セシボンといわせて(五日目)
〈五日目/シマ〉
夕べ車庫で2時間くらい過ごした。捕獲して以来初めてだ。
車庫へ行くと珍しくセシボンがケージの二段目にいる。
捕獲前、〝セツ〟が来るのを待っていた日々と同じように、青い座椅子を引っ張ってきてゆるっと座る。寝たフリをしたりして、じーっと見つめないようにしている。
いつのまにかセシボンが床へ降りて排泄し始める。そのおかげでトイレが小さすぎるとわかる。当初のバスケットより二回りくらい大きな古い桐の箱に変えてはいたが、それも小さすぎたのだ。
日中見た動画とあわせて、寝床と、更に大きなトイレが必要だと分かった。
午前中トイレと寝床の準備をする。
母が、以前飼っていた猫のお古のトイレを幾つか残してあるから、その内の小ぶりのを使おう、と言う。猫の顔の形をした物だ。桐の箱より一層大きくなったし、縁も厚みを増したので汚しにくくなると助かる。箱の大きさに合わせていたから今までは砂も少なすぎたかもしれないので多めに入れてみる。
当初トイレ代わりに使っていたバスケットをきれいに洗って消毒し、母の手縫いの足拭き雑巾の中からふかふかしている物を選って敷き、その上に更にハンモックの布を被せてベッドを作る。(今朝、ハンモックが半分外れていたので外側からはずした。)今更なので寝てくれるかは期待していない。
二人でガタガタやれば猫は怯えて降りてこないかも、と今日は敢えてワイヤーネットで一階と二階を仕切らずにやってみた。
ベッドを設置する段になって、ハンモックの布だけの方がいい、という母の意見で足拭き雑巾を抜く。そのベッドを一段目の棚板に置きたいところなのだが、一段目はセシボンがいつも身を潜めているので退かす訳にもいかないし、退かす術もないし、そもそもこちらのミスだしーー。で、ニ段目に仮置きした。
トイレはいい大きさでおさまり ( 既製品なのだから当然といえば当然 ... ... )ついでに爪とぎも置いてみた。
玩具がいるかどうか悩んだ末に掌に収まる程度の小さな羊のぬいぐるみもケージの枠に挟んでおいた。
ところで今日は〝シマ〟と〝おっかさん〟を見ていない。
自分がセシボンの世話で手一杯なのに加えて、外出が続いており、天候不順も相まって、 庭に訪れる猫たちをかまっていられなかった。
我が家の庭に訪れる野良猫の今のメインはおっかさん一家だ。〝おっかさん〟は〝ミミコ〟という猫の娘だ。この母娘、見た目がそっくりなサビ猫で、なかなか区別がつかずにどちらもミミコと呼んでしまう。とりあえず子猫を産んでからは、うちの母が娘猫を〝おっかさん〟と呼び始めた。当初おっかさんとミミコは二人で子猫たちの面倒をみていた。 猫の習性に疎い私たちにとって、これは驚きの発見だった。
子猫は三匹いた。茶トラと、黒毛と、濃い灰色の縞模様だった。この灰縞の子猫は身体の模様がクッキリしていたので、シマとかシマシマとか呼んでいた。
そのシマを今日は見ない。黒と茶トラだけが来ている。
昨日も来ていない気がする。一ヶ月以上前にもシマだけ数日顔を見せなかったりしたけれど、少し気懸かりだ。
三、四日前からおっかさんは、子猫がおっかさんのエサを横から食べようとすると、その子猫を足で押さえて威嚇したり、怒ったりするようになっていた。おっかさんを見ないのは、いよいよ子離れの時期だからなのだろうか。
去年、セツとシンが親猫と別れ、うちの庭に二匹で訪れるようになったのも、 今のシマたちくらいの大きさだったかもしれない。
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☆☆☆☆☆見出し画像はみんなのフォトギャラリーよりにきもとと様の作品『仔猫とかたつむり』を拝借しております。いつもありがとうございます😊☆☆☆☆☆