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「ベイズ統計学」を考える

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

いきなりの「アカデミック用語」のタイトルに敬遠したくなるでしょうが、安心して下さい。私も本件に関しては初心者です。何の学問じゃ?なのですが、これから関心の高まる人工知能:AIに関係する統計学です。

「AIなんて、私には関係ない」と逃げないで下さい。AIは、人間の考え方をモデル化する学問と言っても良いのです。なので、私たち自身のものの考え方を知るきっかけになります。私も詳しくないから、難しい話はいたしません。「考える」作業をどのように表現したら良いのかを探求する旅になります。

1.始めは「多分、これくらいじゃない?」から

実際には少々複雑な数式を使って計算するようですが、集めるサンプル数が不十分でも、ざっくりと確率を計算できる方法です。そして、新しい情報を得る度に、確率計算をアップデートしてゆきます。また、時々、答え合わせもします。それを延々と繰り返すことで、だんだんと正確に確率を当てることができるようになるのです。

人間も経験を積めば、経験則が身につき、直感的に物の値打ちが分かるようになる感じです。なんでも鑑定団の鑑定人になるがごとくです。人間の場合、経験を積むのに長い年月を費やしますが、AIの場合は、寝ること無く、24時間、365日、休み無く経験を積むことで人間よりも早く上達するのです。AIは疲れを知りません。また、対戦を通して学べるのであれば、AIは自分の分身と、それこそ死力を尽くした対戦を高速で重ね、あっという間に達人の域に達するのです。

統計学ですので、対戦方式で強化しないようですが、データをどんどんと食わせると、正解する確率が無限に上がってゆくようです。まあ、食わせるデータ(間違ったデータを与えてはいけない)を集めるのが大変でしょうが(欲しいデータがインターネット上にゴロゴロ転がっていれば別ですが)、人を鍛えるよりも、楽なようです。AIは文句一つ言わず(入力するデータにエラーがあれば文句を言うか)、勝手に成長してくれる存在です。

2.今、注目を集めているのは何故か?

人間の学習の仕方に、そっくりだからです。AIのような機械でも、ベイズ統計学を使えば、人間のような学習をさせることができるのです。

ベイズ統計学では、そこそこ難しい計算式や集合の概念を使って、計算させているようですが、ヒトのニューロンも何らかの同様な処理を自然にしてることになります。有機体の集合が、何故こんなまねをできるのか? 脳科学者でも全く分かりません。でも、同様なことをする能力があるようです。

「最初は、全く分からなかったけれど、色々やっているうちに何となく分かるようになった」。そんな感覚です。

ベイズの定理自体は1700年代(18世紀)からあったらしいですが、「非科学的だ」と長い間、日が当たらなかったようです。科学というよりは哲学に近い存在だったのかも知れません。

しかし最近、この理論が「機械学習」や「ビッグデータ解析」と相性が良いということで、急速に注目を集め出しました。また、日々変化し、進化を遂げる迷惑メールやコンピュータウイルスを退治するのにも活躍しているそうです。柔軟に変化し、適応できてしまう。ベイズ統計学、恐るべしです。

3.人間には体力の限界があるが

「AI脅威論」を唱える人は、何故AIを恐れるのか? AIは電力がある限り作動できるため、際限なく学習し、いずれ人間を超え、理解できない化け物へと進化するからです。スーパー大天才が生まれる感じでしょうか? ただ、天才だからと言って、一人で何もかもできるわけでは無いでしょう。

地球を征服する野望に興味すら抱かないのでは無いでしょうか?

ベイズ統計学は、現代においても正当な統計学者は「邪道だ」と認めたがらないようです。ふにゃふにゃと推論する統計学 vs きっちりした理詰めの統計学、の図式でしょうか? まあ、正解率が高ければ、使う人にとっては、どちらでも良いのですが。

ベイズ統計学は計算方法が進化する統計学です。その点において人間の脳の中で行われている計算に近いと考えられています。ただし、計算機が処理するので、AIを生み出すことができます。そのAIは人間と違い疲れ知らずです。だから人間を超える可能性があるとさえ言われているのです。でも、統計学が人間を超えたどころで、パーフェクト・ヒューマンになるわけではありません。

私は化け物が生まれても、悪意を持つことを前提にAIを設計しない限り、人類の脅威にならないと思います。ただし、この化け物を飼うことができるのは巨大資本です。人類全体の利益のために活用しなければ、貧富の格差が際限なく広がってしまう、そちらの危険性が脅威です。


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