コミュニケーション力を強みとして話す前に。
現在、ある大学の就活アドバイザーとしてもお仕事をしています。
多くの学生さんが自己PRの強みとして挙げられるのが「コミュニケーション力」。私自身も就活、転職の時には、「コミュニケーション力」を強みとしてきました。
100人以上の学生さんの話を聞くなかで、気が付いたのは、「コミュニケーション力」って人によっていろんな定義があるなということ。
・たくさんの人と仲良くなる
・人から相談される
・話し合いで進行ができる
など、全て「コミュニケーション力」としてまとめられているなと思いましたので、今日はちょっと深堀してみたいと思います。
1.コミュニケーション力に含まれる能力
①傾聴力(聴く)
人の話を聞き、相手を満足させることができる。
②論理的思考(整理する)
人の話から論点(一番言いたいこと)を整理して抽出することができる。
相手の話を整理・分析することができる
③関係構築力(仲良くなる)
どんな相手ともコミュニケーションを通じて仲良くなれる(接すると楽しい相手として認識される)
④信頼構築力(頼ってもらえるようになる)
「お金や時間を払っても付き合いたい」と思うような関係構築力のこと(大切な判断や約束を任せたい相手として認識される)
➄合意形成力(巻き込む)
皆が納得できるような結論に導く力。
⑥リーダーシップ(引っ張る)
話し合いや物事を進めるのに指揮をする力
2.「場面」を掛け合わせると独自性がわかる
上記で話した6つの能力は1つではなく、いくつか掛け合わせて発揮される場合もあります。
①傾聴力(聴く)
②論理的思考(整理する)
③関係構築力(仲良くなる)
④信頼構築力(頼ってもらえるようになる)
➄合意形成力(巻き込む)
⑥リーダーシップ(引っ張る)
そしてこれらの能力に、以下の要素(場面)を掛け合わせてみると、人によってかなり違うコミュニケーションの得意があることがわかります。
相手:初対面の人に、自分をよく知る人、クラスメイト
時間:3分以内に、1週間のうちに、1年をかけて、
人数:たくさんの人に、数人の人に
例えば
「初対面の人でも1対1で話せば、3分以内に笑いを起こせます(仲良くなれます)」なのか、「30人くらいのサークルメンバーに対し1か月かけてイベントの重要性を納得してもらいました」なのか、「仲良くなかったクラスメイトと半年間の課題を通じて相互理解を深め、お互いのに泊まりに行くまでになりました」なのかそれぞれ全くちがう能力の印象ですよね。
3.仕事で使うコミュニケーション力は何なのか?
多くの仕事で接するのは、「初対面の人」であることが多いかなと思います。内勤や技術職であっても、案件ごとにクライアントが変わったり、プロジェクトメンバーが変わりますし、人事異動もあるでしょう。
ですので「初対面の人に」対して発揮できているコミュニケーション力についてお話されると、仕事のイメージが付きやすいと思います。
そして、職種ごとに求められる能力も違うので、どんなコミュニケーション能力が求められるのかを意識しながら自己PRを考えられるといいかもしれません。
毎日多くのお客様に服を販売する仕事
→誰とでも数分で仲良くなれる能力
お客様の大事な資産形成を任される仕事
→1か月程度で全財産を任されるような信頼関係を構築する力
クライアント先に常駐して要望に合わせてシステム開発をする仕事
→傾聴し、相手の論点を整理する力
皆さんが得意なコミュニケーション能力、場面は何でしょうか。
考えてみるのも面白いかもしれませんね。