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女性競技者が陥りやすい初めての減量の5つの間違い

減量の定義を知っておこう

競技に出るために欠かせないプロセスの一つが「減量」です。減量とは安易に体重を減らすことではなく、鍛えた筋肉を残しながら脂肪だけを削ることを目的としています。このプロセスが大会で評価を左右する重要な要素になります。しかし、女性特有の体の仕組みやホルモンバランスを考慮せずに減量を進めると、かえって逆効果になることも少なくありません。

特に、短期間で成果を出したいという焦りから、間違ったアプローチを取ってしまうケースもよく見られます。
筋肉が落ちたり、代謝が低下したり、さらにはホルモンバランスが乱れてしまうこともあり、目指していた結果とは反対の状況に陥ることが多々あります。

この記事では、女性競技者が減量中によく犯しがちな5つの典型的な間違いと、そのリスクを詳しく解説します。
そして、それぞれの間違いに対して、どのように正しいアプローチを取るべきかについても紹介していきます。

もし、あなたが減量中に「なかなか結果が出ない」「体調が悪くなる」といった経験があるなら、これから紹介するポイントが原因かもしれません。
正しい知識を持って、限りなく健康的な減量を目指しましょう!


減量の5つの間違い1つ目「 過度なカロリー制限」

減量を始める際、ついつい「早く結果を出したい」という気持ちから、いきなり大幅にカロリーを減らしてしまうことがあります。
しかし、減量スタート時に過度なカロリー制限をすることは、短期間では体重が減るかもしれませんが、長期的には大きなリスクを伴います。
まず、重要なのは、いきなり飛ばさないこと。
減量とはただ体重を落とすことではなく、脂肪を減らしながら筋肉を維持することが最も大切です。そのためには、段階的にカロリーを調整することが非常に重要です。

正しい減量期間とカロリー設定

正しい減量を行うためには、まず自分のメンテナンスカロリーを把握しておくことが不可欠です。メンテナンスカロリーとは、現在の体重を維持するために必要なカロリーのことです。
これを基にして、無理なく脂肪だけを落とせるペースで減量を進めます。
例えば、1ヶ月で落とす体重は2kgを目安にしましょう。
2kg以上のペースで体重を落とすと、脂肪だけでなく、貴重な筋肉も削られている可能性が高くなります。
筋肉が減少するような減量ペースでは、代謝が低下し、長期的に見て減量が進みにくくなるばかりか、リバウンドのリスクも増します。

カロリー調整の目安

メンテナンスカロリーから400kcal程度マイナスしたカロリー設定を基本に、PFC(タンパク質、脂質、炭水化物)のバランスを整えましょう。
無理のない範囲で、必要な栄養を確保しながら、徐々に脂肪を減らしていくことが理想です。
過度なカロリー制限をしてしまうと、エネルギー不足によってトレーニング中のパフォーマンスが低下したり、ホルモンバランスが崩れてしまうことも考えられます。これは特に女性にとっては避けたいリスクです。

減量の5つの間違い2つ目「 タンパク質の過剰摂取」

減量中の女性競技者にとって、タンパク質は筋肉の維持や修復に欠かせない重要な栄養素です。
しかし、「タンパク質は多ければ多いほど良い」と考える人も多く、過剰に摂取してしまうケースがよく見受けられます。
これは、大きな誤解です。

必要以上のタンパク質は無駄になる

確かに、タンパク質は体の構成要素として重要ですが、必要以上に摂取したタンパク質は、体内でエネルギーとして使われるか、一部は脂肪として蓄積されます。
過剰なタンパク質は、体内で分解され、その過程で生じるアンモニアが肝臓で尿素に変換され、最終的に腎臓を通じて尿として排出されます。
このプロセス自体は、健康な人にとっては通常問題ありませんが、過剰なタンパク質摂取が続くと、肝臓や腎臓に負担がかかる可能性があります
また、余分に摂取されたタンパク質は、体にとって必要な分を超えると無駄なカロリーになり、脂肪として蓄積されるリスクもあるため、適切な量を守ることが重要です。
したがって、過剰なタンパク質摂取は、カロリー過多となり、結果として脂肪が増えるリスクを高めることになります。

適切なタンパク質摂取量を守る

一般的に、女性競技者が減量中に必要とされるタンパク質の量は、体重1kgあたり1.6~2gが目安です。この範囲を超えて摂取しても、体に有効に使われるわけではなく、単なるエネルギー過剰として扱われてしまいます。

バランスが大切

タンパク質を必要量だけ摂取し、その分のカロリーを炭水化物に回すことを強くおすすめします。
また、タンパク質は1gあたり4kcalというカロリーを持ちます。これは、炭水化物と同じカロリーです。
炭水化物はトレーニング中のエネルギー源として重要な役割を果たし、筋肉の成長やパフォーマンス向上に役立ちます。
炭水化物を十分に摂ることで、トレーニング中のパフォーマンスが上がり、結果として筋肉の維持と成長をサポートします。

タンパク質はあくまで構成要素

タンパク質は、あくまでも体を構成するための素材であり、燃料としての役割は炭水化物に任せるべきです。
必要以上に摂ったタンパク質は、ただの「カロリーオーバー」に過ぎません。
減量中であっても、栄養バランスを考えた適切な摂取量を守ることが、無駄なカロリー摂取を防ぎ、効率的に体脂肪を減らすための鍵となります。

減量の5つの間違い3つ目「 ホルモンバランスを無視した食事管理」

女性競技者にとって、減量中にホルモンバランスを維持することは非常に重要です。
特に多くの方がローファット(低脂質)で減量を進めていく傾向がありますが、脂質を過度に減らさないことが、女性の減量で最も大切なポイントの一つです。
脂質は体内のホルモン生成に関与しており、減らしすぎるとホルモンバランスが崩れ、体調不良やパフォーマンスの低下に繋がることがあります。

脂質はホルモンバランスを支えるカギ

脂質は、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロンなど)を生成するための原料となります。
そのため、脂質を極端にカットしてしまうと、ホルモンバランスが崩れて月経不順やエネルギー不足が生じるリスクが高まります。
また、ホルモンバランスが乱れると、体脂肪の減少も遅れ、最終的に減量がうまく進まなくなる可能性があります。

質の良い脂質を摂ることが重要

脂質の量をコントロールするだけでなく、質にも注意することが必要です。
脂質にはいくつかの種類があり、それぞれが異なる働きを持っています。具体的には、飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸、そして多価不飽和脂肪酸の3つに分類されます。

  • 飽和脂肪酸は、主に肉やバター、ココナッツオイルなどの動物性食品や一部の植物性油脂に含まれ、エネルギー源として利用されます。過剰に摂取すると脂肪の増加リスクが高まる可能性がありますが、適度な摂取はホルモンの生成に重要な役割を果たします。

  • 一価不飽和脂肪酸は、オリーブオイル、アボカドなどに多く含まれ、心血管の健康を保ち、血中の悪玉コレステロール(LDL)を減少させる働きがあります。日常の脂質摂取の大部分をこの一価不飽和脂肪酸から取ることが推奨されています。

  • 多価不飽和脂肪酸には、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸があり、それぞれ異なる役割を担っています。オメガ3脂肪酸は、主に魚や亜麻仁油に含まれ、抗炎症作用や心血管の健康を促進します。一方、オメガ6脂肪酸は、植物油やナッツに含まれ、体に必要な必須脂肪酸ではあるものの、過剰に摂取すると炎症を引き起こす可能性があるため、オメガ3とのバランスが重要です。

脂質の種類に注意

このように、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸をバランスよく摂取することで、ホルモンバランスを保ちながら健康的に減量を進めることができます。
特に、魚に含まれるオメガ3脂肪酸は質の良い脂質であり、積極的に摂取することが女性競技者にとって非常に有効です。

減量の5つの間違い4つ目「 偏った食事法」

減量においては、さまざまなダイエット法が注目されがちです。
ケトジェニックダイエットファスティングなど、短期間で体重を落とす効果があるとされる方法が話題になることが多いですが、競技者の減量はこれらのダイエットとは本質的に異なります。
減量は単に体重を減らすことを目的とするものではなく、筋肉を維持しながら脂肪を落とすことが重要です。

減量はダイエットではない

競技者にとって、減量は一時的な体重管理法ではありません。
ダイエットとは異なり、筋肉の維持パフォーマンスの向上を目的に行われるものであり、単に体重を減らすだけではなく、体脂肪の減少に焦点を当てた持続可能なアプローチが必要です。
ケトジェニックやファスティングなどの極端な食事法は、短期間で体重を大幅に減らす可能性がある一方で、エネルギー不足栄養バランスの崩れ、さらには筋肉の減少など、競技者にとっては深刻なデメリットを引き起こすリスクがあります。

バランスの取れた食事が鍵

減量を成功させるためには、バランスの取れた食事PFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物)の管理が何よりも重要です。
特定の栄養素を極端にカットするのではなく、体が必要とする栄養を適切に摂取しながら、カロリーをコントロールしていくことが、健康的で長期的な減量を実現する鍵です。

  • タンパク質: 筋肉を維持し、トレーニング後の回復をサポートするために、適切な量のタンパク質摂取が必要です(目安として体重1kgあたり1.6~2g)。

  • 炭水化物: 炭水化物は、トレーニング中のエネルギー源として欠かせません。極端に減らすことなく、適量を摂取することで、パフォーマンスを維持します。

  • 脂質: ホルモンバランスを保つためにも、脂質は必要です。特に良質な脂質(魚、ナッツ、アボカドなど)を摂取し、体内の栄養バランスを整えることが重要です。

PFC管理の重要性

食事の中で、どの栄養素をどれだけ摂取するかをしっかりと管理することが、減量の成功に大きく左右します。
PFC管理を意識し、バランス良く食事を摂ることが最も効果的な減量方法です。
例えば、極端な炭水化物カットや脂質制限を行うと、一時的に体重は減少するかもしれませんが、筋肉量の減少やエネルギー不足により、トレーニングのパフォーマンスが低下する可能性があります。
これでは、競技で最高のパフォーマンスを発揮することは難しいでしょう。

減量の5つの間違い5つ目「 過度の有酸素運動」

減量中に、体重を早く落とすために有酸素運動を過度に行う女性競技者をよく見かけます。
確かに有酸素運動はカロリー消費に有効な手段ですが、やりすぎると筋肉の減少やエネルギー不足を引き起こし、結果的に代謝が低下してしまうことがあります。

有酸素運動が減量に与える影響

有酸素運動は、心肺機能の向上や脂肪燃焼に効果的な運動ですが、過度に行うことで筋肉量が減少しやすくなることがあります。
特に、食事制限と組み合わせて長時間の有酸素運動を行うと、体は脂肪だけでなく筋肉もエネルギーとして消費してしまいます。
筋肉が減ることで、基礎代謝も低下し、脂肪を燃やす力が弱くなり、結果的に減量のペースが鈍化することがあります。
このような状況は、競技者にとって致命的です。

有酸素運動なしで減量を成功させる人もいる

実際には、有酸素運動を行わずに筋力トレーニングと栄養管理だけで減量を成功させている人も多くいます。
筋肉を維持しながら、PFCバランスに基づいた食事管理を行うことで、健康的に体脂肪を減らすことが可能です。
特に、筋力トレーニングに重点を置き、筋肉量を維持または増加させることで、基礎代謝を高く保つことができるため、効率的な減量が期待できます。

トレーナーと相談してバランスを取る

もしパーソナルトレーナーをつけている場合は、トレーナーと相談して有酸素運動の量を調整することが大切です。
無理に有酸素運動を増やすのではなく、筋力トレーニングと組み合わせた適切な運動量を見つけることが、筋肉を維持しながら脂肪を効果的に減らす鍵となります。
トレーナーの指導を受けながら、自分の体調や減量の進行具合に合わせたバランスの取れた運動プランを立てることが、成功の近道です。
減量は適度な運動と食事の管理があってこそ成功するものであり、有酸素運動だけに頼るのは避けるべきです。

まとめ

減量は、単に体重を減らすことを目的とするのではなく、筋肉を維持しながら脂肪を効果的に減らすことが重要です。
女性競技者にとって、過度なカロリー制限や偏った食事法、過剰なタンパク質摂取や有酸素運動のやりすぎは、かえって体に負担をかけ、最終的に減量の妨げになることがあります。
そのため、正しい知識を持って、自分の体に合ったバランスの取れた食事管理と運動計画を立てることが、減量を成功させる鍵です。
筋力トレーニングと適度な有酸素運動を組み合わせ、PFCバランスを意識した食事を心がけることで、健康的で持続可能な減量が実現します。
もし、減量において壁にぶつかったり、思うように成果が出ない場合は、食事や運動のアプローチを見直し、トレーナーや栄養士に相談するのも良いでしょう。
無理をせず、長期的に成功できる減量を目指して、体の健康を第一に考えましょう。
減量は競技者にとって重要なプロセスですが、焦らず、計画的に進めることで、理想的な体型とパフォーマンスを手に入れることができます。
健康的な減量を目指して、次のステップに進みましょう!


https://www.instagram.com/246meal/


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