創作を辞めるな!【#創作大賞2022】
「私、マルチクリエイターになるんだ〜。」
そう隣で話す妹に、心底驚いたことを覚えている。
(ほんとにこんな顔😳)
妹はイラストが上手で、最近では簡単な動画編集にも凝っているようだ。
しかも、すべてスマートフォンで。
現代っ子だな〜と思うと同時に、妹はさまざまなことができてすごいな、と姉ながらに尊敬する。
先日も、描いたイラストが2000いいねを越えたと教えてくれ、いよいよTwitterのフォロワー数は1000人間近だと言う。
え、もう人気絵師やん。
最近ようやくフォロワー300人だとか、200スキ超えを経験したわたしとは雲泥の差だ。
そんな彼女にも、悩みはつきない。
先日、フォロワーの一人に依頼されて、アイコンのイラストを描いたそうだが、どうも腑に落ちていないらしい。
確かに、無償で友達でも家族でもない人に、時間をかけてイラストを提供するのはいかがなものか、と思った。
その依頼主からはなにかお返しをもらったのか、と聞いたが、特に対価は受け取っていないようだ。
妹はまだ未成年であるから、金銭のやりとりは難しいにしろ、何も対価なしで依頼を受けたのは少し引っかかるものがあった。
特にプロフィールにアイコンのクレジットが記載されているわけでもないと聞いて、ますますわたしの心はもやもやした。
その人は、ただイラストが上手な人に無料で描いてもらえればそれでいい。
というか、そもそも「たかがイラスト」としか捉えていないのだろう。
だが、そこには絵師の貴重な時間と技術が費やされている。
言葉上では礼を言っていても、それは本心なのか。
どこか、疑ってしまう自分がいた。
そう妹はこぼした。
このままでは、創作を辞めてしまうかもしれない。
わたしは、こうやって才能の搾取をする人が許せない。
そして、そんな人に振り回されて、創作を辞めてしまうのなんて、ますます許せない。
自由に表現するのが、創作でしょう?
わたしはそう、妹に言った。
わたしは、このnoteをはじめて、創作の楽しさを知ってしまった。
こんなわたしの駄文でも、多くの人に共感してもらえ、読みやすい・美しいと称賛してくださる人がいる。
だから、わたしは創作を辞めない。
この生命が尽きるまで、自分の思うがままに言葉を紡いでいこうと思う。
だから、妹にも創作を辞めてほしくない。
心無い人の言動で創作を辞めるなんてもったいないし、絶対に許せない。
ぽつりと、妹はこう言う。
「私から描くことを奪ったら、何もなくなっちゃう」
だったら、辞めないで。
他人からの依頼なんて、何かしらのルールを作ればいい。
めんどくさいなら、依頼は一貫して受け付けていないという風にすればいい。
だから、創作は辞めないでほしい。
自由に、好きなように描いてほしい。
だって、
描くことができる妹と、書くことができる姉。
面白いこと、作戦会議中です。
【あとがき】
この作品は、「#創作大賞2022」コンテスト用に加筆・修正したものです。
元作品はこちら↓
このように、創作の連鎖が続くのがnoteのいいところだと思います。
周りの方のおかげでこうしてショートショートや企画参加など、さまざまな創作をすることができています。
ショートショートを書くキッカケをくださったかっちーさん・ピリカグランプリ。
その他にもさまざまな企画を通じて、たくさんの方々や創作の幅を広げることができました。
そして、こちらの記事のヘッダーも、ゆうらさんによって作成いただきました。
このように、さまざまな人を巻き込むことで、更に壮大な創作を生み出すことができます。
だから、あなたも。
ぜひ、恐れずに創作を楽しんでください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。