デパコス売り場の敷居は高かった。それでもBAさんの姿勢は、私に合わせてくれていた。
デパコスのデの字ぐらいしか知らなかった頃、都心部に頻繁に通っていた時期があり、母に百貨店のデパコスコーナーにおつかいを頼まれたことがあった。
当時はまだ二十歳にすらなってなかった頃だから百貨店なんて行き慣れてなくて、めちゃくちゃ緊張しながら百貨店のコスメフロアに入り、化粧品の匂いとBAさんの笑顔にドギマギしながら目的のお店に向かったのを覚えている。
おつかいを頼まれた先は、子供の私でもわかるほど誰もが聞いたことがある有名ブランドで、化粧すらまともにできていない私は怖気付き