ざしきわらし【短編小説】
ざしきわらしが見える。
これは、どうみてもざしきわらしだ。誰がなんと言おうとざしきわらしだ。
一人暮らしの女性は驚きの感情で溢れていた。
居間のすみには、赤い着物を着た子供が立っていた。
すると、ざしきわらしと思われる女の子がこっちに近づいてきた。
そして、こう話しかけてきた。
『ねぇねぇ、遊ぼうよ。』
女性は言った。
『何をして遊ぶのよ。あなたは、ざしきわらしなの?』
するとざしきわらしが言った。
『そうだよ。ねぇねぇ遊ぼうよ。』
女性は思った。
『ざしきわらしって、そういえば、何をする妖怪だったかしら』
考えてみたが、これといったことが思いつかなかった。
特に襲われることもないだろうと思い、女性は遊ぶことにした。
『何をしましょうか?お手玉でもしましょうか?』
ざしきわらしは言った。
『いいね、やろうよ。』
そんなこんなで2人は遊ぶこととなった。
女性は、1人お手玉をしていた。
誰かに話しかけるように。
このあと、女性は老人施設に入ることとなった。
ちなみに、ざしきわらしを見ると幸運が訪れるそうだ。