聞く耳がない人へ要望を伝える為にしてみたこと(1) ベースの考えと目標設定
心理学はちょっと本を読んでみた程度でも、
プライベート・ビジネス両方にとても役立ちます。
タイトルにあるような事を考える時
自分は「会話や交渉が上手くない」と感じていたり、
相手に「自分と異なる価値観に聞く耳を持たない人だ」
と感じている事が多いのではないでしょうか。
いきなり何のメリットもない状態から、要望や意見を聞き入れて貰うというのも無理な話。交渉相手の期待以上に仕事で貢献しておく、最低限の信頼関係は築いておくなど大前提の課題は今回触れません。
(1)ベースとした考えと目標について
(2)実際に挑戦してみた事と結果について
2回にわけて綴ります。
早速、日頃から意識している2つの提唱をもとに目標を決めました。
■他者は変えられない/感情は思考を方向づける
まず目標を定める為にベースとした提唱を紹介します。
(1)「課題の分離」
アドラー心理学の中でも最も有名と言えるでしょう。
簡潔に言えば「他者は変えられない」という考えです。
一方、期待は自分自身にだけするもので、
己の課題に立ち向かいなさいという事。
(2)「感情は理性的な思考の邪魔をするというよりも、
むしろ思考を方向づける役割をする」
心理学者のジョン・D・メイヤーとピーター・サロベイの「EQ理論」ではこういった一説があるそうです。詳しくは著者でお調べ下さい。
今回の私の聞く耳を持ってほしい相手はこんな感じ。
・基本的に人の話を聞く気がない(特に異なる価値観は受け付けない)
・気分屋で感情的に行動するタイプの上司
これに当てはめて考えると
「人の話に耳を傾ける人に変えることはできない」
「感情にアプローチできれば意思決定へ影響を与えられる」
という事でしょうか。
つまりいかに相手の感情を納得させられるかで結果が決まりそうです。
次に具体的なレベル設定。
普段から接点が多い相手でも無くいきなり要求を呑んでもらうには明らかにハードルが高すぎました。ですから少しレベルを落として、今回の目標は「話(要望)をしっかり聞いてもらう事」をとしました。
■本当の自己の課題に取り組めているか?
自分でフィードバックを繰り返す際のデメリットは、ベースに問題があっても気付きまで時間が掛かる事。「今自分が出来ることは本当にそれだけか?自身の成長に期待し立ち向かえているか?」冷静に考えているつもりで間違う時もあります。
先にも述べたように、私は暫く
「どうしたら話を聞いて貰えるか?」
「期待する判断をしてもらうような感情を引き出せるか?」
と頭を悩ませていました。
意見の出し方はどうすればいいのかトーク術を見てみたり、仕事で貢献できそうなものは何か、Yes And法を試してみよう、相談する環境をどう作るか...etc
しかし、それこそ自分が相手の価値観を受け入れていない証拠でした。
「価値観は人それぞれ」
頭で分かっていても、違う意見も聞き入れて欲しいと無意識に相手に期待をしていたのです。つまり「課題の分離」が出来ておらず、本当の課題が見えていませんでした。まず自分が「異なる意見は聞く気がない、という人の考えを受け止る」ことを怠っていたのです。
馬の耳に念仏を唱える方法を考えても無意味。
相手の感情引き出す方法を探しても、馬を水辺に連れてはいけても水を飲ませることはできない。けれど、自分なりに挑戦し相手にプラスの感情を与える事ならきっと出来る事がある。
私の本当の課題は「相手にポジティブな感情をもたらす事」でした。
それ以降、お陰で「もしかして自分の課題に取り組めていないのでは?」とすぐに問い直すことで解消された悩みが他にもチラホラとありました。
(2)へ続く。