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短編小説

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いつかの記憶が消えてしまっても その頃の自分の物語がある といいなと思っています
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2022年12月の記事一覧

ざしきわらし【短編小説】

ざしきわらしが見える。
これは、どうみてもざしきわらしだ。誰がなんと言おうとざしきわらしだ。
一人暮らしの女性は驚きの感情で溢れていた。

居間のすみには、赤い着物を着た子供が立っていた。

すると、ざしきわらしと思われる女の子がこっちに近づいてきた。

そして、こう話しかけてきた。
『ねぇねぇ、遊ぼうよ。』

女性は言った。
『何をして遊ぶのよ。あなたは、ざしきわらしなの?』

するとざしきわら

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帰り道の小学生【エッセイ】

夕方4時ごろ、小学生たちが学校から帰っている。
話をしながら、楽しそうに帰っている。

そんな姿を見ながら、僕は思った。

僕は、小学校3年生の頃から、場面緘黙症という、特定の場所以外では、全く話すことができない症状が現れた。
それまでは、他の人と同じように話せていた。

なぜ突然話せなくなったのか?
僕にも分からない。
気がついたら、話せなくなっていたのだ。

そんな症状は、小学校を卒業して、中

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