見出し画像

天才ディラック(24歳)の1926年論文を解読するのだ・その2

⇧一回で語り切れなかったので続きをこれより続けるのだ。

全17頁ある本論文の、3ページ目の終盤から行きます。


何やら数式がございます。Hはハミルトニアン、Wは系全体の力学的エネルギー。Fは変分法の関数のようですね。ふむふむ。


そしてこの式。左辺はいかにも運動方程式な姿をしています。



同ページのラストに、もうひとつ何か出てきます。

この $${ψ}$$ なる関数について、ポールくんは「$${q}$$ と $${t}$$ のみの関数」と設定しています。$${p}$$ と $${W}$$ については $${q}$$ と $${t}$$ からそれぞれ定義される(前回ぶんで紹介した二つの数式参照)わけだからそれでいいのだというところのようです。

そしてそれゆえにこの $${Fψ=0}$$ について、彼は常微分方程式と考えていいと言い切ります。「この常微分方程式 $${Fψ=0}$$ の一般解より、とある行列が導き出せる。そしてその行列は、本論考で取り上げている力学的問題の解となるであろう。この行列の導出はそれほど難しくない」

うそだ~ポールくん、あなたの論文は簡明な数式に落とし込むことをとにかく一義にしていて、その数式が簡明であればあるほど、その簡明さこそがその数式の正当性を示すという、審美的姿勢に貫かれているから、論理の飛躍がところどころに生じてしまって、読む方は大変だよ~ (´;ω;`)


つづくのだ


いいなと思ったら応援しよう!