展示感想: 坂本麻由里 展「どこかの此処」gallery Face to Face
坂本麻由里展「どこかの此処」行ってきました。短期間で書き上げたという、三十余展が並んでいました。
坂本さんの絵には、最近、動きがあらわれました。
これまでは、どちらかと言えば、記号的で、コラージュのように思えて、ある意味静的なものでした。
ダイナミックな動きがはいることで、それぞれの細部の色が、生かされているようです。
動きは、変化を、時間を感じさせてくれます。
変化は、いま、ここを語り、それは、個別性と選択を語ります。それが、家に、大地に、空に個性を与え始めたようです。
日本画家の坂本さんは、最近、墨を取り入れた作品も書いています。鉱質感のある岩絵具とさらりとした墨の質感のコントラストは、なかなかたのしませてくれます。
それに伴ってか、作品を支える色の世界が大きく広がってきたようです。全体に重い色調に傾いていたように思っていましたが、軽みを振りかけたような淡さは、新しく踏み出した魅力的な可能性です。
まるで、成長期に入った子供たちのように、急速にひろがる彼女の絵の可能性は、これから伸びていく枝の先を期待させてくれます。
最後に、彼女の絵の身体は岩絵具の質感です。できれば貴方の目で絵を見に行ってください。