が戻ってきたようだ。
夫はモラハラをしなくなった。家事もやってくれるようになり、私を労ってくれるようになった。
先日、ある人から
あなたは頑張り屋さんだからね
と言われた。
その人は、子供に対していつも公平に接していて、叱る時も過剰にならず、淡々と伝えている。
こっそりお手本にしているくらい、私の理想的な叱り方をしている。
そんな人に、認められたような気がして嬉しかった。
最近、よく一緒にいるママ友は、子供と遊ぶのがとてもうまい。そして、叱るのもうまい。さらに、褒めるのもとてもうまい。そのママ友の子供はとても優しくて、元気で明るくて可愛い。
その人の行動もよく観察して、いいところは取り入れている。
こうやって、いいお手本が近くにあると、真似して自分に刷り込める。
私が変わってきたのも、彼女たちのおかげなのではないだろうか。
さらに、同じく毒親育ちの友人がいる。私が乗り越えてきた道を、今まさに乗り越えようと必死にもがいている。彼女からの相談は、私の実体験から得た成功体験を伝えるいい機会になっている。彼女は私から、思考の癖や歪みを学び、私は振り返る。
お互いいい関係ではないかと、我ながら思っている。
自分を取り巻く人々が一年前とはガラッと変わった。
これも、私が今、比較的穏やかに過ごせている理由なのかもしれない。
なんにせよ、息子をまた可愛いと思えるようになって、本当に本当によかった。
今は、なんでも褒め、なんでも認め、何においても味方になれている。
自分に余裕がなくて怒鳴ってしまう時もあるけれど
昔より頻度はだいぶ下がった。
夫から
「息子のこと嫌いみたいな態度に見える」と言われることも減ってきた。まだ言われることもあるけれど、その時は素直に受け止め、反省し、息子に謝る。
そんなことないよ、大好きだよ。と、抱きしめる。
それが出来ている。
私は母親からそんなこと一度もされたことがなかった。
私のこと、本当に愛していたのだろうか?
今でも疑問に思う。
そもそも、抱きしめてもらった記憶がない。2歳頃にはすでに妹がいたし、母からの愛情は全て妹に注がれていたように感じていた。
妹にはニコニコしていたし、妹と同じベッドで寝ていたし、スキンシップもしていた。
愛情を注ぐことができなかったわけじゃないと思う。
自分で言うのもおかしいところだが、私の幼少期の写真を見ると、私はかなり可愛かった。くりくりっとした目に、まんまるな顔。
一緒に住んでいた祖母は、私を溺愛してくれていた。かわいいかわいいとよく言われた。スキンシップもよくとってくれた。
私が歪みきらなかったのは、この、祖母のおかげだと思う。
私が今、子供を可愛がれるのも、この祖母のおかげだと思う。
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