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材木屋の詩

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気の散るままに散文します。
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記事一覧

まんげつのつき

きんようのきんむかんりょう、 かえりじにつくと  こうこうと かがやくつき 日がな 隔世の…

散文死体

くぐもってる ハアと息を吹きかけたような窓の こちらから、世界を見ているみたい。 こちら側…

散文の気分【フリーライティング】

あたまをつかってかくのは、つかれちゃうから きょうは、さんぶんのきぶん ぞんぶんに押韻し…

さんか還元の加減《散文》

還りたい還りたい還りたい いっそ土に還ってしまいたい 還元されたい 酸化還元って理科で習っ…

五・七《ことばあそび》

ゆこかもどろか もどろか ゆこか 戻った先も 行く先か こちらもあちらも わたしもあなた…

|Doori|

この薄壁を、越えることができたなら 近くにいるのに触れることも わたしの半分も十分の一も …

書くこと

書く、書く、書く 書かずにはいられない 書かずに頭の中に留め置いた着想、 胸に刺さるような感情のさざめきは 僕の質量を重たくする。 重力を真に受けるそれら思念は 身体を地に這いつくばらせ、 太陽のフリーエネルギーを黒髪のヘルメットのように吸収し ふつふつふつと熱を帯びてゆく。 おびただしく膨れ上がったそいつは、 黒っぽい灰色の塊となって 燃焼し始めた石炭のように彼女の身体を熱する。 ポッ ポッ ポッ ポッ 時々、蒸気が吹き上がり 眩暈にも似た感覚に彼女は立ち眩む。 クラク

【仮構小噺】怒れる母ペンギンの冒険

“差し殺したい。 メッタ刺しにしたい” ――憎悪。 この怒りの、根底にあるものは何か? 分…

メタファーとメタ認知の間

メタファー: 上位概念の 象徴的なあれやこれやに 比喩的存在を託すこと。 メタ認知: 視点を…

不安のなくなる病

不安を感じなくなる病があったなら 僕らはハッピーなんだろうか? 今日も明日も ”何もないけ…

俺たちは我慢してきたんだから、お前らも、っていう世代間|誤《・》継承はもう、いり…

がっこうは がまんすることを学ぶところなのかな? ゆりかご上がりの無防備な6歳児たちに で…

すかーれっとの開拓

すかーれっとはかいたくする 少女時代が終わりを告げ 庇護者を失うと 寡婦の儀礼もそこそこに…

Everyday Heaven

Everyday Heaven 傷つきやすさ 侵入者たち やけに長じたところと そこだけ盲目みたいな不均衡…

りんごかもしれない。

もしも洗濯を こだわりなくできたら わたしの人生は もうちょっとスピーディーかもしれない; ピンチハンガーのバランス 素材の質感 色のグラデーション 下の方に身に付けるものか 上の方に身に付けるものか 誰の着るものなのか せんたくものを干すとき 気にしなくて済んだなら わたしの脳内RAMは もうちょっと軽くなるのかもしれない。 乾いた服や下着 たたむときにも 種類ごとに並べたい 素材の重量感・質感・色 しまうときには たんすの中にいる子たちと ふたたびアルゴリズムに沿