無料小説 青いボンボン帽子 第一話
この世は知識に飢えている。
周囲を見渡しても景色はほとんど変化していないようだ。四方八方、本がずらりと陳列されており、分厚い本から薄い本まで多種多様の本が置かれている。本棚に隙間がないくらいに、埋め尽くされている。
「よっと」
繊細な指を本に引っ掛けて、目に付いた書物を取り出していた。少女は目的物を片手に梯子を慎重に降りた。
「ごめん待たせちゃって」
片手でごめんなさいのポーズをして、彼女、『清盛夕鈴(きよもりゆすず)』は友人に謝罪する。
「別にいいよ。ここの図