これでも覚悟と礼節を持って志願したんだよ~白菊会
献体、検体って皆さんはご存知でしょうか。
死後に後世の医学の発展を願い、自分の遺体を大学、医科大学に寄附します、って取り組みなのですが。
私がこの「献体」という言葉を知ったのはかれこれ25年くらい前でしょうか。
当時、近所に住んでいた同級生のあいちゃん(彼女は薬学部中退、当時は鬱だかノイローゼだかの心の病を抱えていた)の口からこの言葉が出てきたことから「献体」を知ることになりましたが。
ゆーちゃん、あたし、死んだら遺体は献体に、って思う……。
け、けんたいって何なの?
あいちゃんから献体とはなんなのか?と詳しい説明を受けて私がメンタル崩壊に陥りそうになりました。
や、ダメだよ若い身空で死について考えたり悲しいこと言わないでくれないか、って私はひどく悩んだ記憶がありますね。その私がです。
昨年のガン手術をきっかけに「白菊会」なるものに「登録」をいたしました。
今年は久しぶりに会員募集している、とたまたまネットで知りました。
娘にも了承を得ました。彼女は医師になりたかった過去はあまり関係なくて「献体でも天体でも何でも出したまえ」みたいな返事でした。
現在私は56歳。乳ガン経過観察中。喫煙をやめずに好きなようにしてきた私。
子宮筋腫あり。子宮内膜症あり。乳ガン患者。ケロイド症の為にリスカ跡なんかザリガニみたいで、不眠症で長年に渡り睡眠導入剤服薬。慢性気管支炎あり。そしてまだ解明されていないAS、もしくはASDの女性。輸血履歴あり。
どうよ?こんな面白い標本あんまりないわよ?
白菊会からお手紙がきていました。
「お嬢様の連絡先が未記入です…」
慌てて返信用封筒にて白菊会に書類をあらためて送らせていただきました。
献体。
死後の選択肢です。
遺骨はいつ、遺族の元に返されるのかすらわかりません。お墓や葬式なんかになんの価値も見いだせない私のささやかなわがままかもしれません。
けれども最近「終活への取り組みの一環」として申し込みをさせていただきました。
ただし。白菊会は自死は受け付けてはくれません。
自分をしっかり保つ。自殺してやるなんて二度と思わない為に、でもありますから。
綺麗事では無いのです。
誰かの役に立てるなら…。
未来のために私ができることはしっかり生きてこそ、ですね。迷惑ばかりかけてきた私が。「私もいつか」を意識している私なりの選択が後の医学の役に立てるなら意味があるのだと思うのです。