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感覚か、論理か。
みなさんこんにちは、ヘルスケア&フィットネスのお仕事や学びをサポートしている工藤です。
私がnoteを発信してもうすぐ1年が経過しようとしています。
振り返ると、感覚的な内容と論理的な内容がそれぞれ行ったり来たりしています。
心の中で無意識にバランスを取っていたのだと思います。
この2つはしばしば対比の対象になります。
かつ、その時々で微妙に表現が変わったりします。
例えばこちらの記事。
「ファスト&スロー」という書籍を題材にしたもので、ここでは直感的な思考のシステム1と、合理的な思考のシステム2という表現が登場していました。
一昔前では、右脳と左脳というワードが頻出していました。
みな大別すると同じことを論じていて、ほとんどの場合は、『どちらも大切です』という結論になっています。
私の場合、バスケットや格闘技、音楽、自然に触れるnoteの記事内容は感覚的な思考を多用しています。
反対に、ビジネスや書籍の記事などは、ほとんどが論理的に考えながら作成をしていると思います。
しかしどちらも100%というわけではなく、比率の違いがあるだけで、完全に感覚と論理が分断されているわけではありません。
では、私たちの身の回りにもあふれている「知識」はどうでしょう。
正に「直感的な」思考としては、知識は論理的なものである、と考えるのではないでしょうか。
ところが、こちらの書籍を読むと必ずしもそうではないことが分かります。
知識創造企業(新装版)/野中郁次郎、東洋経済
著者は一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏。
組織が「知識を創るプロセス」を論じた世界的にとても有名な書籍です。
本書は新装版と言っても、中身はほとんど出版当初のまま。
かつて日本が世界経済を席巻していた頃に書かれていたこともあり、「日本企業の成功要因」を基本文脈として構成されています。
そのため、序盤では欧米と日本のルーツから対比が重ねられています。
欧米の知識は、形あるものが中心。
合理的で、白黒はっきりさせる。
これらを「形式知」としてまとめています。
それに対して、日本の知識は無形のものを大切にする。
感覚的で、あいまいな部分が広範に含まれている。
形式知に対して、これらは「暗黙知」とされています。
一見すると、ネガティブな要素として考えられがちな日本のあいまいさ。
それらをポジティブな要素として説明しています。
言葉では表現できない、大切なもの。
ビジネスに限らず身の回りにもたくさんありますよね。
どうしても日本は経済面で失速している印象があるため、本書のようポジティブな文脈で語られる機会が減少傾向にあります。
しかし客観的に考えて、良い部分とそうでない部分があるはずなので、それらを冷静に思考することが大切なのだと思います。