書くこと

書く、書く、書く
書かずにはいられない
書かずに頭の中に留め置いた着想、
胸に刺さるような感情のさざめきは
僕の質量を重たくする。
重力を真に受けるそれら思念は
身体を地に這いつくばらせ、
太陽のフリーエネルギーを黒髪のヘルメットのように吸収し
ふつふつふつと熱を帯びてゆく。

おびただしく膨れ上がったそいつは、
黒っぽい灰色の塊となって
燃焼し始めた石炭のように彼女の身体を熱する。
ポッ ポッ ポッ ポッ
時々、蒸気が吹き上がり
眩暈にも似た感覚に彼女は立ち眩む。

クラクラしながら、彼女はルルを口ずさみ
火照った手足で必死に踊ろうとする
脚はもつれ、呂律もうまく回らない

「さあ、書いて」

そうだ、僕には書くことしかできない
そういう風に、造られている。
創造主に畏敬を、
私にペンとキーボードを。
どうかこの手を、
このはたらいているあたまを、
取り上げないで下さい。
それなしにいかで
この業火の中を生きられよう?

カラカラだ と思っていた心は
まだ涙を絞り出してきて
僕を驚かせる

水無月
再び会い見えたような・・・かの女の横顔を、
屈託のない笑い顔を見たくて
僕はペンを走らせる

どうか、どうか
彼女を締め出すことなく
共に平穏な日々を暮らさせて下さい
祈り、祈り、祈り

赤いジャージでせわしなく動き回りながら
波を引く勘所を
それを見ることのできるゾーンへの
持っていき方を
探る

留められない記憶を
書き記すことで
少しの安心を得ながら

書く、書く、書く


09SEP2024


この頃、想うこと考えることが多くて、暑さも手伝って頭がオーバーヒートしてしまったみたいです。冷えピタを張りながら、冷却機能も期待しつつ、書いてみました。

皆さんもどうぞ暑さにはお気をつけて、残暑、乗り切りましょうね…!



"The Only Thing that Never Changes is that Nothing Stays the Same."

――カナダ鉄道のコックさんをしていた女性


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すかーれっと/Scarlett
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