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難病患者の働き方。
「残念ながら、今回のご応募は見送らせていただきます。」
この文面を何度もわたしは見てきました。
そして、何度も何度も、認められない現実を突きつけられました。
私は難病を抱えています。
全身生エリテマトーデスと線維筋痛症。
17歳の夏に突然発症した病は、生かさず殺さず、私の身体を蝕み続けました。
紫外線を浴びることができないから、体育の授業は保健室か見学。
周りの人から好奇の目で見られることは日常茶飯事。
日傘が邪魔だ、と罵られたこともあります。
そんな当時高校生だったわたしにのしかかってくるのは、進路の問題でした。
学費が払えないので大学にはいけませんし、自分でお金を稼いでまで学びたいことがありませんでした。
そこで、親からの勧めもあり、わたしは公務員受験を選択したのです。
平均2人しか採用しない学校事務の枠で、椅子を取り合う。
一次試験は合格できても、10人の中からわたしが選ばれることはありませんでした。
そんなこんなで民間企業にシフトチェンジし、ハローワークを活用して就活をおこなったところ、運良く採用していただけました。
今でも、あの会社の事業が続いていたらな、と思います。
ですが、移籍後の会社も、今の会社も、結局体調を崩してしまい続きませんでした。
体調のことを考えると、もう少し融通のきく仕事が向いているのだと思いました。
でも、正社員がいい。
そのことでずっと悩んでいました。
働きやすさを軸に考える
3回目のSLE再燃の時は、彼と一緒に暮らしていました。
あの時の焦りと不安が入り混じった彼の顔を、わたしは二度と忘れることはないと思います。
わたしからしたら、また39℃台の熱が出て、関節や身体が痛くて、でもこれらには慣れているからノソノソ活動している訳ですが、彼は39℃なんてしんどくて動けないでしょ!でも会社に行かなきゃいけないし…うーん!と悩んで、ひどく申し訳無さそうに会社に行きました。
この短期間で、3回も再燃してしまったという事実。
やはり、正社員としてフルタイムで働くことは無理があると感じました。
そして、このタイミングで繊維筋痛症と診断されました。
常にめまいや頭痛、身体の痛みを伴います。
朝、ベッドから起き上がれない時だってあります。
こんな身体で、一体働けるのか。
そう考えた時に、一つの案が浮かびました。
在宅ワークをすればいいんだ!
一度は諦めたライター。でも、書くことは楽しい。
今は傷病手当金があるし、派遣の待機期間ということで、身分も安定している。(わたしの会社は派遣会社の正社員というややこしい雇用形態です)
ライターを本業にシフトするチャンスなのでは???
そう思い、早速クラウドワークスに登録しました。
noteも再び開設し、「書く人」として再スタートを切りました。
ですが、なかなかクラウドワークスでは、思うような金額を稼ぐことが難しく感じました。
そんな中、いろいろなクラウドソーシングのサイトを探す中で見つけた、ライターステーションに目を付けました。
自信はありませんでしたが、ライターステーションというクラウドソーシングのサイトに登録するため、ライティングテストを受けました。
すると、合格の通知が来ました。
それからは、定期的にお仕事をもらうことができています。
クラウドワークスでもご縁があり、現在100記事近くの添削を担当させていただくなど、さまざまな業務に携わっています。
会社とフリーランスの違い
フリーランスになる、と決めたわたしは、会社努めの時には劣りますが、ある程度の時間割は組んで生活しています。
ですが、圧倒的に時間の融通が聞くのが大きなメリットだと感じています。
体調は毎朝ルーレットです。
その日にならないと、今日の体調がわからない。
フリーランスなら、前もって仕事に穴を空けないように、なんて心配する必要がありません。納期さえ守れば。
また、体調を崩しやすいので、いつでも通院の予定を立てられる、といった面もメリットの一つです。
役所での更新作業などの医療系の事務処理も捗るので、会社員時代よりはスムーズに書類の手続きができています。
今契約しているクライアントの皆さんは、わたしが体調を崩しても快く納期を延期してくださいます。
この事が当たり前だとは思っていませんが、嫌味ではなく、お身体をお大事になさってくださいと言われると、この人と契約してよかったな、と思えます。
クライアントのみなさまの優しさに感謝し、期待に答えられるよう、よりパフォーマンスを向上していきたいと考えています。
大半は、病気の人なんて必要ないと思っている会社がほとんどです。
しょうがいしゃの方を雇用しなければいけない義務があるから、仕方なく雇っている。
難病の人も、助成金が入るから雇うだけ。
転職の際も、難病のせいで断られた企業もありました。
厳しいようですが、毎日きちんと仕事をこなせる人しか必要ないのです。
ですが、誰しも入院する可能性や身体が不自由になる可能性を孕んでいます。
こうして人事権を握っている人だって、急に心筋梗塞で入院するかもしれない。
明日、急に事故に合い、身体が不自由になるかもしれません。
そしたら、あなたの代わりは誰がやるんですか?
わたしたち難病の人は、体調に波があります。入院しなければいけなくなる時もあります。
でもそれって、普通の健常者の人でも起こりうるリスクなのです。
そもそも、誰かが抜けたら仕事が回らなくなるような環境がおかしい、と何かの記事で拝見しました。
例え誰か1人が抜けても、フォローできる環境を作る必要がある、とその記事では締めくくられていました。
自分を守れるのは自分だけ
自分を守ることができるのは自分だけです。
自分の働きやすい軸で仕事を考えると、生活はぐっと楽になると思います。
在宅ワークが主流になりつつあるこの時代、在宅ワークがあなたの仕事の一つの手段となるかもしれません。
わたしは、書くことが好きだからライターになりましたが、書くことが苦手だって人にも、きっと何かがあるはずです。
手先が器用なら、ハンドメイドの作家になる。
情報系が得意なら、プログラミングをやる。
難病になると、できなくなったことに嘆いてしまうと思います。
わたしも、紫外線を浴びれなくなった時や薬で筋力が落ちた時は絶望したし、とても病みました。
でも、できなくなったことよりも、できることに目を向けると、世界はまた違って見えてきます。
もちろん、フリーランスで働くからには、安定はなくなります。
でも、わたしたち難病を抱える人たちには「生活保護」というセーフティネットがあります。
生活保護は国民に与えられた救済措置です。
「働く意思があるのに、働くことができない人」には「必要最低限度の生活」を送ることができる保証がされます。
実際に、わたしはその理由で一時期生活保護を受給していました。
恥ずかしいとか後ろめたいとか思わず、時にはそういう手段があるということを頭の片隅に置いておくと、少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。
わたしたちには、すでに「難病」というハンデが課されているのだから。
傷病手当金の給付満期まで、あと約3ヶ月。
まだまだ目標の金額には達成せず四苦八苦していますが、これからもこの調子で頑張っていきたいと思います。
彼とのこの生活を、続けていくために。