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評価より目標活動優先に振り切ってみた

こんにちは、セカンドファクトリーで、UXデザイナーとして活動している東海です。

もっとメンバーが安心して挑戦に集中できる環境したい

そう思って私たちデザインチームは数年前から、より頻繁な対話を通してOKRを使った目標活動に時間を割き始めました。管理コストの面で言えば負荷が上がると言えばそうですが、チーム規模も小さいですし、なによりメンバーが安心して挑戦に集中できる環境を作るために大切だからやると決めました。

ノーレイティングやポートフォリオ評価のような近年の「個人の成長と組織目標達成の両立を目指す」働き方や育成・評価の仕組みに変化することへ、どれだけ私たちの会社にアジャストした仕組みを考えられるかを模索しているところです。

会社のルールだからやる、数字が達成できれば取り組み方や姿勢は関係ない、眼の前の業務では挑戦する場がないので個人に依存した結果業務が忙しくてできなかった、といった事が私たちのチームでも実際に起きていました…

評価のための目標活動というのはとても退屈に感じます。

評価だけを考えれば低評価で終わる話しですが、だったらチームである必要があるのか?と思いましたし、目標なんて達成できないよりもできた方がいいに決まってます。それは会社としても、個人としても。

ちゃんと目標活動と業績貢献・会社目標がリンクし、かつ個人の望む経験や成長を不確実でも狙っていくために、リアルタイムに細かな目標設定と対話でメンバー個々の望む成長をサポートしたいのです。

そんな中で拝見したsonopy@Ubieさんの記事で仕組みとして実現している会社を目にして、勝手に背中を押されたように勇気を頂きました。

ただこれはUbieさんのケース。私たちの会社としてのスタイルを模索する必要があるし、会社として報酬関連や業績評価などの周辺制度も合わせて考える必要があるため、会社として実現していく必要があります。

とはいえ、現場としては、できるところからやっていかないと始まらないなと。

ということで、今回は「評価をするチームではなく、ともに成長するチーム」になるための目標活動にするべく、変えたところ5つとポイントに感じたことを書いていきます。


1. 眼の前の業務に直結しないことは目標にしない

- やったほうがいいことを個人に押し付けない

評価が実際の眼の前の業務と直結していない目標はとても勿体ないのでメンバーの目標に組み込むことは潔く止めました。もちろん個人でガンガン進む人や進む内容の目標であれば設定しているメンバーもいます。

そこで、チームや会社で取り組む学習会や座談会などの活動に変えてました。ようはともに学ぶ機会にしました。業務から遠くても、誰かと例えば宿題持参で行う勉強会ともなれば、一定調べなきゃ!という責任感を強制的に場に作れることなって、後回しにしづらくなります。

他社を見聞きしていても、個人の成長目標が、個人の頑張りのみに依存した目標設定は当事者のメンバーのモチベーション自体がとても低いように感じます。

妙な建付けによる業務に直結しておらず試す機会が業務の中でない目標が設定されているケースだったり、同じく業務で試す機会はないけど世の中の流れ的に現代の社員は身に付けなきゃいけないと言われるテーマの学習を目標にするケース。

例えば生成AIとか、UXデザインや情報設計、UIデザインの深い知識、組織デザインや会計や、新規事業開発、発信についてなど、業務上知っていたら知っていたでもちろん良いことでも、一定の能力があれば眼の前の業務ができなくはないこともあります。

眼の前の業務に直結してなくても、個々に関心があれば勝手に動いてますし、これはこれで時代的にスピーディーに変化が求められる中で、早くキャッチアップする、触って見るというのは早ければ早いほど良いとは思うのですが、やるべきだからと言って個人に押し付ける形になってしまうのはチームとして勿体ない

ですが、新しいものを良い意味でなんでもかんでもすぐにみんな触り始めて相乗的に知ることが半自動的にスパイラルアップしていけるような文化が無いチームや、触里始めたからと行っていつまで経ってもチームの意図や狙いを作っていかないとなかなかうまく回っていないように感じます。

- 個人目標は業務で挑戦できるようにする

個人の目標に関しては、基本的には業務の中で挑戦できて、業務の中で成果を出すために集中して行えるようにしました。

業務の中で学習して、業務で「使っていく」方が圧倒的に気付きが得られて身になるし、目標を実行する個人としても実体験を通せることでパフォーマンスやモチベーション高く挑戦に向き合えているように感じます。

だから将来ではなく今、業務としてそういった機会をどう作れるかを考え、メンバーと話し認識を合わせながら個人の目標を考え、その目標達成が組織目標へどういった貢献成果を繋げられるか、マネージャーの大事な責任だと思います。

ここでメンバーと話すときに大切にしたいのが、強度を持つこと。

たしかに活動としての自走性を高めるためには、仕組み的に自責思考や執着を生み出す環境づくりは、わたしたちももう少し考える余地がありそうです。

2.目標の話は日々の会話に溶け込んでなんぼ

- 結局会話する時間を作れてなんぼ

2つ目は、目標に関連する話をいかに頻度高く日常で会話できるか。

業務上の目標とはいっても、この目標には個人が望むキャリアや私生活環境も実行に影響を与えますし、もちろん会社や事業、プロジェクトの状況変化も影響を与えます。

固定的な年次評価形式ではなく、頻度高く利用するためにOKRを使った活動に変えときに、目標面談も最低で月1回、必要であれば発生ベースで3-4回実施し始めました。

これをやっていて感じるのは、現状認識が本人とちゃんと摺り合っているかどうかがとても大切だなと。同じ言葉を使っていても、解釈やニュアンスは合致していないことの方が多い感覚があります。

なので現状認識について、同じ視点で同じ目線で捉え方にギャップがないかを意識して、振り返りの時間を大切にしています。

結局この認識合わせは時間が必要ですし、言葉のニュアンスなんかは時間を経て変化するものなので、会話を地道に続けるほかないと感じます。

現状を踏まえて、適切な目標になっているのか、目標を見据えて現状を話すことで、会話がスムーズにいくようになったことが実際多かったように思います。

- 色んな人と話す機会を作れてなんぼ

現状を多角的に捉えるために複数人の視点を介して面談を行うことで、現状の捉え方の解像度があがりました。1on1ではなく2on1、いまでは3on1にしています。

結果的に、現状認識だけではなく次のアクションに対しての解像度もあがり、目標や挑戦に対してのつまづきや悩みに、光が見えたという反応は何度もでてくるようになりました。

現状を捉え直すというと、堅苦しさを感じなくもないので、もっとカジュアルにそういった機会を作るために、目標値が近いメンバー同士でも目標についての雑談的に状況共有やカジュアル相談をするような定期的に話す機会も始めました。

180度面談と一旦呼んでいるのがその機会です(会社紹介資料より)

さらに、それぞれのチームに属しているメンバーが実施することなのに、個々人にその活動が閉じがちであるということ自体にも違和感を感じていたので、目標は会社レベルでオープンにし、チームではより積極的に共有しています。

普段別々のクライアントワークを行っているメンバー間にとっては、結果的にお互いの目標だけではなく、お互いの状況や考え・強み・関心などを共有する場にできたことは、やってみての副産物的な効果でした。

- 活動にリズムが生まれたら効果に意識が行く

こんなに目標について話す機会を設けなきゃいけないと考えると少しハードルが高く感じることもあるかもしれませんが、目標が業務に溶け込むような内容で設定することや、結局地道にやり続けていくことで「継続性のあるリズム」になります

個々人も振り返りが習慣化することで面談時に利用する振り返りシートも、日常の集積から準備できるので、あまり面談があるから…と腰が重いことも無くなりつつあると感じていますし、面談後に業務に改めて集中し直すというリズムに乗っていけたときは、充実して動けている実感を得られたメンバーも多いようです。

3.チームがメンバーをサポートする仕組み

- 機会や仕組みがきっかけを作る

目標活動の実施が個人の頑張りのみに依存している目標活動には違和感を感じてました。だったら組織に属して、誰かと一緒に何かを目指す意味がないと。

チームという集団にいるからこそ、チームが個々人の目標に対して、一緒に向き合い、個々人がいかに業務へ集中しながら、新たなチャレンジに向き合えるか、ということを思ったときに、個々人に行動を依存するのではなく、「チームが仲間の成長を助けたり、きっかけ作りができるようなチームの仕組みを作れないか?」ということを考えました。

そこで、バディ制度を設け、以前から行っていた学習会も更新し続けています。

 - バディ制度における壁打ち相手の存在

バディ制度は、UX/UIデザインやビジュアルデザインがを強みとするメンバーがリーダーを目指そうとしていたときに、プロジェクトのデザインリードとしての業務以外でも、例えば他のメンバーの目標に対しての助言なども行える機会を作っていけないかと考えていました。

一方でUX/UIデザインやビジュアルデザインの基本的な部分を学んでいきたいメンバーがいたので、あえてペアを組んで相談や壁打ちをしたり、チーム活動を一緒に行ったりできる関係や定期的に二人で話す時間を設けました。

チームというユニットに加えペアというユニットが効果的だった

リーダーを目指すメンバーは、デザインを学んでいきたいメンバーにとって、どういった取り組みがあるとよいかを考え提案し、相談に乗りながらデザインを学ぶメンバーの成長に対してサポートすることが自発的に目的意識として生まれたようでした。

UX/UIデザインやビジュアルデザインの基本的な部分を学んでいきたいメンバーにとっても、ペアで学習会を通して業務以外での学習時間も充実し、学習欲も高まり、業務の中で、スピードと質がアップしたことが、メンバー自身の実感に加え、同じプロジェクトメンバーの印象としても変化したようでした。

このお二人だったからというのも、もちろんあると思いますが、メンバー間の状況やキャラクターがマッチしそうという際に、それぞれを刺激し合える関係性として壁打ち相手のような存在がいることはチームというユニットに加え、ペアというユニットはとても価値を生めそうだと、私自身の実体験も含めて感じました。

- 目標の共有だけでは生まれなかったこと

チームで個々人の目標はオープンにして、他のメンバーがそこへ介在する状態にすることで、他のメンバーへの関心やサポートが生まれるのだと感じた出来事でもありました。

こういったものは目標や状況だけを共有していても、関心やサポートを一歩目の行動を促すわけではないとこれまでの経験からも感じます。

実際目標を共有してオープンにすることは以前からしていましたが、知った上で、介在したと言える行動があってはじめて、他のメンバーへの関心やリスペクトや信頼を築くための、土台としての個々人の声がけや実際の手助けが生まれると言えそうです。

普段のチャットでメンバー間で情報シェアが気軽に生まれ始めていたりもします。個人の目標活動の中での取り組みに、他のメンバーのリアクションが生まれているのはとても嬉しい状況ですが、今後もより発展させていければと。

4.会話を円滑に進めるための指標

- 様々な「基準や期待」を各メンバーが見ているが故

これからリーダーを目指すメンバーと、UX/UIデザインやビジュアルデザインの基本的な部分を学んでいきたいメンバーのバディの話しをしました。

一方で、チーム全体として、個々人の現在地把握や、直近/今後の挑戦領域には、バラつきも出ていました。

クライアントワークの特性もあり、業務上さまざまなクライアント内のチームの基準や指標や期待に、いやでも触れる機会が多くありますし、もちろん世の中にそういった情報は溢れています。

ミーティングなどで同じ言葉を使っていても、その根底にある(リーダーであればここまでやって当たり前かな)とか(3年目のデザイナーならここまで見てくれているのが普通だよね)という、暗黙的な基準値や期待値の指標のようなものが無かったもの同然だったので、バラつきが生まれていた気がします。

また、世の中的にいえば、誰もフルスタック的にビジネス、エンジニア、マーケティング、会計、その他諸々を知らないとダメという流れがあるように感じます。

間違っていることではないのですが、今の自分の現在地を考えたときに、あまりにも「まだまだ」「ぜんぜん」と自覚できる広域なベクトルに対して早く成長しなきゃ!!と思ってしまわざる得ない状況にあることも事実で、大小あれどメンバーが不安感や戸惑いを感じるのは想像に難くありません。

- 拠り所としての中間指標

そこで、チームとして、また会話に対しての「拠り所としての中間指標」のひとつとして、ロールごとの、クラス指標を作成しました。

厳密には制度上のクラスではないですが、世の中的な基準値も鑑みて、私たちが必要と思える内容で基準値としました。

ロールごとのクラス的な指標

これを、私たちが大事にすること、私たちは重要視しないこと、という話をしながら、メンバーと一緒に話しながら決めていくというやり方で作っていきました

メンバー自身の目標や、チーム目標とのつながりが理解しやすく、目標や挑戦領域を考えやすくなった、という声が多かったので、中間指標を立てることや、この取り組み方は良かったかなと感じます。

ただ、今後新しく入るメンバーのことを考えた取り組み方に放っていないのと、言葉や内容の意味は時間の流れで変わるので、継続的にこういった話をする場、またはやり方、指標自体は地道に継続してアップデートしようと思っています。

5.採用は会話を重ねて急がず決める

- 会社として一人ひとりに向き合うために

最後は採用に関して。これも関連する変化と考えています。

まず私たちはコンサルティングのような支援の形も実質あるため、一人ひとりの存在と、これからを大事にしないとサービス自体の継続性が考えられないため、人柄やスキルや経験値が良さそうだから採用するということはありません。(まぁ当たり前でしょうけど..)

そのため、オンライン実施の段階もあるとはいえ、採用面談の回数も割と多めだと思いますし、入る前にかなり具体的に業務への参加イメージを描き、面談する方と双方の期待値をちゃんと揃えて迎え入れることを徹底しはじめました。

社内の全グループの事業部長(といっても他に2フループですが)の面談も追加しましたし、事業部長面談や役員最終面談の前には、採用するチームのマネージャーは、採用したい方をプレゼン的に紹介する形になっています。

文字で書くほど現実はそこまでシビアではないですが、私はそのつもりで臨んでいますし、セカンドファクトリーに加わって欲しい理由をちゃんと言語化し、伝えて共感して欲しいと思ってやっています。

採用した際のオンボーディングもチームではある程度仕組み化し始められたため、全社的に展開していたり、オンボードの内容もアップデートを続けています。

これも会社規模が小さいからできることと言われればそうかもしれませんが、今後も規模に関係なく、そのスタンスは大事にしたいなと思います。


その上での評価

これらを踏まえて、会計年度の期末期に、もちろん成果(定量面、定性面で、会社へ、チームへ、事業への成果)に加えOKRへの取り組み姿勢、会社のValue(=大切にすること)に対しての姿勢などを総合的に見て評価します。

まずは、自己評価してプレゼン、その後チームが評価し、役員評価という流れ。
チームの評価では他者や環境のサポートなどがあって発揮できたのか、他者や環境のサポートなしに今後も発揮できるのかなども見て、発揮できた結果や経験はリーダーメンバーも含めて協議して、マネージャーが最終判断しています。

成果を作るためにも、頻度高く目標に関しても、Valueに対しても取り組み方や姿勢に対して、なるべく頻度高く日常で話をしていることが、良い成果・良い評価につながると思っているので、メンバーとお互いにどれだけこのことを話せる関係性になれるか、というのがマネージャー側の評価かもしれません。


まとめ

このようにやっていくことは、そもそも目標を設定すること自体が時間も必要になりますし、仕組みの面でもやることは多くなってきます。

ただ、バランスを考えつつ、大切だと信じて継続していければと思っています。

もはやチームや個人の生活を取り巻く環境も含めて確実性を管理することは限りなく難しい時代な気もしますので、変化しながらも進むためのチームの歩み方に変えていく方が、前に進んでいけそうです。

業績評価の仕組みとしては、管理コストや管理負担が多くなることが懸念されてることが多いですが、取捨選択すれば良い話ですし、それよりもそれぞれのパフォーマンスがの方が大切です。特に我々はメンバー自身がサービスそのものなので、一緒に働く仲間、社員を中心に考えた会社をデザインしていきたいというのが、代表を含めたわたしたちが目指すところです。

代表が「ウチは他社がやっているから、世の中的に会社がやるべきと言われるから、やるということはしない。自分たちが、世の中にちゃんと価値を提供でき、自分たちの生活が豊かになることのための組織づくりをする」と言ったことがありました。これは私も全くの同意見です。

これを今後も芯において、目標活動や評価方法やにその他の取り組みに関しても、活動していきたいなと思います。


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