フィードバック”する側”ではなく”受ける側”のための教科書
こんにちは、独立して3年目の経営コンサルティング、顧問業をやっている松本です。経営や投資を通じての日々の学び、気付きや自分の頭で考えたことをnoteにまとめていきます。
◎ ”する側”ではなく”受ける側”をサポートしたい
フィードバックとは一般的に、先輩から後輩や上司から部下の流れのように、立場が上の人から下の人へ指摘や助言する使われ方が多いかと思います。
そのため、フィードバックの方法や心構えなどを解説したドキュメントの多くは、フィードバックを『する側』に向けたものです。
今回私が書くのは、フィードバック『受ける側』、つまりこれから新入社員となる学生や若手の社会人の皆さんに向けたものです。
フィードバックする側よりも受ける側の方が労働人口的に多く、必要性やニーズはこちらの方があると思います。受ける側の立場になり何か助けたい、支援できないか、という問題意識で今回の記事を書きました。
今回のnoteでは、成長に不可欠なフィードバックの受け方を以下のテーマに沿って、前提の考え方やスキルなど解説していきます。5分程度で読めますのでお付き合いください。
◎ そもそも”受ける側”の姿勢や知識ってあるの?
そもそも『受け方』の姿勢や知識はあるのか/必要なの?『受け方』といっても『ちゃんとお話を聞く』ぐらいしかないんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。
結論、フィードバックの受け方には手本があり、事前に知っておくこと、身に付けて臨まれることを推奨します。
フィードバックには、当たり前ですが”する側”と”受ける側”が存在します。いくら”する側”の経験やスキルが高かろうと、”受ける側”の準備や知識が整っていなければ、内容を理解したり、実践する過程で取りこぼしが生じてしまいます。
フィードバックとは、”受ける側”の成長を目的として行われるものです。”受ける側”のプロセスやアウトプットに対して、より良くするにはどうすれば良いかを一緒に考えていくプロセスであり、行為です。
つまり、姿勢やスキルに、”する側”と”受ける側”の間で偏りがあってはダメで、バランスが取れている必要があります。適切なフィードバックを行う上で、”する側”と同じくらい”受ける側”の準備や知識も必要になってきます。
◎ フィードバックの根底にある決まり事
フィードバックには、根底にある決まり事があります。
それは、
この2点です。
フィードバックを受ける上でもっともよくある失敗は『フィードバックを受けてヘコむ』ことだと言えます。フィードバックを受けて、自分が否定されたように感じてしまったり、上司から嫌われているように感じてしまうことでヘコむ。
しかし、フィードバックは相手をヘコませることが目的では決してありません。まず前提として、フィードバックは人格や、受ける側の人自身のことについていっているわけではないことを理解し、そういう構えでフィードバックを受けることが必要です。
また、フィードバックする側も決してラクではありません。部下や後輩に言いづらいことを言うのは非常にパワーやエネルギーを消耗します。それでも、その消費以上に部下や後輩の成長に寄与しようとしているのだと考えると、感謝の気持ちも湧いてくるのではないでしょうか。
受ける側も、この2つの前提を理解することで、必要以上にヘコんだり、傷付かなくなれます。
◎ フィードバックを"受ける側"に求められるスキル
以下では、フィードバックを受ける時にどのようなスキル・知識があると良いのか解説します。
1/ 事実を”素直”に受け入れるスキル
まずは、相手の発言を真っ直ぐに受け止めることです。人間は、自分が期待したい現実を望む傾向にあり、受け入れ難い事実に対しては抵抗があります。
何かちょっとでも後ろめたい事実があると、変に解釈を入れて単に言われたこと以上に良く/悪く受け止めてしまうことがあります。フィードバックに関して、事実を受け止めること、変な解釈を入れないことが大事です。
2/ 改善ポイントを”具体的”に聞き出すスキル
次に必要となるのは、具体的な行動レベルまで踏み込んだ内容を聞き出すヒアリング力です。指摘内容をただ受け止めても、改善することはありません。
事実(指摘)を受け止めたあとは、何が原因で、次回からどうすれば改善されるのか?深掘りして真因を突き止め、具体的な行動レベルまで落とす力が求めらます。前提の項で、フィードバックは決して人格否定ではなく、自分の行動に対する改善、指摘と述べました。
そのためには具体的な行動レベルまでアクションに落とし込んで、初めてそのフィードバックに意味があったと言えます。
3/ 悪い行動習慣を断って、良い行動習慣を”魅力的”にするスキル
悪い行動が見つかれば、それを良い行動に変える必要があります。そのために、まずどういう時に悪い行動が発現、発動するのか?トリガーを発見します。その傾向に陥る時にあるべき姿や行動を思い出し、軌道修正することが必要になってきます。
また、仕事の同僚やメンターを巻き込んで、自らフィードバックをもらう習慣を作ることも有効的です。人間の脳というのは、単純で行動が魅力的だったり、容易にクリアできるものだと、ハードルが下がり、習慣化しやすくなります。
逆に苦手な行動に対しては、既に習慣になっている行動(ご褒美)とセットにしたり、回数などを減らして行動しやすくするなど工夫をして、良い行動を魅力化、習慣化していきましょう。
◎ フィードバックを正しく受けないと起きる問題
フィードバックを正しく受けないとどのような問題が発生してしまうのでしょうか?前の項でも少し触れましたが、以下のような非常に苦しいケースに追い込まれます。
1/ 被害妄想ケース
フィードバックをされたことで、自分の全てが否定されたように感じてしまい、必要以上にヘコんでしまう。その結果フィードバックを受けることが嫌になり、成長機会を失ってしまう。
2/ 完璧主義ケース
フィードバックを人としての評価として捉えてしまっているため、受けた改善点を全て反映しなければと思ってしまう。
必要以上に神経質になり、萎縮することにより本来の力が発揮できなくなって、仕事の質やスピードが落ちたり、仕事が嫌になってしまう。
3/ 現実逃避ケース
そもそも、自分の認識と相手の認識とのギャップを受け入れられない。相手の指摘を素直に聞き入れられないため、客観的な気づきが得られず、負のサイクルにハマり成長できない。
これらは、前に触れた前提や、受け方の姿勢やスキルが不十分であることによって発生する問題や副作用になります。
では、逆に正しくフィーバックを受けることができれば、どのような良いことがあるのでしょうか。
1/ 自己肯定感にもとづく健全な成長サイクル
適切な意味範囲で必要な要素を受け取れるため、ぶつかっている課題自体を前向きに捉えることができたり、その先に広がる世界に目を向けることができるようになる。その結果スパイラルアップでの成長を実感することができる。
2/ 上司との信頼関係が向上
フィードバックを受けるのが楽しくなる。上司に対する尊敬(尊敬できる方の指摘は成長に大幅に寄与する)や信頼が向上する上、フィードバックを頻繁にもらうことで成長のスピードも向上させることができる。
3/ キャリアアップへの好影響
シンプルに、業務上できることが増えるので、社内・社外での価値が向上する。また、フィードバック受ける側として優れた視点は、する側になった時にも生かされるので、部下を持った時、組織として結果を出すための助けとなる。
フィードバックとは、何度も申しますが成長のために行われるものです。それが正しく行われれば成長がより加速されて、その先に広がる可能性は無限大です。ぜひ前向き、真剣に取り組んで頂ければと思います。
◎ まとめ
いかがでしたでしょうか?最後に今回の内容を箇条書きでまとめておきます。
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