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お金持ちは嘘をつきやすい

社会的に地位が高くなると行動面のデメリットが表れることを示した論文があったのでメモ(1)。 社会的に成功することで経済的な余裕や時間が手に入ります。しかし社会的に地位が高い人には感情面・行動面において以下のような特徴がみられることが分かっています。 ・社会的に裕福で,地位が高い人ほど他人に対して注意を払う必要がなくなり,他人の感情を汲み取るのが苦手になる(2) ・社会的に成功していて,収入が高い人は収入に対する寄付金額の割合が社会的地位が低い人よりも少ない(3) 今回紹

丸い形の物体は好まれる

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選択肢が多いと決断できない

選択肢が多いと決断することを延期してしまうという趣旨の論文があったのでメモ(1)。 これまでの研究を見てみると,選択肢の多さは一概に意思決定の質を上げるとは言えないことが分かっています。具体的な例を挙げると,以下のような研究があります。 ・選択肢が多い項目を後回しにすると決断できなくなる(2) ・選択肢が多いと意思決定の質が下がる(3) ・情報はまとめて比較検討した方が正しい選択が出来る(4) このように選択肢が多いことは多くの情報を比較検討できる一方で,意思決定の延期

丸つけは問題を解いた最後にする

丸付けを最後にするとよく頭に残るという趣旨の論文を読んだのでメモ(1)。 これまでの研究を調べてみると,ちょっとした工夫で記憶の定着率を高まることが分かっています。具体的な例を挙げると以下の通りです。 ・学習と試験の間隔を空けるとよく頭に残る(分散学習,2,3) ・他人に教えるつもりで学習すると記憶に定着する(4) ・想像は記憶を増強する(5) 今回紹介する論文は丸付けをするタイミングによって記憶の定着率に違いが出ることを教えてくれます。 2008年にワシントン大学の

帰り道は行き道よりも短く感じる「往復効果」

帰り道が行き道が短く感じる原因について調べた論文があったのでメモ(1)。 過去の研究を見てみると,私たちは過去・将来の時間の見積もりが苦手なことが分かります。具体的な研究の例を出すと以下ののようなものがあります。 ・締め切りを自分で設定しても先延ばしは治らない(2) ・時間の見積もりの正確さは時計を見る頻度で変わる(3) ・他人のために時間を使うと余裕が生まれる(4) 今回紹介する論文は行き道が帰り道よりも短く感じるのは「行き道の予測」にある可能性について教えてくれます

親切を数えると幸せになる

感謝した出来事に焦点を当てると幸福度が上がるという論文があったのでメモ(1)。 親切をすることでポジティブな感情が喚起されたり,ネガティブな感情が抑えられるといったプラスの効果を示す研究があります。具体的な例を挙げると以下のような研究があります。 ・意図的に他人に親切を行った場合であっても,親切を行わなかった場合と比較して幸福度が高まった(2) ・自分のためよりも他の人のためにお金を使うと幸福度が高まる(3) ・職場で同僚から親切をされると,親切を受けた人は他の人に対して

相手からの好意は声でわかる

魅力的な異性の前では声に変化があるという趣旨の論文を読んだのでメモ(1)。 私たちは声の高さや装飾によって,連想される性格特性があり,相手の印象の形成が変化します。具体的な例を挙げると以下のようなものがあります。 ・声が低い男性は声が高い男性よりもテストステロンが高く(2),より力強く支配的であると思われる(3) ・声が高い女性はより女性的で若く,より魅力的であると周りから見られ(4,5),声が低い女性は性的に魅力的であると思われる(6) ・丸い顔は尖った細長い顔よりも魅

驚いた顔は若く見える

表情によって同じ人物なのにもかかわらず年齢の推定が若く見えるという趣旨の論文があったのでメモ(1)。 これまでの研究を見てみると,笑顔は真顔の時よりも印象などの側面でプラスの効果が得られることが知られています。具体的例を出すと以下のようなものがあります。 ・笑っている顔は魅力度が高い(2) ・男性の笑顔は長期的な付き合いを想定した場合に魅力度が高くなる(3) ・笑っている顔は老けて見える(4) このように笑顔は主に人間関係において身体的な魅力度の向上などを引き起こす効果

重い履歴書は評価が高い

物理的に重い対象には高い評価を下すという趣旨の論文があったのでメモ(1)。 私たちは印象形成や意思決定が認知処理をする人物が身を置く環境からの影響を受けることが知られています。具体的な例を挙げると以下のようなものがあります。 ・人物の評価を行う前に暖かいコーヒーを持つと,人間的に温かみのある人物だと評価される(2) ・赤い表紙の用紙でテストを受けると,点数が低くなる(3) ・手を洗うと罪の意識が軽くなる(4) ・手を動かしながら考えると独創的なアイデアが出る(5) この

学習とテストの間隔を空けると記憶に定着する「分散学習」

間隔を空けて学習することは記憶の定着が良くなることを示した論文があったのでメモ(1)。 学校で習った内容や勉強した内容はずっとそれを覚えておくことができません。記憶は時間が経つにつれて曖昧になり,新しい情報によって変化してしますことが分かっています(2)。どれだけ時間かけて覚えたことであっても時間が経てば曖昧になり忘れてしまいます。 過去の研究を見てみると過剰な学習は一般的に長期的な記憶の保持に役立つとの見解があります(3)。 しかしその効果を検討した期間が4週間程度の

丸みがある商品は好まれる

丸いものは尖っているものと比較して好まれるという趣旨の論文を読んだのでメモ(1)。 物体や人物に対する評価の判断は対称性やコントラスト,知覚的な流暢性などさまざまな要素が関連しており(2),意思決定はほんの一瞬で決まります(3)。具体的な例として以下のようなものがあります。 ・簡単な名の人は頼りがいがあると思われる(4) ・丸い顔は尖った細長い顔よりも魅力的に見える(5) ・黒いユニフォームは他の色のユニフォームよりも攻撃的だと判断される(6) このように名前や形などの

左よりも右が魅力的に見える「右重要バイアス」

商品の置かれる位置によって評価が変わるという趣旨の論文を読んだのでメモ(1)。 私たちは大学に進学した理由や新しい家を購入した理由などを言語化するときに本当の原因とは違うものを理由として述べてしまうことがあります。 つまり,意思決定などの認知的過程は意識している部分だけでは構成されておらず,意識することが困難なバイアスやステレオタイプに左右されている可能性があるということです。 意識しないと避けれないバイアスには以下のようなものがあります。 ・事前に提示された数の大き