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【読書記録】*森と、母と、わたしの一週間*
こんばんは。今回読んだ本は、八束澄子さんの「森と、母と、わたしの一週間」です。長編の小説ばかり読んで疲れたので、前に読んだ読書術の本に書かれていた、パンダ読みを実践してみようと思い久しぶりの児童書です。
以下、書籍よりあらすじ引用
『おばあちゃんの葬式のあと、実家に残ったまま帰らぬ母。父とのなれないふたり暮らし。このところ、友だちともうまく距離をはかれない。そんなとき、風によばれた。行こう、あの町へ。
山にかこまれた小さな町で、少しずつ、野々歩の中のなにかが変わっていく』
友達とも父親ともなんだか壁ができてしまい、日々の生活が苦しくなってきた中学2年生の野々歩がこの物語の主人公です。「おいで」と風に誘われ、母親の地元である鳥取県智頭町に一人でやってきます。勢いで電車に乗り、学校もズル休みしてしまった野々歩。実家の荷物の整理のため一人で祖母の家に残ったまま帰ってこない母親に、本当は嫌われているんじゃないのかと、不安な気持ちを持ったまま会いにいきます。そこで目にしたのは、森のようちえんで活動している母の姿。学校に行く気にもなれなかった野々歩はすすめられるまま、森のようちえんの活動に参加することに…。
たどり着いたのは木々が生い茂る森の中。この森の一帯全てが幼稚園です。自由に駆け回り自分で遊びを見つけ夢中になっている子どもたちの姿に、野々歩の鬱々とした気持ちも晴れていきます。子どもたちや、母親、保育士たちと過ごしていく中で、いつの間にか心はゆったりと解放され、前向きな気持ちに変わっていく物語です。
終始描かれているのは、登場する子どもたちの純粋無垢さや、自然にあらがわず恩恵を受けている人々の姿です。今時の田舎に、こんな風に子どもたちがのびのびと活動している地域があるんだろうかと思ってしまうほどに、びっくりする幼稚園のスタイルですが、こちらは実際に鳥取県智頭町に存在する「まるたんぼう」という森の幼稚園を参考に作者の方が書かれたそうです。森の中の情景や、子どもたちがどんな風に1日を過ごしているのかが詳細に丁寧に書かれており、自分も野々歩と一緒に新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだような気分になりました。たまには立ち止まって、深呼吸するのも大切だよなと、改めて感じた作品です。
図書館で借りる時には児童書の棚にありましたが、主人公が中学生なのと、母親もメインの登場人物なので大人でも読み応えはしっかりあります。親子で回し読みすると、違う視点で感想を話せて楽しめそうです。
さて、もう一冊読書記録が残っているので、忘れないうちにnoteに投稿したいと思います。ここまで読んでくださりありがとうございます!