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yuklab
歴史の石の影
その人の言葉はこう始まる。
親愛なる日本国民よ! 平和を大切にする世界の全ての人よ!
今回の広島サミットに参加するとは思いもよらなかった髭面の男性、ウクライナのゼレンシキー大統領の言葉だ。(引用はウクレインフォルムHPより)
私は、戦争によって歴史の石に影のみを残すことになってしまったかもしれない国からここへ来た。
この箇所には下記のように注がついている。
(編集注:ロシアの全面侵略戦争でウクライナが消し去られてしまう可能性を指している)
「歴史の石に影のみを残す」とはウクライナ語の有名な成句かしら?と気になっていた。
TVで広島の映像を観て、気がついた。
石に影のみを残した人、
人の影のみが残された石、
つまり、原爆記念館のあの石のことなのだと。
そうなのかこの人はあの石に、あの石のシミと見紛う焼付きに、核兵器による攻撃で瞬時に消滅する危機にさらされている自国と自国民の姿を見たのか。と思ったら涙が止まらなくなった。
「原爆を落としたのはアメリカだぜ?そして今はその核の傘に守られてんだぜ?」と夫は冷ややかで、この件に関してはお互い話が折り合えない。
しかし、もう誰かを核兵器の犠牲にしてはならないのだ。皆さんにはわかっていただきたい、とゼレンシキー大統領は言っている。
2023年5月21日記す。すっかり空想歴史戦記めいた日常の中で。