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天才ディラック(24歳)の1926年論文を解読するのだ・その4

⇧の続きいきます今回でその4でございます。

全17頁の論文の、四ページです。

「これより行列の形式に落とし込んでいくよー」と述べています。

そしてある素朴な計算式を繰り出して、それを根拠にして $${Fψ=0}$$ は $${Fa\psi _{n}=0}$$ と書き換えできる、つまり $${a\psi _{n}}$$ は微分方程式 $${F\psi _=0}$$ の解であり、前回取り上げた…

$${\psi = \sum_{n} c_{n} \psi_{n}}$$

…の形を行列対応にした

⇧この形式に仕立て直しても問題ないのだと、ポールくんはどんどん議論を進めていきます。

最短距離でたったったっと歩いていく感じですね。論理に狂いはないけれど、簡潔ゆえに追っていて「なんでその方向に歩いていくわけ?」感も芽生えてきます。

彼にすれば「微分方程式の解を行列の形式に落とし込んでいくための手続きを順に行っているにすぎない」なのですけどね。事実、そういう内容のことを実にあっさり、ここで述べています。


こんな計算式とともに、です。


これで行列形式への落とし込みの準備は整いました。しかし、この後エルミート行列への落とし込みのための議論が控えています。追うのはかなりめんどくさいです。


つづくのだ


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