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もう一度食べたい社食のカツ丼
今日は休日でした。
体力気力があるときは、休みの日こそ時間をかけて頑張ってご飯を作るんですが、今日はちょっと…
って感じだったので、昼間友人に会ったついでにお惣菜を買ってきました。
トンカツを見た瞬間に「おお!今夜はカツ丼にしよう」と思い立ちました。
カツ丼でいつも思い出すのが、かつて勤めていたデパートの社員食堂のカツ丼。
当時は4階が定食メニューがある大食堂、2階が麺類と丼物の小さな食堂に分かれていました。
私はその2階の食堂で食べるカツ丼が大大大好きだったのでした。
狭い厨房には3人くらい人がいて、その中のベテランのおばちゃんの作る丼ものが天下一品。
焼き鳥丼や木葉丼、いろんな種類があったけど、私はなんといってもカツ丼に目がなかった。
タレの味付け、卵のかたまり具合、カツのさっくりとしっとりバランス、ネギの火の入り方、どこをとっても文句のつけようがない。
たとえ小さな社員食堂であっても、さすがプロ!
っていうか、私はそのおばちゃんのカツ丼以上に美味しいカツ丼に、出会ったことがありません。
当時からもう何十年も経ちました。
退社した後しばらくして行ってみた食堂は、きれいにリニューアルされていて、もうおばちゃんはいなくて残念でした。
おばちゃんは、笑顔がとっても優しくて綺麗な人でした。
厨房の中で忙しくしていてもどこか上品な感じ。
で、注文するときいつも
「はい、お姉さまは〜?」
って聞いてくれる。
人柄が料理に出るんだなあって、そんなことを感じたのは初めてだったかもしれない。
自分が退職するとき、最後にそのカツ丼を食べたかどうか?
全く記憶がありません。
ちゃんと食べておけば良かった。
そしておばちゃんにお礼を言えば良かった。
たぶん今私は、当時のおばちゃんの年齢をとっくに超えています。
長い長いときが過ぎました。
もうおばちゃんのカツ丼は食べられないけど、しっかりしっかり私の記憶の中で、星五つで輝いています。
おばちゃん、ありがとう。
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