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映画感想文「ワーキング・ガール」〜ウーマンじゃなくてガールなのよ

最近ちょっと気分が落ち込んでます。
主に職場での対人関係と、そのせいかどうかわからないけど身体中が痛いのと。
今日は久々の連休で、家事をちょっとしてから気晴らしに配信で映画を観ました。
滅入っているときに観る映画は、絶対に気分が持ち直すって保証が欲しい。
となると、どうしても面白さをわかっているものが安心。
いくつかあるお気に入りの映画の中で、今日は「ワーキング・ガール」をチョイ
ス。

ワーキング・ガール
1988年のアメリカ映画。
出演は
メラニー・グリフィス =主人公テス
ハリソン・フォード     =ビジネスの相棒・後の恋人
シガニー・ウィーバー =上司・テスの敵役

ストーリー
舞台はNY。
ウォール街の投資銀行で働く主人公テスは、勉強に励む頑張り屋さんだけれど、元々の学歴が低いためなかなか出世できないでいる。
同棲中の恋人にも浮気され、先行きにも翳りが。
新たに秘書としてついた重役である上司キャサリンは同じ女性でしかも同い年。
「アイデアは大歓迎」と言われて、張り切って仕事のアイデアを提案するも、その上司に盗まれようとしていることが発覚。
たまたま上司の骨折での入院中をいいことに、秘書という立場を隠して勝手にそのアイデアの実現に乗り出す。
上司が秘密裏に仕事の相棒として連絡を取っていたのが上司の恋人ジャックとわかり、彼にもコンタクトをとり、反撃開始。
そこから主人公テスのまるで綱渡りのようなビジネスが始まり、スリリングな展開の中で相棒のジャックとの間に恋も芽生えていく。

テスはゴシップ記事も読むフツーの女の子でもある、さらに秘書という立場を隠しているわけだから、正攻法ではなくて体当たりでいくしかない。
そんな部分が、この映画をお茶目なコメディタッチにしているし、テスが成功していく重要な鍵となっている。
30歳という年齢設定で、結婚や将来への不安などガーリーな感覚で味付けされていて気楽に楽しめる。
最終的にそのビジネスは成功、自分のキャリアも手に入れるテス。
恋人とも最後にはちゃんと結ばれるというハッピーな展開。
これはもう、安定のサクセスアンドラブストーリー。

とまあ、休日の昼下がりにまったりと鑑賞するにはぴったりの映画なわけです。

🔳あれこれ気がついたところ

強い日本
1988年といえば、今から36年前、日本がとっても元気だった時代。
作中に「日本企業に負けないように」なんてセリフが出てくる。
そういえば日本企業が舞台の映画ダイハードも同じ年の制作、ドラマ「刑事コロンボ」でも工事現場のヘルメットに日本のゼネコンのマークを発見したことがあったし、いったいいつの間にこんなにしょぼくれちゃったんだろう、日本…。

女性の社会進出
アメリカでは’60年代から’70年代のウーマンリブ運動の後、少しずつ女性の社会進出が見られ、1980年代後半には女性の重役などが現れ始めたようです。
この映画でも女性重役が華々しく登場し、秘書たちとの差が歴然とした形で描かれています。
現在は、G7各国の企業の女性役員比率において欧州に遅れて米国は6位、ちょっと意外。
最下位は…残念なことに、というか案の定というか、大幅に遅れてわが日本です。

ファッション
この頃はかっちりしたスーツにスニーカーってのが大流行り、今ではミックステイストなんて当たり前ですが当時はすっごく新鮮でした。
映画でも登場しますが、通勤はスーツにリーボックのスニーカー、都会のオフィスで履き替えるってのがなんともカッコよかった。
私の憧れはNYに住んで絵を描くことでしたから、スーツを着る必要はないくせにあの出立ちには憧れました。

テーマ曲
カーリー・サイモンの「Let the River Run」伸びやかな歌声がステキ。
この曲は日本のTVドラマ「HOTEL」のテーマ曲としても馴染みがあります。
懐かしい「姉さん、事件です」ってやつです。
私は一番最初の白鳥英美子バージョンが好きです。

俳優さんたちが若い!(当たり前だけど)
「エイリアン」でも超強い女性を演じたシガニー・ウィーバー。
今回も強い女性、でも可愛くあざとく自分を演出するところもあって、”やり手の女性はうまく女を使うものなのだな”と思わせられます。
そういうタイプ、私はなれないし、友達にもなりたくないけど。

現在82歳のハリソン・フォード、この映画のときは多分40代半ば。
今ではおじいちゃんのイメージが定着しちゃったので、こんなに色っぽかったっけ?と、ちょっとドキドキします。
探検家でもなく宇宙を飛び回るでもなく、やり手のビジネスマン姿もかっこいい。
オフィスで裸になってワイシャツを着替えるというサービスカットがあります。
なんか80年代だなあ…。

メラニー・グリフィスは、主役なのにエンドロールでは彼女の名前は上の二人に次いで3番目、当時の映画界でのキャリアによるものでしょうか。
お茶目でセクシーな雰囲気を纏いながらも、悩み多き30歳の女性の姿を見事に表現していると思います。
友達になるなら絶対に彼女!

ストーリーとしては、正直うまくできすぎているしベタな展開だし、ビジネスの世界はこんなに甘くないのはわかっている。
でも、なぜこの映画が好きかっていうと、

学歴無いし不器用だけど、その気になりゃなんだってできる、這い上がることもできるのよ!っていうポジティブな応援歌的なところ。

成功する手段がゴシップ的な情報や勘だったり、ちょっとはすっぱ(?)な手法だったりするところ。
これがタイトルに「ウーマン」ではなくてあえて「ガール」って使ったところなのかな。
元恋人との別れのシーンでは、彼女の人生のステージが”恋人や取り巻く仲間たちの居場所(ちょっとDQNな感じ)”から”別の居場所”に移ったんだってことがうまく表現されていると思う。
何かを手に入れるってことは、何かを失うってことなのね。

相棒(恋人)とのやり取りやセリフが、やっぱり洋画ならではのオシャレさや粋さがあるところ。
あまりラブストーリーは観ない私ですが、これは大好き。

何よりも終盤の新しい職に就くあたりからの展開が、実際にはあり得ないんだろうけど「これぞ映画!」って感じで痛快で爽快でかつ笑えちゃって、「この最後が見たかったのよ!」っていつも思う。

ちょっと長くなってしまいました。
ここまで読んでくださった方、本当に感謝です。
さて、明日からまたお仕事に行かねばなりませんが、ちょっとパワーをもらったということで、またゆるゆる頑張りましょうかね。

#映画感想文

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