アニメ「ゲゲゲの鬼太郎(第6期 第1話〜第56話)」感想
私はねこ娘が大好きで、子供の頃にやっていた第3期の作品では、鬼太郎がユメコちゃんのことばかり心配するのがイヤだった(ユメコちゃんは第3期にだけ登場する人間の女の子)
第6期のねこ娘はモデル体型と美貌を手に入れ、
「これで人間の娘にも負けない! やったー!!」
と思って見ていたけれど、鬼太郎はねこ娘の容姿なんてどうでも良いって感じですね。
どんな姿で描かれていても、ねこ娘は鬼太郎のことをいつも思っているし、とっても良い子なんですよ! 幸せにしてあげて鬼太郎!!
印象的だった回を中心に感想を。
☆第7話「幽霊電車」
最初「?」となる場面がいくつか続き、最後に「そういうことだったのか!!」と。
構成が上手かった。
この電車に乗せるべきブラック企業の社長、いっぱいいそうですね。
☆第20話「妖花の記憶」
第二次世界大戦の南太平洋での戦いを扱っていたのが良かった。
まなちゃん「日本が一方的に攻められて負けた、みたいに思ってた」
目玉おやじ「日本も他の国に攻め入り、戦ったりしとったのじゃよ」
大事なこと言ったー!
日本で戦争の話というと、被害の話になりがち。
攻撃した記憶は、攻撃された記憶以上に、人を傷付けるのだろうか。
☆第30話「吸血鬼のハロウィンパーティー」
ねこ娘と、ねこ娘のコスプレをしたまなちゃんが一緒に戦う。
こういうの、双子コーデというのかな? 可愛い~!
敵が女吸血鬼で、血を吸われて吸血鬼にされるのも女だけ、という女の子回。
百合的妖艶さがあった。
☆第38話「新春食人奇譚 火車」
56話中一番好きなのはこれ!
まず死体を食う火車を使ったねずみ男の商売がエグい。
その後の「これってもしかして、俺たち入れ替わってる?!」展開が楽しい。
さらに最後の目玉おやじの反撃が斬新!
新春らしくサービス満点の回でした。
めでたいのかは不明だが……
☆第38話「雪女純白恋愛白書」
暑苦しい人間と雪女の恋愛話。
ゲームで徹夜して戦えなくなる鬼太郎!
笑える場面やセリフが多くて面白かった。
ラスボス的存在だった「名無し」の発声が能っぽいなー と思って声優さんを調べてみたところ、担当している銀河万丈さんの趣味が「謡曲(能の中で謡われる音楽)」で「やっぱり!」となった。
古典芸能の技術が現代の表現に力や深みを与えることが多くある。
シン・ゴジラの動きの元になった狂言の野村萬斎、君の名は。の三葉の舞を振り付けた歌舞伎の中村壱太郎、等々。
古くからある芸術は、たとえ商業的に成り立たなくなったとしても、未来の表現の幅を狭めないために大事にしなければいけない、と改めて思った。
それが文化の厚みというものだ。
ねずみ男の商売が上手くいっていると、その後転落することも含めて、妙に嬉しくなってくる。
何でしょうね、あのワクワク感。
おいしい話を見ても、裏にねずみ男(というか、ねずみ男のようなよこしまな気持ち)が存在するような気がして、近寄れなくなった。
妖怪やお化けの話には「恐れること」を教える効果があるんだな、と。
他には、すねこすりの話が切なかったり(第6話)人間のような姿に変身した目玉おやじが格好良かったり(第14話)鳥取の境港と大山が舞台の話があって、もう一度行きたくなったり(第16・17話)その大山の烏天狗が恋をして修行に身が入らなくなるのが可愛かったり(第32話)あずきを食べたくなったり(第31話)泥田坊の話で何が「正しい」のか分からなくなったり(第54話)とにかく大好きな妖怪たちの活躍を満喫しました。
全体として、泣かせる人情ものや戦闘シーンより、現代の問題を取り入れた展開や、笑える話が私の好みに合っていて良かったです。
エンディング曲の一つ「GET A NOTE」が気に入って買っちゃいました。