何気ない日常の中にある、大切なもの
みなさんこんにちは、ヘルスケア&フィットネスのお仕事や学びをサポートしている工藤です。
最近、久しぶりに「エッセイ」を読みました。
私にとっては何年ぶりか分からないくらい、手を付けていないジャンルです。
ベンチの足(考えの整頓)/佐藤雅彦、暮らしの手帖社
この本を知ったきっかけは、私の好きなアーティストがインタビューで紹介していたことでした。
著者の佐藤雅彦氏は、NHK教育テレビのピタゴラスイッチや、だんご三兄弟、バザールでござーるなど(もう分からない方もいると思いますが…)を手掛けたクリエイターです。
慣れないエッセイを読むと、自分は偏った読書をしていたのだなあ…と感じました。
エッセイは肩の力を抜いて、急がず、自由に、楽しみながら読むものだと思います。
私が最近読んでいた本は、少なからずビジネスに関係していたものが多く、読書の最中には余裕を持つ気持ちが不足していました。
🥚数え切れない日常の中に
本書の大半では、何気ない日常シーンが描かれています。
ところが、その日常も佐藤氏の感性を通すと非常に面白いひとコマになるのです。
まえがきにはこのような紹介文があります。
日常には、数え切れないくらいの「妙」があり、そのつど学ぶ理と、それでもこぼれる不可解さがあります。それらを記した文章が「考えの整頓」です。
クリエイターの感性を一部切り取って読むだけでも、読者の発想が豊かになる。
そんな印象を受けました。
当然ですが、私たちは24時間仕事をしているわけではありません。
ビジネスの難しそうな本を書いている人だって、日常で何気なく過ごす時間が長いはずです。
それでも、例えば経営戦略の本で昨日うっかり失敗した話を挿入したりはしません。
実はその日常で考えている内容こそ、共有すべき大切なことなのかもしれないのに…。
本書は、笑える話、心温まる話、はっとさせられる話など、リラックスして、正に「考えを整頓」できる23種のストーリーが集まっています。
この、「はっとさせられる話」の中には、本書のタイトルでもある「ベンチの足」も含まれています。
私は全く知りませんでした。
幾度となく目にしていた公園にあるベンチのことを…。
追われるような毎日をふと忘れて、静かな環境で目を通してみる。
そんなシチュエーションにぴったりの本だと思います。