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これでもか!!と小田原を詰め込んだ昼ごはん。

話せば長くなるが小田原という町と縁がある。
もし町に感情があるならば『ほうほう、ここまでわしの事を一皿にまとめるなんてちっとは認めてやらねばな、フム』
なんて言ってくれるかもしれない。かまぼこ板くらいくれるかもしれない。

なにはともあれ僕は今回、小田原というテーマをこれでもか‼と料理に詰め込んだ。
情報過多すぎるほどこだわった。

前にも話したが、食前の説明が長すぎると美味しい瞬間を逃してしまうので、あとがきとして備忘録として書き残していく。

5000字ちょいと長いのでご容赦アレ。


・小田原だべぇ

小田原には祖父母の家があった。
今では2人ともいなくなっちまったが、叔母の一家が住んでいる。
大きすぎず小さすぎない畑がある。
近隣には親戚も多い。

そこから少し離れているが、友人らが住むシェアハウスがある、そこが起点となり沢山の友人ができた。
このnoteでも何度も登場しているし、紹介している場所だ。

がっつり書いたのは一年前だが、書かないだけで頻繁に遊びに行っている。
そしてほぼ毎回、料理をしてお酒を飲んで泊まっている。
愉快極まりない場所だ。

今回はそのシェアハウスでのイベント。
昼に小田原らしい料理を10数食頼む!と言われて作った。
まぁまぁ相当大変だったけど面白かったし満足のいく料理だったと思う。

小田原のジビエと野菜で炊き込みごはんと汁物を作り
小田原の食材や名産で盛り合わせをこさえた。

分かりやすい名産品はもちろん、こんな物も!?となるような事も。
ま、とりあえず紹介していこう。

・ジビエ飯とジビエ汁

その家は猟師が三人で住んでいるのでしっかりジビエを使った。
この日はイノシシ。

・イノシシめし

今回はそこまでジビエに慣れてないであろう人達がお客さんだったので、食べやすい品を。

刻んでから一回下茹で。
味付けは王道に甘辛く。酒、醤油、みりん、砂糖。
刻みのショウガをたっぷりと”黒胡椒”これ大事!!

そして合わせた具材は大根。
春の大根は土っぽい香りがあるので、イノシシの癖と合うんだ~

写真が残ってないけど、大根の菜っ葉を茹でて刻んだのを仕上げに混ぜ込んだ。

そうそう、骨付きの肉だったのでね、一緒に炊きました。
良い味がでるんだ~

好みで木の芽をかけて食べるのよかったなぁ~
ちなみに木の芽も大根も小田原産です。僕自身が摘んだり引っこ抜いた野菜!!

・イノシシ汁

ゴボウとヒラタケと生姜をたっぷりいれたイノシシ汁。

イノシシは柔らかめのとこを薄く切ってしっかり煮込む。
味付けは酒と醤油と少しのみりん。
仕上げに小松菜と三つ葉。

写真を撮り忘れてたので、いつぞやのハクビシン汁で代用!すまぬ

王道ですがやっぱし美味いよね。
イノシシめしよりも肉の香りや歯応えが分かりやすくていい。


・小田原プレート

ここまで一皿に小田原を詰め込んだ物はそうそうない。と思う。
面白いぜよ、自信作。

ただ、やりすぎて説明が長くなるし、自己満足な部分も多いのでその場ではざっくり説明して、noteで詳細を語るんです。
料理オタクあるある。

前田商店のカマスの干物
アジのレモン〆
柑橘と紫キャベツのマリネ
十二庵の厚揚げ 木の芽味噌
味玉 生茶葉タレ
小田原野菜のバーニャカウダ

マグロ血合いの有馬煮
鈴廣シーセージ
カブと新生姜とミョウガの浅漬け
パプリカのおから寿司
そら豆の丸焼き
ミニトマトのレモン出汁漬け

一汁三菜なんてもんじゃない、一汁十二菜!!

飯と汁含め14品のうち小田原関連じゃないのは、1品だけ。
寿司教室の宣伝の為とバランスを見ての1品でした。

・前田商店のカマスの干物

小田原は早川駅から徒歩5分程度。
目立たない細い路地にその店はあります。
小田原は干物天国ですが、個人的にここの干物はイチ推し。
アジは刺身で出したかったので干物はカマスで。
好きだなぁ~

・アジのレモン〆

この組み合わせは最高に小田原らしくて良い。
小田原産のアジを小田原産のレモンで〆る。最高さ~
しっかり塩で水分を抜いてるので濃厚で美味い。
レモンの皮の苦味や風味がいるのもいいんだ~

こうやってスライスレモンで挟んで〆るのが美味しさのポイント!

ちょうど前日に友人のレモン農家に遊びに行ってきたのです。

槇 紗加|レモン農家🍋🌿はれやか農園(@maru_nougyo)さん / X

素敵な畑だった~🍋

・柑橘と紫キャベツのマリネ

レモンもだけど、小田原には柑橘農家が多い。
海風と傾斜が柑橘栽培にいいのよね~
この時は小田原の三か所の畑から金柑、甘夏、レモンを使用。
紫色は盛り合わせとか弁当に少し入れるだけで締まるんだ~
柑橘と紫キャベツは合う。

はれやか農園のレモン、中島農園の甘夏、叔母の畑の金柑。うれしい一品。
上のリンクは中島農園のです。この日はここの農園に行って柑橘の収穫体験もしてた。


・十二庵の厚揚げ 木の芽味噌

湯河原に十二庵という美味い豆腐屋がある。
十二庵の豆腐料理屋も大好きだし、小田原近郊のスーパーで買えるのも嬉しい。
今回は厚揚げを焼いて木の芽味噌で。

木の芽味噌の木の芽は風祭で摘んだもの、味噌は小田原の老舗、加藤兵太郎商店の”いいちみそ”の白味噌。

十二庵の定食ほど身体が清らかになる品はそうそうない。


・味玉 生茶葉たれ

味玉は普通の卵ですが、茶葉は小田原。
生の茶葉を干しエビなどで中華風に仕立てました。
詳しくは以下のnoteで。

そうそう、この日は飲み物も小田原のお茶で統一しました。
出来立ての新茶と、僕が焙じたほうじ茶。
楽しんで貰えたようでなにより。

・小田原野菜のバーニャカウダ

小田原の畑で大量にとれたニンニクをどうにかすべくバーニャカウダソースをこさえた。
野菜もすべて小田原の地物。
鮮度の良いパリッとした野菜とちょっと手の込んだソース、最高じゃないか。

・マグロ血合いの有馬煮

マグロの血合いを使うのは僕が好きだからというのが一番で、その次に食品ロスの話をするきっかけになるから。
廃棄されがちだけど、こんなに美味いんです!と伝わったらいいな。
一緒に炊き込んだ山椒は小田原の物。鮮やかでいい香り!


・鈴廣シーセージ

海のソーセージことシーセージ。
まぁ要は魚肉ソーセージなんだけど、流石は小田原を代表する蒲鉾メーカー鈴廣。魚肉を扱わせたら右に出る物はいない。
既存の魚肉ソーセージとは違いプリっと弾ける歯応え、そして肉の粗さ、これは驚いた。

この日の夜に鈴廣の従業員の1人と飲んで、話を聞いたらシーフランクも美味い!と聞いたので次はシーフランクを食わねば!!

それはそうと、鈴廣はnoteをはじめたみたいなので風祭に縁のある一人として勝手に宣伝します。
もっとマニアックな話を書いてくれたら嬉しいなぁ~

・カブと新生姜とミョウガの浅漬け

本当になんでもないような漬物、野菜だって普通のスーパーで売ってるもので、出す予定すらなかったんだけど
そういえば漬けたポン酢は小田原の柑橘の間引きで作ったのを思い出した。
もうどれほど日頃から小田原の食材を使っているのだろうか。

・パプリカのおから寿司

これに関しては小田原は無関係。
僕の普段やってる寿司の教室の宣伝を兼ねて出しました。
丸くて赤い物ってあると可愛いじゃない?って思ったけど、最終的にはミニトマトと被ってう~~む、ま、美味いからOK

・そら豆の丸焼き

叔母の畑のそら豆、を僕がもいできて丸焼きに。スモーキーで甘くて美味い。
グリルでしっかり黒く焼いて、ソラマメの莢を容器として使い盛り込みの起点に。

このくらい焼くのが好き。

こういう盛り込みには、丸や山、三角四角、みたいな形の物はもちろん、特殊な形の物があると良い。
今回で言うと曲がったキュウリ、カマスの干物、そしてそら豆。こういうのを最初に置くと盛り付けも分かりやすいし、立体感が出ていいよね。お弁当をやってた頃を思い出す。

・ミニトマトのレモン出汁漬け

例のレモン農家のまきさやかにレモンを使った料理を教えたことがある。
その時のレシピのひとつがコレ。

ミニトマトを湯霜して皮をむき、レモン果汁と出汁と醤油で漬け込む。
土佐酢の酢をレモンに変更した感じです。美味いんだ~夏にいい。
トマトの旨味ってすごいのよ。

とまぁこんな感じですべて説明できたかな?

詳細はまだまだ長く細かく説明できるけど、くどすぎるのでこんなもんにしとこう。
それが良い。

ちなみにこういう何皿も同時に盛るときは真ん中手前をを開けて、盛るものを置くと楽(この時はマグロ血合いの有馬煮)

その昔、ケータリングや宴会で大人数をやった経験が活きてるね。
お弁当やってたのもだけど、人生を無駄じゃないかった!とか言いたい。実際はそうじゃなくても過去の自分を肯定したい今日この頃。

料理にはかなり満足してもらえたように感じたので僕も嬉しい。
結局は17人?だったかな?事前よりかなり増えてて、僕はこの日ほぼ徹夜状態だったけど、まぁ楽しかったからOK

ブラックな料亭で働いてた頃は徹夜なんてのは日常茶飯事だったなぁ。
毎日はキツいけど、たまにはこういうのも面白いね。
良い日だった!

・おまけ①、夜明け?朝ごはん

ちなみにこの日の朝メシは僕が徹夜してたのもあって気合をいれた。
深夜テンションです。笑

キッシュは手作りのを持参した

新玉葱の蒸し煮、木の芽タレ
スモークサーモンのキッシュ
出汁巻き玉子
カブと新生姜とミョウガの浅漬け
そら豆と人参ごはん
豆腐と三つ葉の味噌汁

中島農園のゆうすけ君が教えてくれた小田原産の小粒のタマネギを煮物に。
ガッツリ焼き目をつけてから甘辛く煮込む。
しっかり煮詰めてトロっとしたら完成!木の芽をたっぷり。

これ美味かったなぁ~
思ってる以上にしっかり焼き目を付けてから煮込むのが大事。

そら豆と人参ごはん

そら豆を茹でて、そのゆで汁で炊き込む。
人参、バター、塩、レモン数枚。

レモンの爽やかさが人参の良い所を際立たせてくれる。

炊きあがりに茹でそら豆を混ぜて完成~!
おかずはしっかりあるので淡い味で。

こういう優しいシンプル炊き込みごはんは、今井真美さんのレシピ本で見てからよくやるようになった。

レシピ本も、エッセイ本も買った。
食系の雑誌でもよく拝読してます。

なんというか、日常からほんの少し飛び出てるレシピってのが素敵なんだよ~馴染みやすい変化球。

出汁巻き玉子

この家ではもう数えきれないほど出汁巻きを巻いている。
朝メシに出汁巻きっていいよねぇ。

てなわけで、こういう朝飯をこさえて、二時間ほど寝てから昼の会の本番へと突入したわけです。
あぁ面白かった。

・おまけ②、もう夜?魚の会。

昼の会が終わって少しだけ横になった、、夜だった…
帰る予定を変更し、もう1日泊めて貰うことになった。
どうにでもなれ~!

このシェアハウスは人の出入りが多いので、夜は夜で別の人々が。
まさかの鈴廣の社員がいて仲良くなった。

はじめまして!の人とでも一緒に寿司を握ればもう友達。

寿司教室やってるのでぜひ(宣伝)

外では炭焼き。カマボコ系も焼いたりして幸福。

鈴廣のM氏と仲良くなって、そりゃあ色んな話をした。
なんかもう本当に??ってくらい共通点があって怖いくらい、嬉しいわ~

蒲鉾や揚げカマ、竹輪などを細かく(栄養の授業で聞いたことあるかも!みたいなマニアックな話を)説明してくれてから食べるの面白かったなぁ~
いっぱい質問した!温度やらなんやら、また飲みましょ。
小田原に縁があるからこそ、カマボコを食べ飽きてた部分もあったけど面白いわ~~!!

その後、炭火でマグロのカマを焼いたりした。
冷凍のカマをレンジで解凍、というか軽く火を入れて、
ニンニク、レモン、木の芽、塩、胡椒、オリーブオイル、などを刷り込んで焼く。というか焼いてもらった。

これ!!ヤバい!!美味かった~~!!
口の周りが脂でテラテラになっても美味いもんは美味い!!
お手ごろだし良いわ~またしよう。

で、疲れ切ってバタンキュー。
寝る練習をすると言って寝てしまったらしい。面目ねえ。

・おまけ③、また朝?

で、目が覚めたら朝。
あぁ寝落ちしたのか~と反省しつつ朝シャワーですっきり。
朝飯でも作ろうかと思い脳みそフル回転。

こういう時の朝飯作りが本当に大好き。
これぞ生きる醍醐味!!

良い感じうどん
残りシャリで簡易ちらし寿司
紫キャベツマリネ
牛とこんにゃくの木の芽焼き
玉子焼き

シャリが微妙に残ってたので、油揚げとキノコを煮込み、塩もみキュウリ、梅干しなど簡易的なちらし寿司。
こういうのもいいわね。

で、ボリュームと二日酔いを考えて温かいうどんに。
しみじみ美味い。

前日のツマミの残りを肉と一緒に甘辛く炒めて木の芽たっぷり、こういうのも良いさ。

ちなみにこの日のドリンクは
摘みたて出来たて新茶を水出し
自家製ほうじ茶を熱々で
手絞りのみかんジュース
の三種、最高すぎたわ~~こういう朝ごはん屋さんがしたいね。いつか。いつ??

で、落ち着いてから叔母宅に行き畑へ寄ってから帰宅しましたとさ~
あぁいい日だった~幸福。
ありがとう小田原、またすぐ行くさ。


・おわりと、現代のフォーク小話。

また、長い文章を書いてしまった。
いつもながらここまで読んでくださる皆様ありがとうございます。

端的で分かりやすくて、脱線しなくて、サクッと読めるnoteに憧れてるんだけど、どうも僕にはできないみたいだ。
今しばらくはこのスタイルで遣らせて貰おう。

文章を書くことは自己療養へのささやかな試みにしかすぎない。らしいけどね~


先日、新百合ヶ丘でたけとんぼの平松さんのライブを拝見した。
それはそれは!念願だった!!

THE ALFEEの坂崎さんのラジオで知ってから曲を聴いてはいたが、ライブははじめまして。
CDも買えたし、喋ることもできた!

一緒にライブしていた大森元気さんは伊勢正三っぽいな~と思ってたら、その後に正やんのカバーをしててグッときた。

この時代に現役でフォークソングに熱くなっている若者がいて、場所があって、なんかもう胸が熱くなりました。
置手紙(かぐや姫の伊勢正三の曲)やってくれたの嬉しかったなぁ~

素敵でした、ありがとう。

おわり。

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マツダミキヲ 料理人
最後まで読んでいただきありがとうございます。 どこまでも美味しい料理の為に使わせてもらいます。 リクエストあればぜひ!

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