as is ありのままで、みんなが集まる場所
「鹿野にはなかなか地域の人が集まることができる場所がないね、みんなが集まる場所を作りたいね……そんな思いを語り合ううちに意気投合して始めた活動です」
異世代交流子育てサロン「as is」を始めたきっかけをお伺いしたとき、そんな言葉をいただくことができました。
令和元年。代表の岡﨑麻衣さん(写真右)と、数井由紀さん(写真左)のお二人で発足したas is。
全ての人が飾らず、ありのままに過ごせる時間と、笑顔のために活動しているというお二人は、その思いの通り、鹿野の女子をつなぐお茶会「あったカフェ」や、民生委員と協力して行う宅食など、さまざまな活動をされています。
こうした活動が評価され、令和4年3月3日には、生活協同組合コープやまぐちが主催する「コープやまぐち女性いきいき大賞」で、優秀賞の山口新聞社賞を受賞されています。
女性が中心になって行うボランティア活動などに取り組む団体を表彰するこの賞は、応募のあった全25団体の中から、3団体に与えられる優秀賞を受賞するに至ったas is。
その活動の中でも、特にお二人の思いを強く感じる、代表的なものを詳しくご紹介していきたいと思います。
ふらっと食堂
「誰もがふらっとやってきて、フラットな立場でいることのできる、地域のみんなが大家族のようになれる、そんな居場所になればと思います」
そんな思いで名付けられたふらっと食堂。
いわゆるこども食堂、地域食堂に類するこの活動は、コロナ禍の現在に対応するように、テイクアウトで食事を提供する形式で行われています。
お二人を助けてくれるのは、ママ友やボランティアスタッフの皆さんです。毎回、何百食という食事を準備され、受付をする人、配膳をする人、受け渡しをする人……と、皆さんが積極的に活動を運営するために関わっていらっしゃいました。
また、食材も地域の人たちから提供されたもの……ということですから、まさに地域みんなが関わっている食堂なんだなと感じます。
フードパントリー
「近所に、なかなか外に出られなくて困っている人がいたら、その人にも持っていってあげてくださいね」
フードパントリーとは、食品を無料で各家庭に配布する支援活動のこと。as isは、こうした活動も行っています。
鹿野は雪深い地域ですから、配布会場までたどり着ける人は、車を使ったり町なかにいたりする人が中心になってしまいます。
そんな中で、会場までやって来ることのできない人のために、スタッフがかけていたのが、冒頭の声掛けでした。
「あそこの人が困っちょるみたいじゃけぇ、持って行っちゃげようかねぇ」
それを聞いた来場者の方からも、そんなあたたかい声を、何人もの人から聞くことができました。
自分だけではなく、周りの人のことにも目が向く、素敵な言葉がけだなと感じました。
かくれがマルシェかの
「鹿野にやって来てくれた人だけでなく、鹿野に住んでいる人たちにも楽しんでほしいし、鹿野の良いところを再発見する機会にもしてほしい。いつ来ても何かをやっている鹿野をめざしてがんばります」
コロナ禍でも、人の集まるイベントを行いたい。
でも、人が集まるとコロナが怖い……。
それなら、鹿野全体を会場にすれば、人も分散できるし、移動中に鹿野の自然も楽しんでもらえるのではないか?
まさにこのコロナ禍を逆手にとって、その中で最大限、どうすれば皆に楽しんでもらえるかを考えた形が、鹿野地域全体を会場に展開する「かくれがマルシェ」です。
当初は6カ所の参加がありましたが、回を追うごとにどんどん参加者も増えてきて、今では1カ所で複数の参加者が開催するほど、多くの仲間が集っているんですよ。
合言葉である「かくれが」を伝えると、お店それぞれの特典や限定商品の紹介を受けることもできます。
こうしたワクワク感も、このイベントの楽しみの1つなんですよ。
次の「かくれが」は、3月13日です
次回のかくれがマルシェは、3月13日(日)に実施予定です。
各会場にたなびく黄色いハンカチーフを目印に、早春の鹿野を楽しんでみてくださいね。
きっと、お二人の思い描く気持ちも、体験することができると思いますよ。