行動変容の無関心期を突き詰めてみる。
行動変容を考える上で「トランスセオレティカルモデル」ってのがあります。行動を変えるための5つの段階ですね。その最初の段階が「無関心期」なんですけど、そもそもこの段階で行動を変える必要性を感じるように促さないといけないのです。最初からハードル高めな段階な気がします。
今回はこの無関心期について考えます。ちなみにやや内省的な書き方をしたので、多少乱文ですのでご了承ください。
無関心期とは
無関心期は、トランスセオレティカルモデルの最初のステージであり、個人が行動を変える必要性をまだ感じていない段階です。つまり、その本人は問題そのものに気づいていないし、だからこそ変化する意欲も全くない状態です。たとえるなら運動をしないってことがどれだけ健康へのリスクなのか知識も知らないって状態です。
無関心期の人の特徴
この無関心期にいる個人の特徴って、主に次の3つになります。
問題意識がない
まずはそもそも行動を変える必要性を感じていない場合。例えば健康診断の結果でコレステロール値や血糖値の数値を指摘されても特に気にしない人ですね。事実(値が高い)ということは認識できているけど、それがどのようなリスクにつながるのか?ってところまでイメージできていない状態です。こういう人はどこか他人事な印象ですね。
情報に無関心
これはその問題に関する情報に目を向けていない場合。関心がない状態ですね。健康診断の例えでいえば、結果すら見ない。会社に言われたからやっただけ…のような場合です。そのことそのものが自分とは無関係という第三者的な意識でしょうね。
変化の必要性を感じない
これは現状に満足している場合です。健康診断の結果が悪くても、現段階では特に目立った症状や不都合が生じていないことから、わざわざ大変な変化を起こす必要性を感じていないってイメージです。
無関心期にはまず「行動の種を植える」イメージで
ではこの無関心期の人を、どうやって次のステージである関心期に移行するように仕向けるかってことが重要。関心さえ向ければあとはその行動の変化を育てていくようなものですからね。
特に人が新しい習慣や行動を起こすことって、植物を育てていくようなものだと思います。そのためにはまず「行動の種」を植えるように促すことが必要なのかなと。
行動の種って危機意識かな?
じゃあこの種ってなにさ?って話。どうしたら無関心期の段階に行動の種を植えて関心期に移行するか。
自分の考えなんですけど、人間の行動原理って2つの軸で考えています。「それが快楽か」or「それが恐怖か」の2つ。で、やっぱり強いのって恐怖のほう。得られないことより、失うことのほうが強いんです。この失うってのは人からの信頼なのかもしれないし、安定した生活なのかもしれません。
行動することでその喪失体験を未然に防ぐことができるなら、やっぱり人間は行動せざるを得なくなるのかなと。
理想を追うことは行動変容にならないか?
誰もがこうありたいと理想をイメージすると思います。頭がいいとか、健康的な体だとか。大金持ちとか美女にモテモテとか。では行動変容を促す種って恐怖心を煽ることでなく「理想を追うこと」ってポジティブなものであってもいいじゃないかって。もちろんその考えも一つだと思います。スリムな体になりたいでも、勉強ができるようになりたいでも、理想のイメージに今の自分を近づけるために行動するってのも行動の種になり得ます。
では、なぜその理想のイメージになりたいか?なんですよね。Whyを突き詰めていくと、その先には「現状への不満足」にたどり着く気がします。そしてその背景にある感情って、どうしても不安ってネガティブなものに近いなと。そうなると、やっぱり行動変容の種は不安や恐怖をまとってる…って考えに帰結します。
きっかけはどうあれ、行動すること自体はポジティブ
あ、別に暗い話をしているわけではありませんよ。このnoteの文を書きながら自分の考えをまとめているって意味合いもあるので、感情としてはフラットです。行動の種が不安というネガティブなタグ付けをされていたとしても、なにかしらの行動変化を起こして、無関心期から関心期に移行することそのものはポジティブなんですから。言い換えれば、自分のネガティブな感情は行動変容を起こすきっかけにすればよいってことです。
無関心期には不安感に気付かせることかな?
そうなると、リハビリテーションにおいて患者さんに行動変容を促したい。でもその患者さんは無関心期にいるため、なかなか必要な行動に関心すら向かない。その場合どうするか?
その対策としては「本人の不安感に気付かせること」ってのは一つのアプローチかなと。不安を煽るのではなく気づかせるって部分がポイントね。
まとめ
自分も含め、人の行動を変化させるって非常に大変なことです。「変化させる」って文節だけで横暴的ですからね。だからこそ、自分から行動を変化したくなるような種を一緒に見つけてあげるようなアプローチがセラピストには重要なのかなと。
…あれ?うまくまとまってないぞ(笑)
もう少しきちんと系統的にトランスセオレティカルモデルについて書かれている記事はこちら!