ガクチカ聞いてていいんでしょうか?
毎年2,30名の学生さんのガクチカのアドバイスを続ける中で、最近、徐々に疑問が大きくなってきたのが「ガクチカ(学生時代に一番力を入れたこと)って本当に人事が聞きたいことなのか」ということ。
今日は人事目線から見たガクチカについて。
1.人事が面接で見極めたいことは何か?
新卒採用に限らず、面接で見極めることは、「入社後に活躍できるかどうか?」そのために、以下のような観点を確認しています。
【入社後に活躍できるかどうか?】
→価値観が会社と合っているか?(ビジョンとのマッチング)
→人柄は一緒に働く人とのマッチするか?
→仕事で活躍するのに十分なスキルがあるか?
新卒社員の場合、能力が未知数なので、今までは価値観と人柄を中心にマッチングを見ていた企業が多いと思います。しかし、近年は新卒社員もジョブ型で採用する会社も増えたため、スキル面も重視する企業が増えてきてはいます。
2.ガクチカで何を見極めるのか?
では、「ガクチカ(学生時代一番力を入れたこと)」で、何を見極めているのか?
①どんな環境で頑張れる人なのか?
②どんな方法で頑張れる/成功しやすい人なのか?
③どんなことに興味のある人なのか?
これらが、会社の掲げるビジョン、ミッション、クレドと似ているかどうかを見極めていることが多いかなと思います。
3.ガクチカ=価値観なのか?
就活生のガクチカの作り方をみると、「学生時代で一番華やかな成果を上げたエピソード」から考える方がほとんどでしたが、じっくり話を聞くと「一番華やかな成果=一番大切にしている価値観が要因となるものではない」ことが多くありました。
つまり、人事が聞きたいのはプロセス(行動の基礎になる価値観、最大限力が発揮される環境要因)なのに対し、就活生は成果の華やかさでエピソードを選んでいるのです。
でも、「学生時代に一番力を入れたことは?」という聞き方をされれば、誰そういう考え方でエピソードを選んでも仕方ない気もしますね。
4.ガクチカだけでは不十分
お互いのミスマッチをなくすためにも、もっとストレートな質問の仕方が広まればいいなと思います。
例:
Q.「創意工夫(クレド)」を発揮したエピソードはありますか?(価値観)
Q.あなたがチームに求めるものは?(人柄と社風)
Q.信頼関係を構築する際に工夫していることは何ですか?(能力)
ガクチカを聞けば1つの質問でたくさんのことがわかるのも事実です。
そして、「今、何にたくさんの時間を割いているのか(人生の優先順位)」を確認するのにも適した質問かもしれません。
しかし、「初めて仕事を選ぶ就活生は、適切なエピソードを選べていない可能性がある」ことも頭に入れておいた方がよいかもしれないなと思います。