はじめての納豆カレーといくつかの考察。

アリ、タヌキ、オタマジャクシ、蛇、ミルワーム、、、などのちょっと変わった食べ物でも躊躇せずに食べていたのに、この組み合わせは何年間も躊躇していた。

納豆もカレーも大好きだからこそ
『混ぜるなんてアリエナイ！！』
って思っていた。

色々な料理を作ってきたし、色々食べてきたから、ある程度の味の想像は出来るのだが
この組み合わせで美味しくなるのはイマイチ想像が出来なかった。

・タイミング

納豆カレーを知ったのは数年前、料理人の知人に勧められた。
タイミングが合えばやろうかなと思っていたのだが、どうもタイミングが合わないのだ。

そもそも我が家は納豆嫌いが1人いるのでそんなに納豆を買わないし、カレーが余ったらうどんかドリアにするのが定番。

けど、その日はたまたま合った。
野菜がたっぷりはいったキーマカレーに、賞味期限が昨日までの納豆、どちらも昼に食べたい。
よし、このタイミングで食べないとな。と勇気を振り絞った。

どうやって合うのか疑心暗鬼だったので、納豆カレーについて調べた。
普通にタレ、辛子、葱をいれてまぜる。
ルーに混ぜ込むんじゃ無くてトッピング。
ううむ、なんで合うのかますます分からん。
辛子は確かに合うのかも知れないけど、、、

・いざ、実食…

とりあえず、納豆ごはんとカレーは別々で食ってみた。
うん美味い、いつもの味だ。

さあ、混ぜて食うか……

うん、うん、うん？？ん？？
こういう感じか～

なんか面白いな、知ってるけど知らない味だ。
胃袋がビックリしてるわ。

少しずつ食べ進めてみる。
良さが分かってきた気がする。
納豆の臭みの一部がカレーの強い香りで和らぎ、カレーに粘りをつけて舌に絡ませる、そんなハッキリとはしてないけど旨味が相乗的に増えてる感じかな。

・教訓

・納豆1:カレー3か4くらいがちょうど良い。
・納豆の粘りが残る程度にカレールーをまぜるべし。
・カレーがまぶされてない納豆があると納豆の臭みが目立つから注意。
・カレーにキムチやチーズを混ぜるのと同じように、多すぎなければ良いトッピング。
・ただし、納豆嫌いな人は無理だろう。

何に似ているかと言われても、これは納豆とカレー以外の何物でもないのだけど、混ぜる事で別物になる。
粘りと香りを除けば豆カレー的な食感だけど、う～む。
系統は違うけど、ブルーチーズを混ぜた事で美味くなる料理みたいな？？

・真面目に考察

本場インドのカレーは悪魔の糞と言われるほどの悪臭を放つ”ヒング”というスパイスを入れる。
臭い物をわざわざ入れるのは他でも無い、美味しさの為だ。

ヒングの香りはニンニクと同じで硫黄化合物の類い。
加熱すると炒めた玉葱のように甘い香りになるし、他の香りと合わさることで劇的に美味くもなる。

そのままでは悪臭でも加熱や組み合わせで美味しく変化する事も多い。
ただ、この悪臭は加熱すれば完全に消えるわけでは無く少し残る。

単体では嫌悪される香りだが、スパイスの組み合わせや調理次第では、その香りが奥行きを与えるのだ。
最初は何だかな？？と思っても何度か食べる内にクセになる物無いですか？
アレです。

多分だけど、納豆の臭みがカレーの強い香りで和らぎ良い具合に混ざる事で美味くなるのだろう。
それに納豆の臭みは硫黄化合物との相性が良い。
今回のカレーはニンニクや玉葱を入れていたので、美味く化けたのだろうかもな。

正直、最初の数口は美味しいとは思わなかった。
が、後半になるに連れてクセになってきた。
程よい臭みは旨味になるのだ。きっと。

何年も敬遠してたけど、こう面白いならもうちっと早く試せば良かったな。あ、もし試そうと思っている方、トロッとしたカレーでやるのがオススメです。

・おまけ

本気で納豆に合わせたカレーを作るとしたらどうしたらいいのか。

納豆カレーのほとんどはカレーありきで合わせているが、逆に納豆ありきでカレーを作るとしたらどうするのだろうか。

あくまで想像ですので上手くいくかは分からんけど書いてみます。

・納豆の粘りをつつむ為にルーたっぷりカレーにする。
・蕎麦屋のカレー的に和出汁を使うのがいいかな。
・日本らしいカレーは相性良いけど、ダルカレーっぽくしたのもよさそう。
・クローブ、ローズマリー、カルダモン、ジュニパー、みたいな苦い系は特に合う気がする。
・米は固め、ルーはしっかりとろみを。
・サバカレーみたいなのとも相性がよさそう。
・臭み繋がりでマトンカレーなんかも良いのかもね、ヨーグルトしっかり入れた奴。
・キムチ納豆にしてカレーにのせてもよさそう。
・納豆に福神漬けまぜてもいいかも。

こんな感じかな。
次やるのがいつになるかは分からんけど、とりあえずこれくらいで。

何事もチャレンジですね。
想像できない味が美味い事ってそんなに多くないけど、たまに美味いです。
これからも挑戦してこ。
身近な所にも意外な美味い組み合わせってあるもんです。