sorase ウラ話

宇宙情報サイトのウラ話を書いていきます。宇宙・科学系の話は少なめです。宇宙メディアがみた宇宙業界の話、20年近く運営しているこのサイトに何が起きているのかを書いていきます。誤字脱字多めなのでご了承ください。投げ銭、カンパ金は全てsoraeの運営費に充てさせていただきます。

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最近の記事

人工知能が「星のゆりかご」の研究における困難解決の突破口になる

【巨大分子雲「オリオン座B」で検出された一酸化炭素の分布(疑似カラー)(Credit: J. Pety/ORION-B Collaboration/IRAM)】 この画像は、オリオン座の方向に広がる巨大分子雲「オリオン座B」に存在する一酸化炭素の分布を電波による観測で捉えたものです。フランス国立科学研究センターが主導する研究グループは、「機械学習」と呼ばれる人工知能(AI)の手法を用いることで、これまで研究が及ばなかった巨大分子雲における天体物理学的な現象を理解できるよ

    • 活動的な中心から数万光年規模の影が伸びている銀河「IC 5063」

      【ハッブル宇宙望遠鏡が観測した銀河「IC 5063」(Credit: NASA, ESA, and W.P. Maksym (CfA))】 こちらは南天の「インディアン座」の方向およそ1億5600万光年先にある銀河「IC 5063」です。IC 5063は比較的小さな領域から強い電磁波を放つ活動銀河核を持った「セイファート2型」に分類されていて、幅3万6000光年ほどの範囲を捉えた画像の中心付近には明るく輝く銀河核が見えています。 その明るい領域の上下に注目してみると、

      • 死にゆく星が生み出した宝。ヘルクレス座に輝く「宇宙のアメジスト」

        【惑星状星雲「IC 4593」(Credit: X-ray: NASA/CXC/UNAM/J. Toalá et al.; Optical: NASA/STScI)】 こちらはヘルクレス座の方向およそ7800光年先にある惑星状星雲「IC 4593」の観測データをもとに作成された画像です。X線観測衛星「チャンドラ」の管制を担うスミソニアン天体物理観測所のチャンドラX線センターでは、青紫色やピンク色で示されたIC 4593を宝石のアメジストにたとえています。 超新星爆発を

        • アルマ望遠鏡による金星観測データ、一部の再解析を終えて公開される

          【金星探査機「あかつき」の観測データをもとに作成された金星の画像(疑似カラー。Credit: PLANET-C Project Team)】 国立天文台は11月18日、日本も運営に参加しているチリの電波望遠鏡群「アルマ望遠鏡」による金星の観測データの一部における再解析が完了し、アルマ望遠鏡科学データアーカイブにて公開されたことを明らかにしました。 金星については2020年9月、大気中に20ppb(10億分の20)の割合で存在するホスフィン(リン化水素、PH3)が検出さ

          宇宙に浮かぶスイーツを思わせるアンドロメダ座の渦巻銀河

          【渦巻銀河「UGC 12588」(Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Tully)】 こちらはアンドロメダ座の方向およそ3000万光年先にある銀河「UGC 12588」を捉えた画像です。広範囲が白っぽく見える丸い中心部分を持つ姿がシナモンロール(シナモンバン)を思い起こさせるとして、ESA(欧州宇宙機関)はこの画像に「Cosmic Cinnamon Bun(宇宙のシナモンロール)」というタイトルを付けています。 アンドロメダ座の銀河といえば、地

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          摂氏4億度の超高温! 多波長観測で明らかになった銀河団の超高温ガスの分布

          【▲銀河団「HSC J023336-053022」の多波長での観測結果を示した画像。青色:ダークマターの分布、緑色:X線による高温ガスの分布、赤色:電波による高温・高圧なガスの分布を示す。背景はすばる望遠鏡が撮影した画像(Credit: GBT/NSF/NAOJ/HSC-SSP/ESA/XMM-Newton/XXL survey consortium)】 広島大学の岡部信広氏らの研究グループは、「くじら座」の方向およそ40億光年先にある銀河団「HSC J023336-0

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          隕石の衝突がエウロパの間欠泉を発生させる?

          【研究チームが提唱した新しいモデルに基づいたエウロパの間欠泉のイメージ図(Image Credit: Justice Wainwright)】 スタンフォード大学のシュタインブリュッゲ博士などからなる研究チームは11月5日、木星の衛星エウロパにあると考えられている間欠泉(プルーム)について、新しい発生モデルを提唱しました。 ハッブル宇宙望遠鏡やケック天文台、NASAの木星探査機ガリレオなどの観測結果からエウロパに水蒸気を吹き上げる間欠泉が存在することはほぼ間違いないと

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          46億光年離れた宇宙でニヤリと笑う「猫」の正体

          【重力レンズ効果でニヤリと笑う「チェシャ猫銀河団」】 ニヤリと笑った顔に見えるこちらの天体は、おおぐま座の方向およそ46億光年先にある銀河団です。『不思議の国のアリス』に登場するいつもニヤニヤ笑っている猫のキャラクター「チェシャ猫」にちなみ「チェシャ猫銀河団(英:Cheshire Cat galaxy group)」のニックネームで呼ばれています。 チェシャ猫の「目」の部分にあたる2つの大きな楕円銀河は円弧で縁取られているように見えますが、この円弧は重力レンズの効果に

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          超新星爆発が地球に及ぼす影響は? 手がかりが「木の年輪」にある可能性

          【大マゼラン雲の超新星残骸「N 63A」(Credit: NASA/ESA/HEIC and The Hubble Heritage Team)】 この画像は地球から約16万光年彼方にある大マゼラン雲にある超新星爆発の残骸です。米国コロラド大学ボルダー校の研究グループによると、このような地球から遠く離れた場所で起きた超新星爆発の「痕跡」が、地球の木の年輪の中に埋め込まれている可能性があるようです。 超新星爆発は質量の大きな恒星が終末期に引き起こす爆発現象です。たった数

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          過去100億年で宇宙の平均温度は約10倍も上昇 ミクロな量子「ゆらぎ」が生んだマクロな現象

          【シミュレーションをもとに描かれた宇宙の大規模構造の想像図(Credit: Illustris Collaboration)】 オハイオ州立大学のYi-Kuan Chiang博士らは、宇宙空間を占めるガスの平均温度が過去100億年間で約10倍に上昇したことが確認されたとする研究成果を発表しました。 宇宙の温度変化を調べるのに用いられたのは、欧州宇宙機関(ESA)の衛星「プランク」と米国ニューメキシコ州にあるスローン財団望遠鏡を使った「スローン・デジタル・スカイ・サーベ

          過去100億年で宇宙の平均温度は約10倍も上昇 ミクロな量子「ゆらぎ」が生んだマクロな現象

          宇宙に漂う謎の赤いクロス状の天体「赤い長方形星雲」

          【赤い長方形星雲(Credit: ESA, NASA)】 この不思議なクロス状の天体は「赤い長方形星雲(HD44179)」と呼ばれる、いっかくじゅう座の方向に位置する「原始惑星状星雲」です。 原始惑星状星雲とは太陽に近い質量の恒星が恒星風によってガスを吹き出し、そのガスが恒星からの光によって照らしだされ、このような美しい星雲を形作ります。そしてこの星雲はそのほとんどの質量を失い、最期を迎えようとしているのです。 赤い長方形星雲の中心には2つの恒星が連星(あるいは双子

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          地球に降り注ぐ流星は1日あたり合計1トン。国内の観測結果をもとに推定

          【2020年1月にイギリスで撮影された流星(Credit: Chris Small)】 東京大学・天文学教育研究センターの大澤亮氏らの研究グループは、東京大学木曽観測所と京都大学生存圏研究所による流星(流れ星)の同時観測によって得られた観測データをもとにした研究成果を発表しました。研究グループによると、地球に降り注ぐ流星の質量は地球全体で1日あたり1トン程度と推定されるといいます。 惑星間空間には彗星や小惑星に由来するとされる惑星間塵(惑星間ダスト)と呼ばれる粒子が存

          地球に降り注ぐ流星は1日あたり合計1トン。国内の観測結果をもとに推定

          オリオン座の立体的な画像で「奥行き」を実感してみよう

          【オリオン座の奥行き(Credit: Ronald Davison)】 冬を代表とする星座といえば「オリオン座」。特徴のある3つの星と鼓(つづみ)のような形状に、冬の大三角形の1つの星であるベテルギウスも含まれています。 そんな特徴的なオリオン座ですが、私たちは星の位置を面のような2次元として見ており、星と星を線でつないで星座の形を描いています。今回は、オリオン座を立体視した”奥行き”がよく分かるように作られた画像を紹介します。この画像では私達の知っているオリオン座と

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          夜空から岩石の雨が降ってくる 灼熱の太陽系外惑星「K2-141 b」

          【系外惑星「K2-141 b」を描いた想像図。主星に照らされ続けている昼側(右上)で蒸発した岩石が永遠に照らされない夜側(左下)で雨となって降り注いでいるとみられている(Credit: Julie Roussy, McGill Graphic Design and Getty Images)】 海や湖から蒸発した水は雲となり、やがて雨や雪として再び地上に降り注ぐ。地球にはこのような水の循環がありますが、ある太陽系外惑星では主星の熱で溶けた岩石が蒸発することで、地球におけ

          夜空から岩石の雨が降ってくる 灼熱の太陽系外惑星「K2-141 b」

          星空に向けて放たれる光。地上からの観測を支える「補償光学」のレーザー光

          【イータカリーナ星雲(中央上)と、超大型望遠鏡(VLT)から照射されたレーザー光(Credit: ESO/G. Hüdepohl)】 こちらの画像、レーザーが飛び交うSF映画のワンシーンのようにも見えますが、CG等ではありません。 中央上に見えるピンク色の天体は、南天の「りゅうこつ座」(竜骨座)の方向およそ7500光年先にある散光星雲「イータカリーナ星雲」です。そこに向かって左下から伸びている4本のオレンジ色の光は、チリのアタカマ砂漠に位置するESO(ヨーロッパ南天天

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          タイタンのクレーターから有機物と水の氷の混合物を発見

          【土星の衛星タイタン(Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona/University of Idaho)】 ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のソロモニドゥ博士などからなる研究チームは9月1日、土星最大の衛星タイタンのクレーターから有機物と水(H2O)の氷の混合物を発見したと発表しました。研究チームはNASAの土星探査機カッシーニに搭載された可視・赤外線マッピング分光計(VIMS)と呼ばれる観測装置から得られたデータを分析す

          タイタンのクレーターから有機物と水の氷の混合物を発見