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こころの非合理な仕組みを知る
みなさんこんにちは、ヘルスケア&フィットネスのお仕事や学びをサポートしている工藤です。
本日のテーマは「人間の心理」です。
初めにお断りしておくと、私は心理学の専門家ではありません。
はっきり言って素人に近いと思います。
そんな素人の私ですが、現在はメンタルヘルスの領域で、心理専門職の方とお仕事をする機会が増えています。
主に企業のメンタル不調に関する分野で、企画開発に携わることがあるのです。
そうなると、いつまでも素人ですなどとは言っていられません。
何より私自身が今まで仕事を続ける中で、メンタル面で大きなダメージを受けることが多々ありました。
自分自身に原因がある場合も、環境に原因がある場合もあったと思います。
いずれにしても、人の心理については自身の苦い経験からも学びたいなと思っていました。
その実感が昨今強くなって、学びを継続するようになった経緯があります。
🥚 非合理な人間のしくみ
先日、心理学の書籍をテーマにこちらの記事を発信いたしました。
『人は合理的に正しい判断を行っているか?』という内容がメインテーマです。
結論はこちらの通りです。
『人間は様々な歪み(バイアス)によって合理的に判断しないことがある』
そんなつもりはなかったのになあ…と後で不思議に思うような意思決定を、ついつい人はしてしまうということですね。
直感的な判断(システム1)と論理的な判断(システム2)の2種類の思考を持つことが、非合理な選択の主な理由でした。
上記の記事に引き続き、心理学ベースの書籍から話を進めます。
影響力の武器/ロバート・B・チャルディーニ
ビジネスマンが勉強する土台のひとつに「経済学」があります。
経済学は、まるでロボットのように、人間が合理的に動くことが前提になっています。
でも、人ってそんな単純なものでしょうか?
その対称となる、非合理な人間を研究する学問が「心理学」です。
冷静に考えたらそうならないはずなのに。
なぜかダメな選択してしまう。
本書は、他者から受ける「影響力」を心理学の面から考察しています。
人の行動に影響を与える6つの原理としては、下記の内容が紹介されています。
①返報性
②一貫性
③社会的証明
④行為
⑤権威
⑥希少性
これだけだとよく分からないと思いますので、今回は①の返報性を取り上げてみます。
ちょっと前に放送されていたドラマ半沢直樹に、こんなセリフがありました。
「やられたらやり返す」
「施されたら施し返す」
正にこれです(笑)。
やられたらやり返すって、良いこととは言えないですよね。
では、「施されたら施し返す」はどうでしょう。
一見、良いことのように思えます。
何故そう言えるかというと、私たちは幼少期からそう思うよう教育されているからです。
借りた恩は返すもの。
そうみんなが考えることで世の中が円滑になりやすくなります。
ところが、世の中にはその仕組みを自分のためにうま〜く利用する人もいるのです。
例えば、無料で何かを配布するプロモーション。
試供品などはよくありますよね。
実は、配布物をもらった側は、それらがほしくなくても、心の中に借りができてしまいます。
すると、その負い目から、相手の頼み事を受けやすくなってしまうのです。
それが自然な人の心理というもの。
その心理を利用して、自分が売りたい商品の販売をしやすくする。
セールスマンが使うテクニックのひとつです。
良い悪いは別にして、人の心理のひとつ、返報性をうまく利用している行為と言えます。
『影響力の武器』では、人が無意識のうちに影響を受けている6つの原理を紹介しています。
返報性以外の原理も大変興味深い内容でした。
一読することで、日常生活やビジネスの防御にも、攻撃にも、まさに『影響』を与える一冊だと思います。