見出し画像

UESHIMA MUSEUM

週末の暑い晴れの日、一人で渋谷に行ってきた。今月の平日一人休暇が休日になったのは、このミュージアムの一部フロアが土日限定公開のため。

学校の建物をリノベされたらしい、不思議な構造のミュージアム。入場時に必要なQRコードで、あちこちの扉を開錠し入室して観る。元は何の部屋なのかと思う、とても小さな展示室も多かった。

建物自体は大きくはないと思うが、地下1階から5階まであるので、なかなかのボリューム。

開錠セキュリティの都合か、滞在時間の制限もある。私の滞在時間は2時間くらいだったと思われる。
後の予定がないなら、気に入った作品たちのそばで、あと少しのんびりしたかった気もした。
それだと制限時間ギリまでかかっていただろうと思う。

私の写真がピンボケだからボケている訳ではない写真作品@階段室。
撮っていた階段そばの解説も、ピンボケな作品に写る建築も、
どちらも興味深く楽しんだ

混んではいなかったが、小さな展示室のときに他人と鉢合わせるのは狭いので、何となくウロウロと人がいないところから順に観た。
特に順番はないと思われる。

会場でいただいた作品リストは、地下から順に紹介されていた。ただ、私の体力的には、地下から階段を上がりながら観て回るよりも、5階までエレベーターで行き、階段を下りながらの方が圧倒的に楽。

雨が落ちてくる様子を、アナログに見えるデジタル制御で表現しているようだった。
青紫色を取り込んで、それらしさが増しているような気がした。
が、その色は他の作品の単純な映り込みによるもの

その作品リストには、館長ご挨拶や、ミュージアムの空間設計者のコメント、フロア毎の解説もあった。

見出し画像は、建物入口の細かなメッシュのファサード。
毎度、迷子になること必至の渋谷で、比較的スムーズに到着した。が、暑くてのんびりとは眺められなかった。

中では飲食不可と思い、持っていたボトルのお茶を少し飲みながら、不思議に馴染むメッシュ素材だなとは思った。が、暑さが厳しく、写真を1枚撮るだけで精一杯だった。

このファサードについて設計者は、「渋谷学園と調和しながらもミュージアムの存在を主張します。時刻や距離や視点の移動により見え方を変えるこのファサードは、アートが元来持っている解釈の多義性を表しています。」と作品リストに書いていた。

視点で変わりそうなことは、撮った写真を見ても感じられた。
時刻でも変わるらしい。別な時刻なら、どんな印象だったのだろう、と帰宅後に読んでから思った。

※ 飲食について。4階だったか、エレベーターそばに自販機のある小さな部屋があり、そこで飲むことは問題なさそうに見えた。

この作品の光が、他の作品に雨のような色を提供していた。
どこかの会場で見たことがある気もした作品。
光テート美術館展かと思ったが、
同じアーティストさんによる別な作品だった

写真撮影OKな会場だったので、気になった作品の写真はそこそこ撮った。このnoteでは、いつも通りのことだが、紹介や解説を目的にしていない。
遠くからの写真と、作品の一部を写したもののみピックアップすることにした。作品名も書かない。
6月に一般公開されるようになった新しいミュージアム。今の会期は12月までと、まだ長い。

解説は会場では丁寧に掲示されていた。
そこは現代アートのミュージアム。
作品やアーティストさんについて、丁寧な解説というか紹介というかが、そばで掲示されているのは珍しいような気がした。

アーティストさんの考えや、作り方が書かれていたり。私としては、作品を見るだけでも楽しいと思うので、その場で気になったことがあれば文章内を探す、という程度にしか読まなかった。が、帰宅後に読んでも面白かった。

その場で気になる、というのは、展示されている素材も形もいろいろだから。どうやって動いてるんだろうとか、何をどうやって仕上げたんだろうとか、そのときにふと気になれば掲示から情報を探した。
それ以外は、後で読む気で写真に撮っただけ。

ミュージアムというと博物館も含まれる気がするが、美術館。美術だからと、絵画と聞いて思い浮かべるような、紙と筆と絵の具の作品ばかりではない。

平面ではあっても、写真をベースに作るなどで立体感を感じる平面作品だったり。メカニカルな作品、動画、立体などいろいろな素材で表現されていた。

気になれば読むことで、楽しみを深めることができる掲示だった。帰宅してから読んだ中には、作品の副題について、架空の島の名前と書かれているものもあった。

デジタルな表現の作品を飽きずに眺めた

ここでは出さない写真でも、もうしばらく眺めていても良いな、と思ったアーティストさんの作品はいくつもあった。
宮島達男・Jadé Fadojutimi・イケムラレイコ・Ryan Gander・津上みゆき・teamLabチームラボ
他にも面白い作品が集まる場所。楽しんで過ごした。

一つの画面を大きめに写した。
が、どんどん変化する内容の一瞬の見た目

色が消えて見える展示室、というのもあった。それはそれでとても面白い場所だった。
とても楽しんだが… 色が消えることのサンプルとして、展示室外から持ち込むために出入口に用意されていたのが、いろいろな国旗だったことには… 違和感というか、冒涜のような躊躇いを感じた。

解説を撮らずに帰ってしまったので、コンセプトを正しく感じ取れていないのかもしれないが…
色が消えることで国の違いを感じにくく、みな同じだよね、という平和な方向と思って楽しんではいた。消えるのは、国旗の色ばかりではない。入室した人の肌色、服の色も消える。
平和なコンセプトなら、国旗でも色が消えてOKなのかと思ったり…

私自身が、そんなに自国の国旗を大切に思っているかというと、そうでもないような…
ただ… 国旗だったか記憶は怪しいが、何かの旗が撮った写真に入ったとき、風向きで裏写しか何か、おかしな形に撮れていたものを、noteで公開していいのか迷った記憶はある。

私がどれくらい大切に思うかはともかく、シンボルではあり、大切に思う人も多いものではないのか。国旗の色を、持ち込んだ私が勝手に消していいのかについて、何となく引っかかる気分があった作品。
自分が持ち込んだのが、他国の国旗だったから気になっただけなのか…

作品自体は楽しんだ。色を消す作品の明かりはオレンジ色だが、他の色はグレースケールで表現される世界。狭い室内だったが壁面にミラーがあり、色の消えた世界が増幅されて見える感じだった。

写真も撮ったがホワイトバランスが難しい。カメラが持っている電球モードに合わせるくらいはしたが、目視ほどには色が消えなかった。

カーテンが見えているが、それは映り込み。
柄はなく色のグラデーションの作品。
だが、エアリーな雰囲気とカーテンの映り込みが、
あまり違和感ないのが可笑しかった

制限時間ギリまで、のんびり過ごしても良かったくらいに満足な一人休暇だった。好きに館内をウロウロでき、心地良かった。

その日、後の予定というのは、母宅で花火を見ることだった。花火を見るために選んで住んだ訳ではない。なので、距離はかなりある。それでも、何だかきれいに見えるという話は、住み始めた頃から聞いていた。

かなり前、その花火に合わせて母宅へ、という予定を立てたことはあった。が、急な母本人の入院が重なり、それどころではなかった。
その後は私も忘れていたり、母から急に言われても予定が合わないなどで、延ばし延ばしになっていた。

今回は、私がミュージアムの予約を取った直後に母からの誘い。私も家族も、行けない予定はなかった。ようやく花火に合わせて行くことができた。家族とともに母宅での時間を楽しんだ日でもある。

いつも通りだが、食べ過ぎた。
小食気味が続いている私が、食べ過ぎによる不調で更に食べなくなる展開は、この暑さの中でキケン極まりないのでセーブはしたが。
今は、不調が残らなかったことにホッとしている。